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ウイルスと対抗するにはタンパク質が十分でなければ始まらない、ことを補足します

 沖縄の感染者数、昨日は1414人、今日は1759人でした。あらためて、こんな時こそ栄養素で武装することを提言します。
 さて、昨日の記事で一冊の本を紹介して、その中で「第6波を乗り切るにはビタミンC、ビタミンD、亜鉛が有効」だということをお伝えしました。

 しかし、この本には肝心要の栄養素が抜けています(そんなの当たり前ということで省略したのでしょうか)。
 タンパク質です。 

 そこで今回は、タンパク質がウイルスと対抗するのにどのような役割を果たすのか。
 そのために、タンパク質はどのような食品からどのくらい摂取する必要があるのか、ということを書いてみます。
(記事の文末に動画をアップしています)

タンパク質は白血球の材料

 始めに、ウイルスと対抗する栄養素群を列挙します。
 まず何と言っても、これから説明するタンパク質、そして3つのビタミンです。ビタミンA、ビタミンC、ビタミンDです。
 この3つのビタミンに加えて2つのミネラル、マグネシウムと亜鉛が重要です。

 3つのビタミンや2つのミネラルがどのようにウイルスと関わるのか、ということについては、下の記事で触れていますので、よかったらご覧ください。

 ただ、やはりタンパク質が充足していることが最重要であって、ビタミンA、ビタミンC、ビタミンDも、またマグネシウムや亜鉛がその力を存分に発揮できるのも、タンパク質がしっかり摂れていることが大前提です。

 理由は、免疫の要である白血球の材料がタンパク質だからです。

 ビタミンAもCもDも白血球を活性化してウイルスを攻撃する能力をアップさせますが、その白血球の数が揃ってなければ、そもそもウイルスと戦えません。

 白血球とは言っても、下の図のように細かく分類されます。

 実際には、ここからさらに細かく分類されますが(とくにリンパ球は)、いずれにしてもタンパク質が材料です。

 具体的な免疫のメカニズムを代表的な例で説明します。
 単球の中の一つ、樹状細胞は病原菌やウイルスをキャッチすると、その情報を他の免疫細胞であるヘルパーT細胞やキラーT細胞に伝えて、さらにヘルパーT細胞はB細胞に伝えます。

 

  そのB細胞からは抗体という武器を放出して病原菌やウイルスと戦わせます。その抗体もグロブリンというタンパク質です。

 それだけではありません。今説明した、樹状細胞、ヘルパーT細胞、キラーT細胞、B細胞、その間の情報を伝え合う(情報、指令)サイトカインという情報伝達物質がありますが、このサイトカインも材料はタンパク質です。

 サイトカインの中で重要なものにインターフェロンがあります。インターフェロンをWikipedia で調べると、以下のような記述です。

動物体内で病原体(特にウイルス)や腫瘍細胞などの異物の侵入に反応して細胞が分泌する蛋白質のこと。ウイルス増殖の阻止や細胞増殖の抑制、免疫系および炎症の調節などの働きをするサイトカインの一種

 この文言からもインターフェロンがウイルス撃退に欠かせない物質であることが分かります。

 つまり、白血球自体も、白血球から放出される武器(抗体)も、白血球の中で情報を伝える物質も、すべてタンパク質です。
 ウイルスに対抗するのにタンパク質が必要なのは、これが理由です。

タンパク質は足りていない!

 ところが、日本人のタンパク質の摂取は不足気味です。

 1970年代から90年代にかけては、結構いい水準で推移していたのですが、2000年くらいから減少傾向に転じています。
 現代では、飽食の世の中であるにもかかわらず、1950年代の、戦後の食糧難をまだ引きずっていた時代と同じレベルになってしまっています。

 どうして、こんなことになったのか。それに関しては、①ダイエット志向 ②美味しい炭水化物食の氾濫、など原因はいろいろ考えられます。

 基本的にタンパク質は食事から摂取できるはずの栄養素です。プロテインのサプリメントに頼らず、まずは食事で充足することを目指しましょう。

タンパク質を多く含む5大食品はこの通りです。


 私個人としては、この内の牛乳・乳製品については積極的に推奨していませんが、その詳細についてはこの記事では控えます。
 したがって、お肉やお魚、卵、豆腐や納豆などの大豆食品を中心に、しっかりバランスよく食べてください

 バランスよくというのも大切です。
 例えば肉の食べすぎは、腸内環境を崩しやすくなる。マグロの食べすぎは水銀が蓄積する。
 卵の食べすぎ(たとえば1日3個以上)は、人によってはアレルギー反応を起こす。
 大豆食品も食べすぎればイソフラボン過剰になって、乳ガンや子宮内膜症のリスクが高くなります。
 あくまでもバランスよく食べてください。

 タンパク質の1日の摂取目安量は、最低でも体重の千分の一プラス20%です。体重50kgの場合は60g以上、体重60kgの場合は72g以上ということになります。 
 詳しく知りたい方は、下記の動画をご覧ください。

 けっして低いハードルではありませんが、繰り返し、まずは食事から少しでも多く摂ってください。

まとめ

 タンパク質がウイルスと対抗する上で最重要である理由は、免疫の要である白血球の材料がタンパク質だからです。

 白血球も細かく分類されますが、これらは全部タンパク質です。図にあるB細胞から放出している抗体もタンパク質です。また、これらの細胞間の情報を伝え合うサイトカインという情報伝達物質も、材料はタンパク質です。サイトカインの中のインターフェロンは、とくにウイルス撃退に欠かせない免疫物質です。

 現代の日本人はタンパク質摂取が不足気味です。
 サプリメントで補う方法もありますが、まずは食事で充足することを目指しましょう。

 タンパク質を多く含む5大食品、この中から牛乳・乳製品については極力控えて、お肉やお魚、卵、豆腐や納豆などの大豆食品を中心に、しっかりバランスよく食べてください。

 タンパク質の1日の摂取目安量は、最低でも体重の千分の一プラス20%です。 体重50kgの場合は60g以上、体重60kgの場合は72g以上になります。

 この記事の内容は動画もアップしています。合わせてご覧ください。


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