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スーパーの豆乳売場は色とりどり。だが、豆乳は本当に体によい食品なのか?

スーパー等で豆乳の棚を見ると、色とりどりさまざまな商品が並んでいますが、その中のどこを見て、どうやって選べばよいのか。

また、そもそも豆乳は体によい食品なのか。そして、豆乳を飲む際の注意点について補足します。  
(文末に動画を貼付しています)

豆乳とは

豆乳は大豆を原料とする大豆食品であり、豆腐に固める前の乳液の状態のものをいいます。

大豆をすりつぶして液体を絞り、汁と“かす”に分けます。
汁が豆乳で、“かす”はおからです。

そのため、豆乳には食物繊維はほとんど含まれませんが、吸収はされやすい状態になっています。
豆乳に含まれる栄養素は、食物繊維がないことを除けば、ほぼ豆腐に準じています。

タンパク質、カルシウム、マグネシウム
大豆イソフラボン、大豆サポニン
レシチン、大豆オリゴ糖

などです。

豆乳の分類

色とりどりの商品が並ぶ豆乳ですが、大きく3つに分けられます。

JAS(日本農林規格)によって、
無調整豆乳(豆乳)、調整豆乳、豆乳飲料
の3種類に分類されています。


無調整豆乳は、豆乳に水以外のものを加えていない、大豆以外の原材料を使っていないものです。 
大豆固形分(※)が8%以上(大豆タンパク質換算3.8%以上)のものです。
※大豆固形分=製品から水分を取り除いて残った大豆の成分量のこと

調製豆乳は、豆乳に砂糖、塩、油脂、香料を加えて飲みやすくした乳状の飲料です。
大豆固形分が6%以上(大豆タンパク質換算3.0%以上)のものです。

豆乳飲料は、調整豆乳に果汁やコーヒーを加えた飲料で、果汁入りとその他に分けられます。 
果汁入りは大豆固形分2%以上(大豆タンパク質換算0.9%以上)、その他は大豆固形分4%以上(大豆タンパク質換算1.8%以上)です。

このことからも分かるように、
無調整豆乳➡️調整豆乳➡️豆乳飲料
の順にタンパク質が少なくなります。
ほかのいろんなものが混ざるのですから、当然と言えば当然です。

少なくなるのはタンパク質だけではありません。
カリウム、マグネシウム、レシチン、大豆サポニン、大豆イソフラボンなども、混ぜ物が入るシワ寄せで少なくなります。

豆乳飲料には注意

実際に売場に行って豆乳の陳列棚を見ると、アイスクリーム店と見間違えるような色とりどりのフレーバーが並んでいます。

けれども、成分表をチェックすると・・・
砂糖、果糖ブドウ糖液糖(人工的な砂糖のようなもの)や
アセスルファムカリウム、スクラロースという有害性が疑われている人工甘味料が入っています。

着色料や人工甘味料が入ったアイスクリームを食べていると思えば何でもないことです。
が、何も豆乳を飲むのに、体に入れる必要があるのかどうか不思議に思います。

こういった飲料が出回るのは、無調整豆乳は独特の豆くささが残っていて飲みにくいからでしょう。
けれども、「健康によさそうだから」という理由で豆乳を飲むにしても、フレーバー豆乳を飲むのでは本末転倒です。

飲むのであれば◯◯◯豆乳

この際ハッキリといいます。
無調整豆乳が飲めないのであれば、無理して豆乳を飲む必要はありません。

納豆や豆腐を食べて味噌汁を飲んでいればよいのです。
私がこう言うのはもう一つ理由があります。

現在流通している豆乳のほとんどが、工場で大量生産された商品です。
そういった商品に、豆乳本来の栄養素がどれだけ残っているのか分からないからです。

町の豆腐屋さんの昔ながらの製法はこうです。
大豆を十分に水に浸してから擦り潰して、きれいな大量の水で煮込んで、自然な毒を含んだ灰汁を取り除きながら豆腐や豆乳を作ります。
 
工場生産では、水に浸して豆を柔らかくする時間を省くために、アルカリ溶液に浸します。
そのまま圧力鍋で煮て、灰汁を取り除く時間を省くために、さまざまな化学添加物を混ぜて製造します。

製造過程で多くの化学添加物を混入することによって、大豆の栄養素の一部、または多くが失われてしまいます。

工業的に大量生産された豆乳は、自然な食品というよりは加工食品に近いと言ってもよいでしょう。

ですから、健康のために、栄養摂取のために豆乳を飲む必要はないと、私は考えます。
納豆や豆腐を食べていれば、同じ栄養素が十分に摂取できます。

豆乳を飲む注意点

大豆イソフラボンの摂りすぎです。
大豆イソフラボンは、効力の弱い女性ホルモンのような働きをして、更年期や閉経後のエストロゲンが減少する場面ではそれを補って、逆にエストロゲンが過剰な場面ではそれを抑えます。

それにより、更年期症状の緩和や骨粗鬆症の予防、乳がん、子宮体がん、卵巣がんの予防に貢献します。
 
とはいえ、イソフラボンも摂りすぎるとエストロゲン過剰の状態になります。

内閣府食品安全委員会のHPには、大豆イソフラボンの一日摂取目安量の上限値は70~75 mg/日だと表記されています。
70~75 mg/日だと納豆1パックと豆腐半丁で概ねその量になります。

そこに豆乳が加わると大きく上回る可能性があります。
大豆食品全体でイソフラボンの量を調整しながら、豆腐や納豆などを合わせてバランスよく食べてください。

まとめ

豆乳はJAS(日本農林規格)によって、無調整豆乳、調整豆乳、豆乳飲料の3種類に分類されています。

無調整豆乳➡️調整豆乳➡️豆乳飲料の順にタンパク質が少なくなります。

それだけではなく、カリウム、マグネシウム、レシチン、大豆サポニン、大豆イソフラボンも同じ順番で少なくなります。

混ぜ物が入る調整豆乳や豆乳飲料、なかでも豆乳飲料には、砂糖や香料だけのはありません。
商品によっては果糖ブドウ糖液糖(砂糖もどき)またはアセスルファムカリウム、スクラロースという人工甘味料が入っているので注意が必要です。

健康のことを考えて飲むのであれば無調整豆乳の一択になります。
が、現代の豆乳そのものが工場で大量生産された商品であり、昔ながらの豆乳屋さんで作られた豆乳と比べると栄養価も低くなります。

そういったことも踏まえて、飲む飲まないの選択、および商品選びをしてください。

この記事に関しての動画もアップしています。
合わせてご覧ください。


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