23年経って気がついた親心。
齋藤潤くん目当てで、『からかい上手の高木さん』実写映画を鑑賞。
この映画の感想は、また今度。
というのは、この映画を観て思わぬことに
私は気が付いてしまった。
映画にお祭りのシーンで中学生が出てくる。
中学生って、こんなに子供で幼かったのかと
今頃私は気が付いたのである。
子供がいないから仕方ないのかもしれないが
中学生は、どんなに大人びていても子供にしか見えない。
私が中学生の頃、
女子校に通っていたが他校の男の子に片思いをしていた。
彼も私立だが、共学校で自由な校風のため
周りの同級生はギャルで垢抜けていた。
この好きな男の子は学校1かっこいいと言われていたほどで
私も出会った瞬間に恋に落ちた。
が、何度も振られた。
ある時、親に携帯を解約させられた私は
勝手に携帯を契約してきた。
当時は、子供だけで契約できたのだった。
当然、明細が来るのでバレるのだが
怒られようがなんだろうが私は、
他校の思い人と連絡を断つわけにはいかなかった。
しかし、よりによって海外勤務の父が帰国したタイミングでバレたので
家族会議である。
父と母の前で、どうしてそんなに携帯が必要なのか聞かれ
私は覚悟を決めて言った。
あれほど緊張したことはなかった。
「好きな男の子とメールがしたいからです!」
私には覚悟のいる一言であった。
なんせ、父は生まれる前から海外にいたから
父の前で男の子の話なんてしたことがなかった。
しかし鬼のような母は
「手紙でやりとりしなさい!」
一瞬、何を言っているのだろうかとフリーズした。
そして、この一言で私は怒りが込み上げ
この親には分かるはずがない!
どれだけ彼がモテて、
他校で共学にいる時点で敗北に近いというのに。
「手紙なんかじゃダメなんだよ!!」
「手紙でダメなら、そもそも無理よ」と言われたのも覚えている。
分かってるよ!!
そうだよ!無理なんだよ!
そして、私は
この親には、一生私が誰に恋をしても分からないだろうと思った。
が、数ヶ月後
私は、思い人とお祭りへ行くこととなった。
嬉しかった。
すごく嬉しかった。
母に「友達とお祭り行きたいから浴衣ない?」と聞いた。
これも緊張した。
母は、夜の外出を絶対に許さないどころか
お祭りなんて危険でしかないという認識だから。
が、意外なことに母は伊勢丹まで浴衣を買いに行った。
伊勢丹だからだろうが、5万ほどしたので
浴衣ってこんなに高いの?!と驚いたが
もっと驚いたのは
母がすんなり買ってくれたことだった。
どういう気まぐれだろうか?と疑心暗鬼にもなった。
結局、デートはドタキャンされてなくなり
私には苦い思い出となったが
『からかい上手の高木さん』のお祭りのシーンを観て
中学生の子供がお祭りに行くなんて
親は絶対、相手は男の子だと気付くんじゃないか。
そう思った時、
私の中で点と点が繋がった。
母は、おそらく気がついていた。
私が、好きな男の子と夏祭りへ行くことに。
その為に浴衣を買ってくれたことに
私は、今頃気がついたのである。
私の中では「手紙でやり取りすれば良いでしょ!」発言で
母は何も許すことはないと思っていたが
多分、母は気がついていた。
気がついていたのだった。
お母さん、わかりにくいよ‥。
そして私は、今更気がついて察しが悪かった‥。
ごめん、気が付かなくて。
ありがとう、あの時浴衣を買ってくれて。
(でもドタキャンされちゃった‥)