見出し画像

淡島百景に想いを馳せて

志村貴子さんの『淡島百景』を初めて読んだのは
もう10年以上前。

とある歌劇団に通う女の子たちの、それぞれの背景や葛藤が描かれている。
志村貴子さんの描く女の子はとても魅力的。
ほぼ全ての漫画を読んできたが
私は、淡島百景がとにかく好きで
気がついたらサイトへいき新しい話が更新されていないか
この10年ずっとやってきた。

そして、ついに先日最終回を迎えた。

私も、はるか昔
モデルになる前は宝塚に入りたくてお教室に通っていた。
が、早々に挫折をした。
いじめだった。
が、私は小学生中学生と学校生活でも理不尽に過ごしてきたので
いじめなんかで心が折れるなんて思わなかった。
でも折れたのだ。
ポッキリ。

はっきりと覚えている。お教室へ行かなくなった私に
父と母が失望したことを。
私も、私に失望した。情けなくてたまらなかった。

私は、その後モデルとなるが
挫折した宝塚は夢の世界だったから
暫く観ることができなかった。
観ると自分が汚く思えてしまうから。

この言葉は読むたびに刺さり、考えさせられる。

でも、モデルとなり2年後にトップスターの方達と対談することになった。
私は、扉が開いた瞬間に泣き崩れた。
嬉しかった?
受ければ良かった、せめて受験してから諦めれば良かった、
涙は私の後悔を思い出させた。

4巻121p

15歳の私は、宝塚に行くことを諦め
親を失望させた。自分にも失望し絶望した。
でももう、通っている女子校には私の未来はないと感じていた。
そこで咄嗟に思いついたのがモデルだった。
逃げ出すためにモデルになった。
その先の未来は考えていなかった。

でも、若き日の私よ
一生懸命やっていたのは、大人の私が覚えている。

思い描いた未来ではないかもしれないけど
思い描いた未来よりも自由に楽しく大人になっているよ。