見出し画像

中学生だった私たちのランチ900円&京大熊野寮ツアー

私の友人の中で最も付き合いの長い彼女は、集合場所に15分ほど遅れてきた。ブリーチした後数ヶ月経過したのかなっていう感じの見事なプリン頭に、ばちばちおしゃれを決めていた。こういうどこかアンバランスな感じは、私たちが出会った中学生の頃からずっと変わらない。あの頃は本当にヘンテコなことを一生懸命やっては大爆笑していた。大して勉強をごりごりやっているようには見えないのに、いつも試験でめちゃくちゃいい点数を取る彼女をみて、地頭がいいってこういうことなんだろうなと思っていた。

中学生の時は部活も一緒で、クラスが同じだったこともあった。けれど高校生になると、全く違う部活に入り、クラスも理系と文系で異なったため、廊下であえば声をかける程度になった。

そして、大学はそれぞれ別のところに進んだ。住むところが離れ自然と会う頻度は減ったが、それでも帰省や近くに旅行に来るタイミングでお互いに声をかけ合った。顔は合わせるけれど、時間をもって会話することのなかった高校生の時より大学生の時の方がちゃんと会って話すということをしていた気がする。

彼女とは仲良くなる友人のタイプがちょっと違って、共通の友人はいない。1対1で仲が良い。もちろん色んなフェーズで会話の内容は変わってきたが、ベースとしてお互いが相手のことに興味を持って話していて、且つしょうもないことで笑い合うことは変わらない。

最近、大学卒業就職前というこのタイミングでまた会った。今回は彼女の大学のすぐ近くの学生向けめちゃくちゃ良心的な価格のご飯屋さんに行った。ランチが900円から。この物価高の今、値段にこだわっているのが伝わってくる。デフォルトでご飯山盛り。だけど、大盛りも無料。安かろう悪かろうで雑な味って感じでもなく、美味しかった。良いお店。

インドネシア風そぼろご飯

その後、彼女が最近できて行ってみたかったという雑貨屋さんに入った。すっごい癖が強い。昔サーカスをコンセプトにしていて、レトロなおもちゃや古い医療器具が売られている。1階は自由に見れたが2階は入場料300円だった。ずっと、お化け屋敷の中みたいな音楽がかかっていて、それっぽすぎておどろおどろしい。結局何も買わなかったけれど、世界観が面白かった。映画監督さんが趣味でやっているお店のようだった。こういうお店を嗅ぎつけるのは彼女らしい。

「せっかくなので、うちの寮見て行く?」
と言われ、彼女の住む大学の寮ツアーをしてくれることになった。

そこは、大学の寮として全国で最も有名であろう京大の熊野寮である。地頭がいい彼女は(もちろん努力もしただろうが)京都大学に進み、そして何とあの熊野寮に入った。4人1部屋で家賃激安。なんともカオスな場所だった。寮の中であひるを飼っていて、あひる同好会なるものが世話をしているらしい。鳥居やピザ窯など「何故ここにある?」というものが中庭に放っぽり出してある。だけど調理場に大学が雇用する調理員さんがいたり、事務室で事務員さんが作業しているなど大学が管理している雰囲気をところどころで感じる。

プライベートスペースがほぼベッドの上しかない。廊下はほぼ外の気温で、今の季節だとめちゃくちゃ冷えている。だけど、家賃の安さ故かこの何とも京大らしい感じからか、400人ほどがここに暮らしていて更に定員オーバー状態らしい。失礼ながら、ここ人気なの?と疑いたくなる。でもやっぱり人気らしい。

そんなこんなで彼女の部屋まで見せてもらって、解散した。彼女は最後までおかしくて(褒め言葉)、留学生から貰ったというどでかいサメのぬいぐるみを抱えて見送ってくれた。今度は私の就職先の方まで旅行がてら来てくれると言っていた。

いいなと思ったら応援しよう!

おなかすいた
サポートしていただけたら泣いて喜びます。 いただいたサポートは、日々のご飯を少しだけ贅沢にしそれをまたシェアできればと思います。