ともはら

都内大学院生。 ひとに読んでもらうために書くのか、自分のために書くのか、という問題は棚に上げて書いている。

ともはら

都内大学院生。 ひとに読んでもらうために書くのか、自分のために書くのか、という問題は棚に上げて書いている。

最近の記事

Past Lives 感想

(観てから読むか、あらすじをどっかで読んでから読むのがいいかも) “Keep cool but care”がテーマの映画だった。 時間が不可逆だとしても関係性も不可逆なの?という問題提起でもある。 まず映画における「見られる」みたいな話を書きたくなる。われわれ観客がノラたちの物語を覗き込んでる、という意識が強い。冒頭からしてそういう作りになってるし、電車の車両越しのショットとか撮り方のレベルで結構思った。と同時に「見られている」ノラたちを描いて恋愛や人間関係における自意識

    • DUNE Part2 感想

      オッペンハイマーの感想を長々と書いたが、こちらは割とサラッと書ける。 やはりIMAXで見ればよかったと思いつつ活劇としてちゃんと楽しんだが、自分にとってはラストのシークエンスがこの映画のすべて。自分を保ち続ける者が浮き彫りになる構図、際立つ勇敢さと切なさ。あのキャラのような立場の側に立ちたい。 産業としてのハリウッド映画あるいは映画館の窮状を踏まえればポールとヴィルヌゥーヴはかなり簡単に重ねられてしまうわけで、その点どういう風にみられたいのか気になるがそこまでは読み解けず

      • オッペンハイマー 感想

        難解、というか考察されたがってる映画?初見の感想を書くことにどれほどの意味があるんだろうと思いつつメモがてら。 自分にとってノーランはスペクタクルなハードSFの作家の側面で好きだった節があり、今回の伝記映画が楽しめるのか観るまで心配していたが、割と序盤で杞憂だと確信できた。それは主に映像表現と音楽によって。映画としての骨格が強すぎて逆に俳優が付加価値を与えるのが難しそう。良し悪しは別としてそこがデューンと一番違うところかも。 ノーランには物理学に対するオブセッションを見出

        • 最近聴いた曲とか(2023/05 ~ 2023/06)

          6月が終わる!今年の前半が終わる!書き始めたのが6/30の夜!今日中に書き終わるのか!?たぶん無理!! Dancing in the Moonlight - Toploaderしばらくこの曲のムードに包まれて生活していたような感じ。ある日ふとこの曲のことを思い出してから毎日聞いてると思う。NetflixのUmbrella Academyで知った。その前から耳馴染みはあったような気もする。 この曲のオリジナルは1973年のKing Harvestでこちらも好きなんだが、上の

          渡欧記 (2022/11)

          もう半年前の話だが、去年の秋に研究の一貫で欧州に短期滞在した。先日、懇意にさせてもらっている先輩研究者と話していてその話になり、折角だからと当時書いたレポートを読んでもらった(≒送りつけた)ら、ありがたいことに好意的な感想をもらってシンプル嬉しかったのでnoteにも転載することにした。レポートの形態のまま修正等を最小限にとどめて載せてみる。 ロンドンで大雨にあってPCが水浸しになった話とか、学会で仲良くなったフランス人が超いい人たちでパリのおすすめスポットをめちゃくちゃ教え

          渡欧記 (2022/11)

          比較はお薬論

          これはyonawoのtokyoという曲の一節。 この歌詞を聞いたとき、これから書こうとしている内容はほとんど言われてるような気がした。 ── 春になり今年も研究室に新入生が加わった。5年前の自分もそうだったが、実験をはじめてすぐに口酸っぱく言われることのひとつに「コントロール条件をとろう」というものがある。例えば植物の生育に光が必要だということを実験的に示したかったら、光をあてて育てた条件だけでなく光を遮って(しかし他のコンディションはすべて同じで)育てた条件も必要になる

          比較はお薬論

          最近聴いた曲とか(2023/03 ~ 2023/04)

          今年に入って1月、2月は未開拓のジャンルの曲を聴き漁る季節だったが、そればっかりだと疲れてしまうこともあり最近は気に入った曲を絞って集中的に聴くことが多かった All My Friends - LCD SoundsystemThe 打楽器としての鍵盤のビートが曲全体を支配しつつも、ひとつひとつ聴こえてくる楽器や声もそれぞれクセになる。 元々この曲を見つけたきっかけは、最近惜しまれながら終わってしまったPOP LIFE: The PodcastのThe 1975特集で、彼ら

          最近聴いた曲とか(2023/03 ~ 2023/04)

          祝いの日

          祝日の朝、めざましは7時に鳴った。頑張って8時に起きた。どうしても今日中にやりたい研究のタスクがあったから寝起きでとりかかった。小一時間で終わらせて近所のパン屋でパンでも買って贅沢な休日の朝にしたろなんて考えがよぎったが結局3時間以上かかってしまった。まあいつものことだ。今夜の結婚式の二次会、どんな格好で行くかLINEに投げたら返事が来てた。自分以外みんなスーツみたいなことはなさそうだ。 かなりお腹が空いたので料理することにした。ラタトゥーユを作ろうと思って具材を揃えたのが

          Perplexity.ai 所感

          前までは調べるのに時間かかりすぎてほったらかしてたような相当ニッチな疑問でもperplexity.aiが教えてくれて助かる。ChatGPT (いまのところ)と違って参照元を出してくれるのがいい。 こんなこともやってくれんの?じゃあこれはどう?のループが終わらない感じ、はじめてiPhoneさわったときを思い出した。 質問を繰り返してるうちに「本当に知りたいのはこういうことなんだよ」ってなって抽象度が上がり、「こういう問いにすれば本質に近づくよな」みたいな学びがあり、単に使いこ

          Perplexity.ai 所感

          ひとつ、よしなに

          こういう文章ってたぶん最初の記事として書くと思うんだけど、もう先にいくつか投稿していた、そこはミスった ── 「飄々としてる」 昔、節目節目でもらうようなメッセージカードで、それなりに付き合いの長い友達からそう評された。意外だったけど改めて考えると思い当たる節はある。 人と知り合って少し時間が経ってから、そういう一面あったんだねとか、やっとどういう人間かわかってきたとか、ちょくちょく言われる。いつもうまい返しが思いつかないから「え、そうだよ?」と気の抜けた返事をしてし

          ひとつ、よしなに

          Stranger things 4 感想メモ

          キャラの話 今回も新キャラが仲間に加わり、ますます大所帯に / 好きなキャラ4選:マックス・ロビン・ダスティン・スティーブ / 序盤この4人が揃うシーンは個人的な見どころのひとつ / トラウマから友達と距離をおいていたが再び友情を信じて走るマックス / いわばトイ・ストーリーのウッディ / 友情をつなぐ媒体としての音楽 / いつでもどこでも聞ける普遍的な存在として音楽を最強にしてしまったWALKMANすげえよ / ここでRunning up the hill、鬼に金棒 /

          Stranger things 4 感想メモ

          3年

          2022年の年の瀬、今年こそはと11月に気合い入れてつくったクリスマスソングのプレイリストは曲順を凝りすぎたのが仇となってクリスマス本番を迎える前にあっさりマンネリ化、季節感まる無視で珍しく日本のラップを色々と聴く。そういえばアニメ『映像研には手を出すな!』の流れで『Easy breezy』めちゃくちゃハマってたのにchelmicoをdigってなかったなと気付いて調べだす。すぐに沼にはまり、アルバムもMVもインタビューも、彼女らのあらゆるコンテンツを片っ端から聴いて観て読みだ

          九州北部登山日記

          いつもの面子で九州に登山に行こうということで博多で一通りグルメを堪能した後(ごまさば・長浜ラーメン・水炊き)、レンタカーで大分に向かった。博多中心部ではカーナビにあまりに多くの駐車場が表示されるので森山直太朗の「どこもかしこも駐車場」を流しては男3人でゲラゲラ笑っていた(申し訳ないが箸が転んでもおかしい我々なのである)。 2日目、大分の九重連山は百名山の久住山や九州本土最高峰の中岳など連山を登り降りして、下山後のソフトクリームが美味だった(練乳ぽい味がした)。別府の宿に向か

          九州北部登山日記