建設業界のサーキュラーエコノミーを推進するコレクティブ_2024年振り返り
みなさま、年の瀬いかがおすごしでしょうか。
毎年恒例で一年の振り返り記事です。
(山下朋文の活動ダイジェストであります。)
私感覚で大きな一歩を踏み出せた年でした。
Circular Design Collective
今年のハイライトの一つは、建設のサーキュラーエコノミーを推進する活動、サーキュラーデザインコレクティブの始動でした。
サーキュラーデザインに関する活動は2023年から社内でチームとしてスタートし、各分野で既に取り組みをされてる方々と議論させていただいていました。その期間、日建設計東京ビルの改修ではサーキュラーエコノミーの原則を取り入れる検討を遂行、日建設計社内の新規ビジネスコンペで提案したアイデアで優秀賞をいただきましたが、その後に実際のプロジェクトでの試行を図ったり等と活動の方向性を探っている時期だったのですが、今年、活動の方向性と優先順位が見えてきた段階で社外に向けたリリースを出しました。取り組みの第一弾として、サーキュラーアイデアカタログ(Circular Idea Catalog:CIC)の整備を進めている旨を掲載しています。
サーキュラーデザインコレクティブ(Circular Design Collective : CDC)のチームは、2023年は2人だったところ、今年は最終的にメンバーが4人になりました。チームで共通の思いとしてあるのは、建設業界の誰もがサーキュラーデザインに取り組めるような環境をつくることが、社会にインパクトを与えるために必要ということです。数人のメンバーが頑張っただけで業界に与える影響には限りがあります。一方で、業界あげての参画を意識した時、建設のサーキュラーエコノミーについての情報への「遠さ」が、最初の障壁になると感じました。
「そんなアイデアがあるのは知らなかった!(知ってたら採用してた)」
「施策として進めたいけど、誰と一緒にやれば良いのか分からない。」
「普段のプロセスにどう組み込めるのか検討イメージが沸かない。」
情報不足が最初の障壁(バリアー)になる状況は先に解消し、情報をみなで共有した場に生まれる創造的なステップにすすみたい、そんな思いで、知見・アイディアを集約したカタログ化を進めています。
今年はまだ日建設計社内への展開に留めていますが、数年内に社外公開を行うことが目標です。
資源循環を社会のアタリマエにするための「共創」を共にすすめるサーキュラーフレンズ募集中!
2024年でやっていたこと
2024年山下がやったことの全体的な振り返り。
所属するサスティナブルデザイングループの業務を遂行する傍ら、
今年は新たに3件、受託業務でのサーキュラー関係の試行がスタート。
そのうちのひとつである某庁舎改修の案件では、業務になる前の企画提案段階からサーキュラーデザインのエッセンスをメインに取り込んだ提案を行う→企画採択いただいた初ケースでした。仕事として受託の後は、サーキュラーデザインに関わる調査を提案・実施、成果物として設計や仕様書をとりまとめ進めました。社内メンバーに大変恵まれ、自身も色々勉強させていただいたプロジェクトです。クライアントの皆さまのご支援もあり、設計図書の年内成果物を納品することができました。
(プロジェクトのお披露目ができる可能性は再来年以降…他の案件も、都市ビル型、山間低層地域施設とコンテクストが異なる中での検討なのでワクワクしているのですが、これらも形になってくるのは2~3年は先。)
来年、建築サーキュラーについては
1 CICデータベースの更新
2 循環型建築を追求するための的研究
3 実施プロジェクトにおける検討・深度化
の3つの方向性で追求したいと思います。
まだ30代前半、されど、もう30代。
これからはチームで進めて結果を残すということ、一方で、私個人が面白くなる努力も絶やさない、の2方向の頑張りを目標に、月並みですが、2025年も頑張っていきます!
何卒よろしくお願いいたします。
おまけ1
2024年、欧州視察で印象にのこったことの記録。
(視察については別途まとめる機会があるかも、)
RAU Architects @Netherland
オランダの建築設計事務所Rau Architectsの2人のThomasに案内いただき設計されたToriods Bankに伺ったとき。代表のThomas Rauさんのお話される内容、50~100年先の建築の在り方まで捉えた明確な語り、ビジョンには衝撃を受けました。
TED Talkがあります↓
…デンマークで経験したサーキュラーの議論が、印象ですが、クラフトシップをベースに成熟した技術を産業スケールへの応用する…というボトムアップアプローチを、産業内のいろんなプライヤーが同時多発的に進めていて盛り上がってる感じ、に比べて、オランダは、先にあるべき未来の思想を立て、次に必要な手立てとして建築やソフトウェアの開発行うという目標が設定されて、産業内の各プレイヤーが連動して結果を残そうとする…というような動き方の違いができてきてるようで、取り組み方として違うモチベーションというか、発想なので、その部分衝撃を受けた部分もあったかなと振り返って思ったことです。
ROTOR @Belgium
ROTORの取り組みを現地で伺いました。
MULTI Tower改修プロジェクトで新規投入材の2%(重量比)を再利用材とする目標を設定したこと、実際には2%を達成できなかったものの、既存ファサードの鉄骨部材や敷地外の広場タイルの解体材等をアップサイクルメニューを実現させたこと、それらのトライアルには敬意を抱かざるを得ませんでした。
Europe Building @Belgium
ブリュッセルにある欧州議会の入る建物の増築部のファサードはヨーロッパの解体された木サッシ3000組以上を再利用。ここまでやりきってるからこそ新しい表現に到達してる様が、実物を見ると圧巻でした。
おまけ2
2024年の買ってよかったもの3選
①Anker Nebula Capsule 3
インターネットでコスパが良いということで購入。
コンパクトでリュックに入る、音が静かで、画面も回りが明るくてもまあまあ映ります。
年末のキャンプ合宿、忘年会で意外に活躍してくれました。HDMI-HDMIケーブルとHDMI-USB-Cの変換ケーブルを両方もっておけば、ノートPCもiPadも投影できます。
②30 DAYS FITNESS AT HOME
フィットネスアプリ。これ入れてジムに通わない家でのトレーニングが捗るんですが…
思いがけずに助かったのが、2024年の中盤、日中の勤務と一級建築士試験勉強が佳境だった時期に背中と腰の凝りがひどく、週1で整体に通ってた時期がありました。が、ふと、このアプリの背中のストレッチ系のメニュー(5~9分程度)をやるようにしてからつらさが解消したんですよ。
もしや他のアプリでも良いかもしれませんが、体の凝りでお悩みの方、フィットネスアプリのストレッチメニューで解消できるかも!
③フィカス ウンベラータ と SUSTEE
観葉植物の水やりタイミングが分からず枯らしてしまった過去があります..
今年、初心者でも育てやすいというゴムの木系のフィカス ウンベラータを購入したのですが、そのとき、SUSTEEという水やりチェッカーを一緒に購入しました。これ、かなり助かってます。SUSTEEは土中の水分が十分だと頭の部分が水色になり、土中水分が乾くと白色に変わる、色で水やりタイミングが明確になります。水をやらなさすぎて植物がカピカピにしてしまったり、水をやりすぎて根を腐らせてしまったことはないですか?私は両方経験ありますが、4月に購入したフィカス ウンベラータは、まだ枯れていません。
みなさま良いお年をお迎えください!