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大麦は腸活の救世主 さらに血糖値を下げる!

腸活の大切さが叫ばれる昨今、毎日の食事のなかで腸活に貢献できる、大麦の存在がクローズアップされています。

大麦は、どのように腸内環境を改善するのか。
大麦の商品にはどのような種類があって、どう違うのか。
この点について解説します。

また、大麦のもう一つの重要な役割である、血糖値の抑制についても補足します。
(記事の文末に動画を貼っています)

水溶性食物繊維は腸内環境を整える

大麦が腸活、腸内環境によいのは、水溶性食物繊維を多く含むからです。

水溶性食物繊維は大腸内で水分を取り込み、便を柔らかくして便の通りをよくします。
つまり、便通改善の切り札は、水溶性食物繊維ということです。

さらに水溶性食物繊維は、大腸の中で善玉菌、とくにビフィズス菌のエサになってビフィズス菌を増やします。

ビフィズス菌が含まれる自然の食品というのは基本的になく、メーカーがビフィズス菌を添加したヨーグルトなどに限られます。 

ヨーグルトからビフィズス菌を摂るのも有りですが、私を含め、乳製品を敬遠している人にとっては、摂取先がありません。

代わって、ビフィズス菌のエサを摂ることが大切になります。

ビフィズス菌のエサとして代表的なものが、オリゴ糖と水溶性食物繊維です。
オリゴ糖については、下の記事をお読みください。

水溶性食物繊維は糖尿病を予防する

水溶性食物繊維には、善玉菌のエサ以外に大切な役割があります。
代表的なものとして、
血糖値を適正に調整する。
血中コレステロール値を正常にする。
この2つです。

血糖値から説明します。

膵臓から分泌されるホルモンとして、インスリン(血糖値を下げる)とグルカゴン(血糖値を上げる)があります。
この2つをコントロールしているのがGLP-1という消化管ホルモンです。

このGLP-1の分泌に、水溶性食物繊維が関わります。
大腸で水溶性食物繊維が発酵すると、短鎖脂肪酸が作られます。
短鎖脂肪酸がたくさん作られると、GLP-1もしっかり分泌されます。

こういうプロセスで、水溶性食物繊維は糖尿病や低血糖を予防します。 

血中コレステロールやナトリウムの排出

水溶性食物繊維は、水に溶ける性質から、ネバネバとしたゲル状に変化して、食べ物の移動を緩やかにする働きがあります。

そのように時間をかけて腸内を移動しながら、コレステロールやコレステロールを材料とする胆汁酸、および一部の有害物質も吸着して、便と一緒に排出させます。

水溶性食物繊維の働きをまとめた図がこちらです。 

この内、右下の有害物質排除は、どちらかと言うと不溶性食物繊維の方が優れています。
不溶性食物繊維は、水銀やカドミウム、ダイオキシンなどの有害物質を吸着して排出します。 

その代わりと言うわけではありませんが、水溶性食物繊維は余分なナトリウムを排出して、高血圧の予防に働きます。

まだ、あります。
大麦の水溶性食物繊維の大部分は、βグルカンと呼ばれるものです。

βグルカンはキノコ類に含まれることで知られていますが、そのβグルカンには、免疫賦活(活性化)作用があります。
もちろん、大麦のβグルカンにも免疫賦活作用があります。

大麦の水溶性食物繊維は他を圧倒

水溶性食物繊維を多く含む食べ物に海藻類があります。 
私が住む沖縄では、モズクやアーサ(あおさ)、または昆布を炒めて食べる(クーブイリチー)など、海藻類の摂取量が多く、そこからまとまった量の水溶性食物繊維を摂ることも可能です。

モズク
クーブイリチー

けれども、本土の方はそうもいかないと思います。 
そこで、救世主となるのが大麦です。

玄米だったり雑穀を入れたりなど、ごはんを工夫している人は多いはずです。
玄米というと食物繊維というイメージが強いかもしれませんが、玄米に含まれる食物繊維は、ほとんどが不溶性食物繊維です。

不溶性食物繊維も必要なものですが、腸活、腸内環境の改善ということに限れば、水溶性食物繊維が豊富な大麦に限ります。

大麦に含まれる100g当たりの水溶性食物繊維を見ると、このグラフの通りです。

大麦は、他の食品を圧倒しています。

先ほどの玄米(上から4番目)は、ほんの僅かです。
ごぼうや納豆も多いですが、大麦は桁違いです。

では、大麦の「もち性、うるち性、押し麦」と書いてある部分、大麦の種類とその違いに関して話をします。

「うるち性」と「もち性」の違い

大きなスーパーや自然食品店に行くと、そのまま「大麦」という商品ではなく、

このように「押し麦」「もち(丸)麦」「丸麦」などの商品名で販売されています。

お米に「うるち米」と「もち米」があるように、大麦にも「うるち性」と「もち性」に分かれます。

「うるち性」はサラッとしてプチプチとした食感を楽しめます。
「もち性」は粘りが強く、もちもちした食感が特徴です。

もち性の大麦には、外皮が残っています。 
グラフをもう一度見てください。

もち性の方が水溶性食物繊維が幾分多いのは、外皮が残っているからです。
「うるち性」「もち性」それぞれ二条種と六条種がありますが、そこは細かくなるので、今回は割愛します。

もう一度、写真です。

この中で「もち性」は、真ん中の「もち丸麦」です。残りの「押し麦」「丸麦」が「うるち性」です。

「押し麦」と「丸麦」の違い

「丸麦」は、大麦の外皮を取り除いて、糠を削った状態の丸い大麦のことです。「押し麦」は、丸麦を蒸して、ローラーで押し潰したものです。

そのままでは硬く吸水率が低くなる大麦を、お米と一緒に

炊きやすくするための加工法です。 私は自宅で「押し麦」を使っていますが、やはりお米との相性がいいように思えます。

でも、自分に合ったものを選べばよいと思います。大切なのは、どれを選ぶかということよりも、とにかく始めることです。

大麦はめっちゃ安いです。
私が食べている押し麦は、45g×12袋入って約300円です。

大麦とお米の配合量

まずは写真の左側、1、5割大麦ご飯から始めてください。
白米2合nプラス大麦50gです。

慣れてきたら、真ん中の3割大麦ご飯にチャレンジしてみてください。

水溶性食物繊維については、こちらの記事でも詳しく説明しています。

【おまけ】
大麦にも、小麦と同じようにグルテンが含まれるのかどうか、心配する人もいるかもしれません。
グルテンは、小麦に含まれるタンパク質で、人によっては腸に炎症を起こします。

しかし、大麦にはグルテンは含まれていません。
なので、安心して召し上がってください。

まとめ

大麦が腸活、腸内環境によいのは、水溶性食物繊維を多く含むからです。

水溶性食物繊維は、便通の改善に働きます。
また水溶性食物繊維は、大腸で善玉菌、とくにビフィズス菌のエサになって、ビフィズス菌を増やします。

さらに、
糖尿病予防、
低血糖予防、
血中コレステロール値を正常にする、
高血圧予防、
有害物質の除去、
免疫賦活作用もあります。 

大麦に含まれる水溶性食物繊維を比較すると、他の食品を圧倒しています。 

大麦は「うるち性」と「もち性」に分かれます。
「うるち性」はサラッとしてプチプチとした食感、「もち性」は粘りが強く、もちもちした食感が特徴です。

「うるち性」は「押し麦」と「丸麦」の2種類です。
「丸麦」は、大麦の外皮を取り除いて、糠を削った状態の丸い大麦のこと、
「押し麦」は、丸麦を蒸して、ローラーで押し潰したものです。

お米に混ぜて食べる場合は、まずは1、5割大麦ご飯から始めてください。

この記事の内容については動画もアップしています。
合わせてご覧ください。


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