この前観た映画が好きだった(PEACE)
お気に入り作品が増えました
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世界観に浸れる素晴らしい映像美で、観ている時は現実を忘れさせてくれるのに、紡がれている一つ一つが日々の暮らしに溶け込むような映画が大好きです。
こういった作品って、「〇〇だから面白い!」と説明し難い。なんなら説明自体が蛇足に思えるほど、映画が映画だけで完成されている。
言葉で切り取りができない連立した緻密な魅力が映像にたくさん詰まっている、お気に入りの映画たちを紹介します。言葉はいらないので感想少なめです。
私はこの映画たちを何度も思い返して、現実世界を調律しています。
a human position
この映画がこの前鑑賞してとても好きだと思った作品です。スロームービー。
終始不安げな主人公の表情と、ノルウェーの現実離れした白夜の風景と、そこに唯一降り注がれるライブの愛。
シーンの美しさと、それを際立たせる静けさがとても心地よいです。
冬の旅
私は彼女のように死にたいと思い続けてはいるがきっと死ねないという諦観もきちんとあります。
個人的には、究極のフェミニズム映画であり、人間讃歌だと思っている。
女が孤独に旅をすること、気まぐれにセックスをすること、身体を売ること、情けを断ること、本当の自由を求めること、ぐるぐる考えさせられる。
そんな激しい物語なのに、人々によって淡々と語られていくのが大好きだ。
白河夜船
眠り眠り眠りたくなる。そしてふにゃふにゃした喋り方をしたくなる。
これは私の理想の一つ。
世界の時計を気にせず、関わりのある人間からの電話で1日が始まるなんて。素敵な堕落。
寺子には寺子なりの抱えきれない押しつぶされそうな漠然とした不安があって、それが彼女を寝具に沈めているのかもしれないけれど……
私はこの映画でたくさん眠る安藤サクラを羨望の眼差しで観ています。
GAGARINE
映画初出演初主演の主人公と、芸達者なリナ・クードリの演技の対比が最高。言語の壁を越えて伝わってくる人間味が溢れている。
そんなリアルな演技とユーリの空想世界(宇宙)のイメージがマッチして、団地から壮大な映像的世界観の広がりがある。
団地から見える空に目を凝らして、思いを馳せて、果てしない宇宙と少年の夢を体験できる映画。
奇跡の丘
初めて聖書を読んだ時、クリスチャンでは無いので、何が言いたいのかさっぱりわからなかった。
この映画では、キリストの人生が淡々と描き出されている分、パゾリーニは無神論者とあるが、逆に「イエスって本当にいたのでは……?」と思わされてしまう不思議な感覚を味わえた。
普段、神様がそばにいない私にとって、神の存在について思いを巡らせている人たちの思考を辿るのは、神様を感じることに近付いている気がして面白いです。
これらの映画は「観てください」としか言いようがないのだが、観てる途中でかなり眠くなるタイプの作品なので、ぜひ集中できる映画館などで見れる機会があれば最高です。
このような何かが派手に起こるわけでもなく、喜怒哀楽の隙間を縫うような繊細なものを掬い取って見せてくれる作品も、積極的に鑑賞してみてください。