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カロリー栄養学と【予防のための栄養学】とは、まったく別です。簡単におさらいします。

「体によい食事」と言ったときに、真っ先に挙がるのが「カロリーが多くない」次に「塩分が少ない」ではないでしょうか。
 それを真っ向から否定はしませんが、カロリーと塩分の管理で健康になれるかいうと、ハッキリ言って無理です。

 塩分については別の機会に取り上げるとして、カロリー管理ではどうして健康になれないのか、カロリーを摂取しているだけでは何が足りないのか、この点について説明します。
(文末に動画を貼っています)

“しっかり食べている”だけでは・・・

 こんな記事を書いているものの、私自身40歳までは健康には無関心、栄養の「え」の字も知りませんでした。

 かなりのハードワーク&長時間労働ということもあり、とにかく大食漢でした。食事は“しっかりしっかり”食べていました。
 この“しっかり”食べてさえいれば全く問題ないと思っていました。

 実際に食べているものは、コンビニ弁当にパン、おにぎり、インスタント食品、冷凍食品、レトルト食品、ラーメン、牛丼、それに居酒屋のつまみ etc.
 それらを“しっかり”食べているのですから、栄養的に何か問題があるとは露ほども思いませんでした。

 今になって考えると、それはただカロリーを“しっかり”摂っているだけで、体の材料や代謝に必要な栄養素は限りなく乏しかったに違いありません。

 よくぞ大病の一つもしなかったものだと、当時を振り返って、今は胸を撫で下ろしています。

カロリーとは何か

 カロリーとは言うまでもなくエネルギーのことです。私たちはエネルギーなしではいっ時たりとも生きることはできません。
 つまり、今日明日を生きるためにもっとも重要な栄養素はエネルギーになるカロリーです。

 ピンとこないかもしれませんが、例えば80年前、戦時中、そして戦後しばらく続く食糧難の時代、最初に摂るべきはタンパク質やビタミンではなくてカロリーでした(タンパク質もカロリーには違いありませんが)。
 代謝や免疫よりも今日明日を生きることの方が優先であれば、当然です。

 その時代の名残りなのか、今でも加工食品の栄養成分表を見るとエネルギーが一番上に書いてあります。

 ただ、現代の日本においてカロリーを充足させることが大切かというと、そんなはずはありません(もっとも地球全体を見渡せば、いまだカロリー最優先の人が億単位でいることを忘れてはいけませんが)。

 むしろカロリーを抑える必要がある人が増えています。その点では、昔とは違う意味で、今でもカロリー管理が大切だと言えなくもないのですが、ただそれは(厳しい言い方をすれば)自己管理の範疇ではないでしょうか。

 いい加減に日本の栄養学も、「カロリー栄養学」を脱して【予防のための栄養学】に転換すべし、と私は考えます。

本当に必要な栄養素は

 では、今日明日ではなく、将来の健康や予防に必要な栄養素はと言うと・・・

①タンパク質

筋肉や臓器、皮膚や髪、骨の約30%、血管など体のほとんど、および血液や酵素、ホルモンもタンパク質です。

 新しいタンパク質を次々と体内に送り込まないと、これらの再生修復が滞ります。それは体の劣化を意味します。

②ビタミン&ミネラル

 体調を整える。代謝免疫を引き上げるのがビタミンミネラルです。補給したタンパク質を十分に生かすためには、ビタミンミネラルが必要です。

③(良質な)脂質

 すべての細胞を包む細胞膜、および一部の臓器やホルモンは脂質を材料にしています。
 ただし、脂質(油)は良し悪しがあるので、ただ摂ればよいというものでもありません。

④お通じをよくしたり、血糖値の上昇を抑える食物繊維 

⑤腸内環境を改善する乳酸菌やビフィズス菌などの善玉菌 

⑥抗酸化作用や抗がん作用を持つポリフェノールやカロテノイドなどのファイトケミカル

 こういった栄養素を満遍なく摂取することで、はじめて健康増進や生活習慣病の予防が可能になります。
 腹いっぱい食べているだけでは、健康維持など到底無理であることが分かります。


まとめ

 私たちはカロリー(エネルギー)なしではいっ時たりとも生きることはできません。つまり、今日明日を生きるために最初に摂るべきは、タンパク質やビタミンではなくてカロリーです。

 ただそれは、現代の飽食日本では重視することではありません。優先するべきは、代謝や免疫を上げて予防に働く栄養素を十分に摂取することです。

具体的には、
①タンパク質
②ビタミンミネラル
③(良質な)脂質
④食物繊維
⑤善玉菌
⑥ファイトケミカル
こういった栄養素を満遍なく摂取することで、はじめて健康増進や生活習慣病の予防が可能になります。
(この記事の内容については動画もアップしています)


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