納豆は「食べなあかん」健康食品
納豆はさまざまな栄養素が詰まっている「食べなあかん」健康食品です。
今回はその内、タンパク質、ビタミン、ミネラル、また良質な脂質であるレシチンを中心に、納豆のスゴい栄養価を解説します。
また、納豆の選び方と食べる際の注意点も補足します。
(記事の文末に動画を貼っています)
玉子にも勝るタンパク質
まずはタンパク質です。
納豆1パック50gに含まれるタンパク質は、8、3gです。
玉子のタンパク質が50g中6、2 gなので、8、3gの納豆の方が3割ほど多いことになります。
しかも特筆すべきは、発酵過程で納豆菌が増殖する時に、タンパク質分解酵素が生産されることです。
吸収されてこその栄養素です。
とくにタンパク質は、その分解消化に難を極めますので、納豆菌による分解は頼もしい味方です。
納豆はビタミンKの王様
納豆に含まれるビタミンはビタミンB群(B2とB6が多い)、ビタミンE、そして納豆と言えばビタミンK(正確にはK2)がじつに豊富です。
ビタミンKのおもな役割としては、
①血液凝固に働く
②骨量の維持に働く
の2つです。
骨量維持に関しては下の記事で解説していますので、ぜひそちらをご覧になってください。
血液凝固というのは、出血した時に血液を固めて止血させる働きをします。
ビタミンKを含む食品とその含有量を表した図がこちらです。
納豆そしてモロヘイヤ、小松菜、ほうれん草などの葉野菜に多く含まれます。
ちなみに、納豆の1日の摂取目安量は成人男性女性ともに150μgです。
納豆または今挙げた葉野菜を食べると、それだけで約2日分摂れることになります。
じつはビタミンKは、腸内細菌である程度作られることで知られています。
ですから、腸内環境のよい人は食品からの摂取をそれほど気にする必要はありません。
しかし、近年多くの人の腸内環境は悪化の一途を辿っています。
ですから、腸内環境の悪い人は、納豆や野菜からビタミンKを摂取することが大切です。
納豆はマグネシウムの供給源でもある
納豆に含まれるミネラルは、カルシウム、マグネシウム、鉄、カリウムなどです。
最重要ミネラルとも言えるマグネシウムは、1パック50g当り50mg含まれます。私は、納豆をタンパク源だけではなく、マグネシウムの大切な供給源に位置付けています。
それは、含有量の多さだけではなく、カルシウムとのバランスも悪くないからです。
カルシウムとマグネシウムの比率ですが、概ね1:1、正確には9:10でマグネシウムが若干上回ります。
いい比率だと言えるでしょう。
カルシウムとマグネシウムの比率が大切だということは、こちらの記事をお読みください。
動脈硬化や認知症を予防する大豆レシチン
納豆に含まれる脂質に、大豆レシチンがあります。
レシチンは、一つ一つの細胞を包む細胞膜の重要な材料です。
レシチンが不足すると、細胞膜が正常に働かなくなります。
レシチンは細胞膜を活性化させる働きもあるので、肝臓の細胞を活性化させ肝機能を維持する役割があります。
逆に、肝機能低下により脂質の代謝が滞ると、脂質が蓄積されて脂肪肝のリスクが高まります。
レシチンは、動脈硬化の予防にも働きます。
レシチンには、水と油を混ぜ合わせる乳化作用があります。
この作用によって、血管壁にこびりついているコレステロールを剥がして、血管内にコレステロールが蓄積するのを防ぐからです。
さらに、レシチンの中にあるコリンという物質は、脳細胞や脳神経を活発にする働きがあります。
その作用によって、アルツハイマー型認知症の予防に貢献します。
レシチンに関しては、下の記事でも解説しています。
納豆の選び方と注意点
選び方がアレコレあるわけではないのですが、安過ぎる商品(例えば4パック100円以下)には、安いなりの理由があります。
普通に考えられるのは、発酵時間を短くしてコストダウンするということです。そうなると、納豆菌の働きが弱くなりますし、納豆菌が生み出すタンパク質分解酵素やビタミンB群も少なくなります。
高ければいいというわけではありませんが、安過ぎるのも考えものです。
また、一つだけ注意点があります。
納豆パックの中にタレが入っている場合は、そのタレの成分に気をつけてください。
おそらく、9割以上の商品に果糖ブドウ糖液糖と書かれているはずです。
これはいわゆる砂糖もどきで、極力、体に入れたくない成分です。
タレが入っていても、それは使わずに普通に醤油で食べるか、果糖ブドウ糖液糖が入っていない商品を見つけるか、どちらかにしてください。
今回は、タンパク質、ビタミン、ミネラル、レシチンの解説でした。
それ以外の、納豆菌、ナットウキナーゼ、ジビコリン酸、大豆イソフラボン、大豆サポニンに関しては、【納豆やはりスゴい】という記事で解説します。
(8月14日公開予定)
まとめ
納豆1パック50gに含まれるタンパク質は、8、3gと卵の約3割増しです。
しかも、納豆菌の作用で、タンパク質がある程度分解されていますので、高い吸収率が期待できます。
ビタミンはビタミンB群(B2とB6が多い)、ビタミンE、そしてビタミンKがじつに豊富です。
ビタミンKの代表的な役割としては、
①血液凝固に働く
②骨量の維持に働く
の2つです。
ミネラルは、カルシウム、マグネシウム、鉄、カリウムなどです。
マグネシウムは、1パック50g当り50mg含まれます。
カルシウムとマグネシウムの比率は、概ね1:1といい比率です。
さらに、動脈硬化や脂肪肝、アルツハイマー型認知症の予防に働くレシチンが含まれるのも、納豆の強みです。
この記事の内容については、動画もアップしています。
合わせてご覧ください。
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