免疫を上げる食事下げる食事
パンデミック以来、免疫力を引き上げることがきわめて重要になっています。
中でも大切なのが食事です。
そこで今回は、免疫を上げる食事、反対に免疫を下げる食事にはどのような違いがあるのか、最近読んだ興味深い本に沿って解説します。
(記事の文末に動画を貼っています)
今こそ自己防衛の時
現在、第7波の真っ只中です。
パンデミックは、収束どころか歯止めが効かなくなっています。
しかも、ワクチンの効果が、感染者数を抑え込んではいない状況になっています。
重症化を抑えてはいるらしいですが。
こうなると、やはり免疫力を引き上げて自己防衛することが大切です。
同じ濃厚接触者でも、感染する人もいれば感染しない人がいるのも、免疫力の違いです。
今回紹介する本は、
『新型コロナ 発症した人しなかった人』です。
感染または発症した人の食事や食材の傾向を、AIが分析したデータに基づいて割り出した注目すべき研究が書かれています。
著者の栢孝文氏は、医師ではなく、IT関連企業の経営者です。
AIを用いた解析で健康に関するさまざまなデータを蓄積し、アプリ開発など、多くの人の健康維持を目的とした事業を展開してきました。
15万のデータが示す高リスク食材
そこに、2020年、新型コロナウイルスが猛威を振るったことから、コロナ対策にも応用できないかと考えて、新型コロナと食事との関連を示す膨大なデータの収集と解析に乗り出しました。
この本で紹介している研究は、男女1500人を対象に、その人たちが毎日よく食べている食品10個、およびその原材料10個を挙げてもらい、
1500人×1の食品×10の原材料=15万食材
のデータを集めました。
このデータを基に、新型コロナの発症リスクと、食品、原材料との関係性を調べたものです。
その結果、新型コロナ発症リスクが高くなる“可能性がある”食材(群)5つが浮かび上がりました。
“可能性がある”を強調したのは、理由があります。
この研究結果は◯◯をよく食べている人はコロナの発症している人が多い、という相対関係を表したもので、◯◯をよく食べるとコロナを発症するという因果関係を表したものではないからです。
精製された糖質が発症リスクを上げる
新型コロナの発症リスクが高い人がよく食べている食材(群)、一つ目は、
①「甘いもの」です。
しかし、本を読むとブドウ糖や乳糖も含まれていることから、正確には「甘いもの」を含めた糖質ということになります。
砂糖や精製された穀物を食べると、血糖値が急上昇しするので糖尿病のリスクが高くなります。
糖尿病患者が新型コロナに感染すると重症化しやすいことは、すでに統計でも実証されています。
精製された糖質を摂りすぎると感染、発症のリスクも高いようです。
「腸の炎症」が発症リスクを上げる
新型コロナの発症リスクが高い人がよく食べている食材(群)、②〜④をまとめて説明します。
②悪い油
③乳製品
④小麦食品
です。
「悪い油」は、マーガリンをはじめとするトランス脂肪酸、パーム油、菜種油やコーン油などのリノール酸と呼ばれる脂質が中心です。
それを踏まえて、もう一度②〜④を見てください。
この3つには、“ある共通項”があることが分かりますか?
それは・・・・・・
「腸の炎症」です。
先ほど挙げた「悪い油」は、すべて腸の炎症を引き起こします。
乳製品はカゼインというタンパク質、小麦はグルテンというタンパク質が、人によっては腸の炎症を引き起こします。
免疫に関わる細胞の7割が腸に集まっているというのは、もう有名な話です。
その腸に炎症が起きていては、免疫力が十分に発揮できません。
それで、コロナの発症リスクが高くなるのかもしれません。
あくまでも推測です。
低栄養状態はきわめて危険
新型コロナ発症リスクが高い人がよく食べている食材、5つ目は、
⑤食品添加物 です。
食品添加物が体によくないことは分かっていても、新型コロナとの因果関係となると非常に分かりにくいです。
これも推測ですが、食品添加物の摂取が多いということは、加工食品の摂取が多いということです。
加工食品は、概ね栄養価が低くなります。
とくに、ビタミンとミネラルはほとんど含まれません。
原材料には含まれていた野菜などのビタミンとミネラルも、洗浄、殺菌、攪拌、高温加熱の工程を経て、ほとんど失われてしまうからです。
つまり、加工食品の摂取が多い人は「低栄養」状態の“可能性がある”ということです。
上の記事で、ウイルスと対抗するためには、
①タンパク質
②ビタミンA
③ビタミンC
④ビタミンD
⑤亜鉛
⑥マグネシウム
この6つの栄養素が必要だと説明しました。
タンパク質はともかく、食品添加物が多い人、加工食品が多い人は、②〜⑥までが不足してコロナの発症リスクが高くなる、というのが私の推測です。
免疫が高かった人が食べていた食材
この本では、「濃厚接触者なのにPCR陰性だった」、つまり免疫力が高かったと思われる人からもデータを集めています。
そして、その人たちが多く食べていた食材群3つを挙げています。
その3つは、これです。
①食物繊維
②発酵食品
③オメガ3脂肪酸
オメガ3脂肪酸とは、EPAやDHA、亜麻仁油やエゴマ油のことです。
この3つの共通項も、やはり「腸」です。
食物繊維と発酵食品は、腸内環境を整える働きがあります。
オメガ3脂肪酸には炎症を抑える働き、腸の炎症を抑える効果が期待できます。
そして、次のような記述もあります。
水溶性食物繊維に関しては、下の記事で解説しました。
さらに、水溶性食物繊維が豊富な大麦についての記事はこちらです。
ここまでを振り返ると、新型コロナに対抗する免疫力にも、腸内環境の良し悪しが大きく影響しているように思えてきます。
発症リスクの差は実践するかしないかの差
あくまでも推測であり、この本に書かれているのは、食品食材と発症リスクとの相関関係であり、因果関係ではありません。
世の中には、因果関係がハッキリしない、エビデンス(科学的根拠)がない場合には、一歩も動かない人が結構いるようです。
しかし、今置かれている状況は、因果関係がハッキリするまで指をくわえて待っている余裕はありません。
相関関係であっても、発症リスクが上がりそうな食材は減らす、免疫力が高かった人が食べている食材を増やす、ことは始めてもいいのではないでしょうか。
万が一、新型コロナとの因果関係がなかったとしても、それ以外の健康面に悪影響または好影響のあることは間違いありません。
それを踏まえた上で、最終的に実践するかしないかは、皆さん一人一人が判断してください。
まとめ
栢孝文著『新型コロナ 発症した人しなかった人』での、AI分析データに基づくと、
新型コロナ発症リスクが高い人がよく食べている食材群は、
①甘いもの
②悪い油
③乳製品
④小麦食品
⑤食品添加物
です。
逆に、「濃厚接触者なのにPCR陰性だった」人たちが多く食べていた食材群は、
①食物繊維
②発酵食品
③オメガ3脂肪酸
です。
これはあくまでも相関関係であり、因果関係ではないことを、再度申し上げておきます。
この記事の内容については動画もアップしています。
合わせてご覧ください。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?