風邪予防にはビタミンC。なんだけど、ビタミンCって一体どんなビタミン?
風邪の予防にはビタミンCということは、何となく多くの人が知っています。あるいは、美肌にはビタミンCとか・・・。
けれども、ビタミンCが如何にマルチな働きをして、にも拘らず驚くほどコスパのよいビタミンであることは、あまり知られていません。
そこで、ビタミンCの概略を今回と次の回で記してみます。
(文末に動画を貼っています)
ビタミンCはマルチプレーヤー
ビタミンCの役割はじつに多彩です。おもだったものを挙げても
・活性酸素を除去する抗酸化作用
・コラーゲンの生成を助ける
・鉄の吸収を助ける
・インスリンの働きを助ける
・仕事をし終わったビタミンEを再生する
・白内障の予防
・アルツハイマー予防
・パーキンソン病予防
・ニトロソアミン(発がん物質)の生成を妨げる
など、その仕事の数は50以上とも100以上とも言われます。
風邪予防のメカニズム
ビタミンCがどうして風邪を予防するのか。
風邪は約90%がウイルス性によるものです。ビタミンCは、ウイルスに対して2つの役割を果たします。
1 免疫の要、白血球を活性化してウイルスを攻撃する。
白血球の中のマクロファージを活性化して、活性酸素の一種である過酸化水素を出させます。この過酸化水素が武器になって、ウイルスを攻撃します。
2 インターフェロンの合成を促進する。
インターフェロンというと、C型肝炎ウイルス治療で用いられる人工の薬剤が有名ですが、じつは人体でも天然のインターフェロンを合成することができます。ビタミンCは天然インターフェロンの合成を促進して、それがウイルスの核酸(遺伝子を作る材料)を破壊して、ウイルス増殖を抑えます。
こういう機序で、ビタミンCは風邪を予防することが出来ます。だから 知っている人は風邪をほとんどひきません。
私も、10〜20年、風邪をひいて寝込んだ記憶がありません。
ビタミンCの必要摂取量は100mg/日 ?
では、ビタミンCはどのくらい摂取すれば良いのかと、いう話に移ります。
厚労省が示す日本人の食事摂取基準2020年版。
その中にあるビタミンCの推奨量では1日100mgです。1日100mと聞いてもピンとこないと思いますので、具体的な食品で説明します。
ビタミンCが多く含まれる代表的な食品はご覧の通りです。
上記以外では、キウイ、トマト、小松菜、ほうれん草、大根、ゴーヤなどにビタミンCが含まれます。
次に各食品100gに含まれるビタミンCの含有量を示した表がこちらです。
これを見ると、ブロッコリー(54mg)約200g食べると100mg。赤ピーマンは(170mg)約60g食べると100mg摂取したことになります。
こう見るとビタミンCを1日100mg摂取は意識して含まれる食品を食べれば、むずかしいこととは思えません。
100mg/日では足りないって、どういうこと?
しかし、実際には100mgでは全く不足していて、その量ではウイルスに対抗することなど到底できません。
では、厚労省が示す日本人の食事摂取基準2020年版にある推奨量100m gとはいったい何なのかということですが、この100mgという量は「ビタミンCが不足はしていない」という量に過ぎません。
100mgを大きく下回ると、ビタミンCの欠乏症である壊血病という病気(16〜17世紀の大航海時代に流行った)を発症します。
ビタミンCを100mg摂れば壊血病は予防できるという意味であり、100mg摂っても風邪の予防一つできません。
では、対ウイルス効果をはじめ、ビタミンCに多くの重要な仕事をしてもらうには、どのくらいの摂取量が必要なのでしょうか。
必要量は、その10〜20倍
ズバリ言います。最低でも1000mgです。推奨量の10倍です。
しかも、私は今「最低でも」1000mgだと言いました。
個人差がありますので、1000mgで大いに効果がある人もいれば、そうでない人もいます。
そうでない人の場合は1500〜2000mg必要です。
そのくらい大量に摂取しないと、50とも100とも言われるビタミンCの仕事をさせることはできません。少量の場合は少量なりの仕事しかしません。
ただ1日に1000mgとか2000mgになると、もう食品からの摂取では限界を超えてます。100%不可能です。
ブロッコリーを1日2000g、4000g食べなければいけません。
そうなってくると、残る手段はサプリメントということになります。
「なんだ、サプリメントか」と思うかもしれませんが、これはもう仕方がないことです。ビタミンCに最高の仕事をしてもらいたいのであれば。
具体的にどのようなサプリメントを選んで、どのように飲むのが効率的なのかという話は、下の記事で触れています。
まとめ
ビタミンCの役割はきわめて多く50とも100とも言われます。その中にはウイルスに対抗する作用も含まれます。
ただし、50とか100の仕事をさせるには大量摂取が必要です。
厚労省の推奨量は1日100mgだが、それでは全く足りません。100mgという量は「ビタミンCが不足はしていない」という量で、壊血病は予防できるという量に過ぎません。
理想量として、最低でも1日1000mg。可能であれば、1500〜2000mgくらい摂取していただきたいと考えます。
このレベルの量は食事からの摂取では100%不可能なので、サプリメントを上手に使うことをお薦めします。
(ビタミンCサプリメントに関しては別の記事で。
この記事の内容については動画もアップしています。合わせてご覧ください。