新型◯◯◯も風邪も同じウイルスです。だから、まずは風邪対策を。
風邪やインフルエンザが心配な季節になってきました。
加えて、第8波もジワリジワリ忍び寄っています。
けれども、新型◯◯◯は、ウイルスであることがスタートラインです。
であれば、その8〜9割がウイルスである風邪の予防対策をするだけでも、あながち無意味とは言い切れません。
もちろん、風邪対策で新型◯◯◯が完全に予防できるなどとは、間違っても書きません。
それでも、風邪(ウイルス)を予防するプロセスが、即ち◯◯◯ウイルスに対しても一定の予防効果にはなります。
私もこの3年近く、ウイルスと対抗する栄養素をせっせと摂ることで、感染予防に努めています。
そこで、あらためて風邪予防に役立つ3つの栄養素を列挙してみます。
(文末に動画を貼付しています)
風邪の正体
そもそも、風邪の正体は何なのでしょうか。
風邪とは、上気道(鼻やのど)が微生物に感染することによって起こります。
原因微生物の80〜90% はウイルスが占めており、残りの約10%は細菌、マイコプラズマ、クラミジアなどウイルス以外による感染です。
つまり風邪のほとんどがウイルスだということです。
風邪ウイルスの数は200種類以上といわれており、どのウイルスが原因で起こったのかを特定することは困難です。
また、同じウイルスでもいくつもの型があり、それが年々変異します。
一度感染したウイルスに対抗する免疫ができたとしても、また新しいウイルスに感染します。
そのため、繰り返し風邪をひいてしまうのです。
一般に感染症では、抗体があるかないかということが注目されます。
が、風邪の場合は、抗体を備えてもほとんど意味がないということです。
ですから、どのような風邪ウイルスがやってきても、それに対抗できる免疫を備えることが大切です。
それに必要な栄養素3つの話です。
タンパク質
風邪予防に役立つ栄養素、1つ目はタンパク質です。
何はなくとも、タンパク質がしっかり摂れていることが大前提です。
理由は、免疫の要である白血球(リンパ球)の材料がタンパク質だからです。
上の図のマクロファージ、好中球、Tリンパ球、 NK細胞、Bリンパ球も、すべて材料はタンパク質です。
このあと説明するビタミンCなど、白血球を活性化してウイルスを攻撃する能力をアップさせる栄養素はいくつかあります。
しかし、その白血球の数が揃ってなければ、そもそもウイルスと戦えません。
タンパク質は、基本的に食事からの摂取を目指してください。
肉類、魚介類、卵、大豆食品などを中心に毎日3食、しっかり意識して摂ってください。
1日の摂取量目安は、体重の千分の一プラスα(できれば+20%くらい)です。体重50kgの人の場合は、50〜60g/日になります。
ビタミンC
風邪予防に役立つ栄養素、2つ目はビタミンCです。
ビタミンCのウイルスに対する役割は2つあります。
1 免疫の要、白血球を活性化してウイルスを攻撃する
白血球の中のマクロファージを活性化して、活性酸素の一種である過酸化水素を出させます。
この過酸化水素が武器になって、ウイルスを攻撃します。
2 インターフェロンの合成を促進する
インターフェロンというと、C型肝炎ウイルス治療で用いられる人工の薬剤が有名です。
しかし、人体でも天然のインターフェロンを合成することができます。
ビタミンCは天然インターフェロンの合成を促進して、それがウイルスの核酸(遺伝子を作る材料)を破壊して、ウイルス増殖を抑えます。
ここで問題になるのは、1日の摂取量です。
厚労省が示す、日本人の食事摂取基準2020年版。
その中にある推奨量は、1日100mgです。
1日100mであれば、ビタミンCが多く含まれる野菜や果物を食べていれば、クリアすることができます。
けれども、100mgは最低限の量であって、その量では風邪ウイルスに対抗することなど到底できません。
免疫を高いレベルで維持するには、ビタミンCは最低でも1000mg/日は必要です。
1000mgは平常時です。
ウイルスが流行しやすい季節に、風邪やインフルエンザに対抗したいのであれば1500mg〜2000mgは摂取するのが望ましいと考えます。
1000mg、または1500mg〜2000mg/日となると、食事からの摂取では100%不可能です。
この場面でサプリメントを使ってください。
ビタミンCのサプリメントはきわめて手頃な価格であるために、1日2000mgという量を摂っても財布が痛みません。
ビタミンCサプリメントに関しては、以下の記事をお読みください。
ビタミンA
風邪予防に役立つ栄養素、3つ目はビタミンAです。
ビタミンAがウイルスと対抗するのは、ビタミンAが粘膜を強化するという役割を持つからです。
鼻腔、口、のど、気管、気管支、肺などからなる呼吸器は、常に吸い込んだ外気と触れています。
空気中にウイルスがいても、侵入されて感染しないような防御機構が備わっています。
それが粘膜です。
粘膜では、異物による感染から体を守る免疫防御機能が働いています。
異物と戦って粘液で異物を付着して、絨毛運動によって外に出すシステムです。
くしゃみ、鼻水、咳、たんが出たり、粘膜内部の組織に炎症が起こって腫れ、鼻づまり、のどの痛みなどの症状を引き起こすのは、粘膜が異物を外に出そうとしている反応です。
体がウイルスに晒される最初の防衛ラインが粘膜であり、ここで少しでも撃退することが重要です。
そして、その粘膜を強化するのがビタミンAです。
ビタミンAというと、夜盲症予防など「眼のビタミン」として知られていますが、粘膜強化、ウイルス予防もビタミンAの大切な役割です。
ビタミンAが多く含まれる食品はレバー、ウナギ、赤肉などです。
中でもレバーの含有量は突出していて、レバーを時々、月に2〜3回でも食べる人は不足することはありません。
一方、レバーや赤肉をほぼ食べない人は、ビタミンAの十分な摂取が難しいかもしれません。
その場合は、サプリメントも選択肢の一つです。
まとめ
風邪予防に役立つ栄養素、1つ目はタンパク質です。
免疫の要である白血球(リンパ球)の材料がタンパク質だからです。
白血球の数が揃ってなければウイルスとは戦えません。
2つ目はビタミンC。
ビタミンCは、免疫の要である白血球を活性化してウイルスを攻撃します。
また、天然インターフェロンの合成を促進し、ウイルスの核酸を破壊して、ウイルスの増殖を抑えます。
風邪予防に役立つ栄養素、3つ目はビタミンAです。
ビタミンAは、体がウイルスに晒される最初の防衛ラインである粘膜を強化する役割を持つからです。
まずは、この3つの栄養素をしっかり摂取してください。
余裕があれば、ビタミンDと亜鉛を強化すれば鬼に金棒です。
この記事に関する動画もあります。
合わせてご覧ください。