涼しくなったのでホールドオーバーズを観た
『ホールドオーバーズ 置いてけぼりのホリデイ』
サブタイトルの通り、クリスマス休暇なのに寮で唯一の置いてけぼりとなってしまったアンガスと、その監視係を押し付けられた堅物教師のハナム。
思春期で不安定で生意気な青年と、裕福な家のぬるま湯育ちな若造に厳しく接する老教師はお互いに刺々しさを隠そうともしない。2人に食事を提供する料理長のメアリー、唯一ハナムに優しく接してくれる同僚のミス・クレイン。彼女たちの助言もあり、退屈なクリスマス休暇にアンガスの要望でボストンへ出かけることにした2人。
時に罵り合い、冗談を交わし、本音を語らえる仲になるまでを優しくコミカルに描いた本作。ホリデー映画なのに家族愛を謳わない、私たち一人ひとりのための物語。
感想
この映画を見て、1番に抱いた感想は「良い映画だったな」だ。
面白い映画は最近もたくさん見ていたが、ただただ素敵な物語とキャラクターと映像と音楽が詰まった作品には久しぶりに出会った。公式HPにも「普遍的な傑作ドラマの金字塔が誕生した。」と書かれている通り、びっくりするほど普遍的でいて、心に残り、涙が流れる傑作なのだ。
あらすじでは触れられない小さな物語も散りばめられ、ふふッと笑ってしまったり、共感で深く頷いたり、2時間を存分に楽しめる。
こだわりぬいたレトロな映像、ホリデー気分に浸れる音楽、繊細な物語…
上映劇場はもう少ないかも知れないが、是非とも劇場で鑑賞して欲しい映画。