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砂糖中毒(依存症)の恐るべき末路
私が住む沖縄といえばサトウキビ。
自宅のすぐそばにもサトウキビ畑があるくらい身近な風景です。
サトウキビから抽出、精製して作られるのが砂糖です。
本来はポジティブな内容をお伝えしたいところですが、こればかりはそうもいきません。
健康増進、慢性疾患予防、メンタルの安定などを考えると、砂糖にはデメリットしか思い浮かびません。
この記事では、砂糖の過剰摂取を長いあいだ続けると、どんなデメリットがあるのか。
代表的なもの8つを解説します。
このあと出てくる数々のデメリットや症状は、完全に精製、精白された白砂糖の過剰摂取したケースを前提としています。
(記事の文末に動画を貼付しています)
①糖尿病および合併症
砂糖のデメリットで有名なのは血糖値を上げやすく、そこからさまざまな病気を引き起こすことです。
砂糖には血糖値の上昇を抑える食物繊維がまったくありませんので、過剰摂取すると血糖値が一気に上がります。
砂糖には後ほど説明する中毒性があるので、これが習慣化すると糖尿病のリスクが高くなります。
糖尿病は、糖尿病である内は大きな問題はありませんが、進行するとややこしいことになります。
3大合併症と言われるのが、
腎症、網膜症、神経障害です。
腎症は悪くすると透析です。
通常は週3回、約4時間の透析が一生続きます。
網膜症は進行すると失明です。日本人の失明原因1位が糖尿病によるものです。
神経障害は最悪の場合、足の切断につながります。
②動脈硬化
糖尿病は、動脈硬化の引き金になります。
血管内にブドウ糖が増えすぎると、余剰になったブドウ糖が赤血球のヘモグロビンとくっつきます。
ブドウ糖にくっつかれた赤血球は、弾力性が失われます。
それが血管壁にぶつかって、血管を傷つけるからです。
動脈硬化も、動脈硬化の内は大問題には至りませんが、進行すると心筋梗塞や脳梗塞の引き金になります。
心筋梗塞を含む心血管疾患は日本人死因の第2位、
脳梗塞を含む脳血管疾患は第4位です。
動脈硬化はイエローカードを意味します。
③ガンのリスク上昇
糖尿病は、日本人死因第一位であるガンのリスクも上げます。
ガン細胞を増殖させるエサは、おもにブドウ糖だということをご存じでしたか?
以前は、ガン細胞の「唯一の」エサはブドウ糖だと言われたこともありました。
が、今ではガンの種類によってはアミノ酸や脂肪酸もエサにすることが分かっています。
それでも、ガン細胞の主たるエサがブドウ糖であることには変わりありません。
糖尿病の場合、ブドウ糖が溢れているわけですから、ガン細胞にとってはエサだらけ、好都合ということです。
一番やっかいなのは、膵臓ガンです。
血糖値が高いと、それを下げようとして、膵臓が頑張ってインスリンをドンドン分泌します。
ただでさえ、膵臓は酷使されて疲弊しています。
そこに余剰な糖という「エサ」が溢れているのですから、ガンのリスクが高くなるのも押して知るべしです。
膵臓ガンは、すべてのガンの中でもっとも5年生存率が低いことで知られています。
膵臓ガンを含めた、ガンのリスクを上昇させる糖尿病をけっして侮らないでいただきたいと思います。
④腸内環境の悪化
砂糖の摂りすぎは腸内環境を崩しやすく、そこからさまざまな病気を引き起こします。
砂糖は腸内の悪玉菌(とくにクロストリジウム)のエサになるので、
過剰摂取すると悪玉菌が大増殖して、
腸内細菌バランスが一気に悪化します。
すると、さまざまな不調や便秘、肌荒れの原因になります。
腸内細菌バランスの崩れは、とくに大腸に影響が出やすく、
大腸ガンのリスクをはじめ、
潰瘍性大腸炎、過敏性腸症候群、
クローン病など、
近年ジワジワと増えている疾患にも少なからず関わっています。
⑤腸の炎症とアレルギー
砂糖が原因となる腸内環境の悪化が引き起こす別のリスクが、腸の炎症です。
小腸に炎症が起こると、アレルギーの原因になります。
なかでも近年とくに関心が高いのが
リーキガットという現象です。
リーキガットとは「漏れる」という意味ですが、漏れる物質は未消化のタンパク質です。
小腸は、
一つ一つまで分解されたアミノ酸、
アミノ酸が2つ結合したジペプチド、
アミノ酸が3つ結合したトリペプチド、
この3種類のみを吸収して血液中に入ります。
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しかし小腸に炎症が起こると、ピタッとくっついているはずの吸収細胞の間に隙間が空いてしまいます。
そこから、本来は入るはずのない4つ以上のアミノ酸がくっついたペプチドがすり抜けて(漏れる)血液中に入ってしまいます。
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こうなると体の免疫システムが、本来あるはずのないものなので、それを異物と認識して攻撃を仕掛け始めます。
これが「免疫の暴走」と呼ばれるものです。
免疫の暴走が一定期間続くと、何らかのアレルギーを発症しやすくなることが分かっています。
⑥老化の進行
「糖化」という言葉を聞いたことがありますか?
酸化が「錆びる」と表現されるのに対して、
糖化はよく「焦げる」という言葉が使われます。
糖化とは、体の中で糖が過剰に蓄積された状態のことです。
糖質を過剰に摂取すると、余分な糖が体内でタンパク質と結びつき、そのタンパク質が変性してAGEs(最終糖化産物)という老化物質を生成します。
AGEsは分解されにくいだけではなく、
肌や髪、骨など全身に蓄積して、組織の老化を進行させます。
例えばAGEsがコラーゲンに蓄積すると、
肌の弾力が失われ、肌がたるみ、くすみます。
AGEsは内臓や骨、髪の毛にも蓄積して全身の老化を促します。
これによって、先ほどの動脈硬化や骨粗しょう症など様々な病気を誘発する危険性があります。
余剰な糖質があればあるほど、タンパク質と結合してAGEsが生成されます。
⑦依存症(キレる)
最初の糖尿病でも触れたように、
砂糖には食物繊維が含まれていないため、大量に摂取すると血糖値が急激に上昇します。
すると、血糖値を下げるインスリンが大量に分泌されて、血糖値が急激に下がりすぎ、今度は低血糖状態を引き起こします。
低血糖状態になると、
脳がエネルギー不足、空腹状態だと勘違いして
「糖質を摂取して血糖値を上げろ」
と信号を出します。
空腹ではないのに、常に甘いものを欲するようになる。
これが砂糖依存症です。
血糖値を上げる物質はいくつかありますが、その中の一つに
アドレナリンがあります。
アドレナリンは興奮した時に放出される神経伝達物質ですが、大量に放出されると、
思考力が減退して集中力の低下、
短気な状態、キレやすくなります。
現代の子どもに見られる、砂糖依存症の典型的なパターンです。
⑧依存症(快楽物質)
砂糖を摂取すると、脳の中で
ドーパミンやセロトニン、ノルアドレナリン
等の脳内神経伝達物質が分泌されます。
なかでもドーパミンは、一時的に快楽を感じる麻薬のような性質を持っています。
体が疲れた時やストレスを感じるたびに甘いものを食べて幸福感や癒しを得るようになると、この快楽がクセになります。
やがて中毒のように
「砂糖を取ること=幸せになる」
と無意識に脳が感じるようになってしまいます。
快楽を得るため砂糖を摂る、
この状態に陥るのが砂糖依存症です。
砂糖が含まれる食べ物は
甘いお菓子やケーキ、アイスクリーム
だけではありません。
清涼飲料水、パン類、加工食品、調味料
にも含まれています。
普段甘いものを食べない人でも、
知らず知らずのうちに砂糖を大量に摂取し、依存症になる可能性があります。
砂糖依存症の症状として、
⒈ 甘いものを食べないと落ち着かずイライラする
⒉ ストレスを感じると甘いものが食べたくて仕方なくなる
⒊ 妙に疲れやすく、甘いものを食べると元気になる
⒋ 短時間の労働でも、めまい・立ちくらみなどを感じる
これ以外にも、
頭痛がする、集中力がない、
落ち込みやすい、怒りっぽい、
手足が冷える、朝起きるのが辛い、
などの症状が出やすくなります。
まとめ
砂糖の過剰摂取による8つの恐るべきデメリット
1 糖尿病および合併症
糖尿病が進行して、3大合併症である
腎症、網膜症、神経障害を起こすことが大問題です。
2 動脈硬化
動脈硬化が進行して心筋梗塞や脳梗塞の引き金になるので、要注意です。
3 ガンのリスク上昇
ガン細胞の主たるエサはブドウ糖です。
糖尿病の場合、血管内にブドウ糖が溢れているので、ガン細胞にとってはエサだらけ状態です。
4 腸内環境の悪化
砂糖は腸内悪玉菌のエサになり、悪玉菌が大増殖して、腸内細菌バランスが一気に悪化します。
すると、さまざまな不調や便秘、肌荒れ、大腸疾患の原因になります。
5 腸の炎症とアレルギー
腸内環境の悪化は、腸の炎症を引き起こします。
小腸の炎症は、タンパク質の異物が血液中に入るリーキガットにつながり、アレルギーの原因になります。
6 老化の進行
過剰摂取による余分な糖が体内でタンパク質と結びつきます。
そのタンパク質が変性してAGEs(最終糖化産物)という老化物質を生成して、全身の老化を促します。
7 依存症(キレる)
血糖値が急激に上昇すると、インスリンが大量に分泌されて、逆に低血糖状態になります。
すると、血糖値を上げるためアドレナリンが分泌されて、思考力が減退して集中力の低下、短気な状態、そしてキレやすくなります。
8 砂糖依存症(快楽物質)
砂糖を過剰摂取により、脳内神経伝達物質が分泌されます。
その中のドーパミンは、一時的に快楽を感じる麻薬のような性質を持ち、恐ろしい砂糖依存症に陥ります。
この記事の内容については動画もアップしています。
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