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レゾナックドーム大分の奇跡

大分トリニータの現在の順位は皆が開幕前に思い描いていたものではなく、昇格争いと言う土俵には上がることができずJ2に残留するための戦いとなっている。

今シーズンは片野坂監督が3年ぶりに復帰し、1年でJ1昇格は難しいにしろ、昇格争いを期待していたサポーターは多いと思うが、期待していた結果ではなく、苦しいと言わざるを得ない状況が続いていた。

そんな満身創痍の状態で迎えた、第26節ロアッソ熊本との九州ダービー。
大分とともに下位に甘んじている同じ九州の熊本との一戦は絶対に負けられない戦いで、大分トリニータの30周年記念マッチということもあり、負ければ一気に不穏なムードが加速したに違いない。
だが、トリニータはこの重要な一戦で劇的な逆転勝利をした。心臓を捧げた選手たちの最後まで諦めなかった姿勢はみる人を魅了し、トリニータはJ1にいるべきチームということを思い出したであろう。チームの調子は悪く、無料の席も用意されていないJ2の試合で28359人もの人が応援に足を運ぶなど、あり得ないのだから。

選手たちもこの28359人という数字が電子掲示板に表示されたのを試合中に目にし、パワーがでたと語っており、観客の後押しが逆転勝利に繋がったともいえるし、奇跡を起こすことができたのだと思う。逆転ゴールを決めたペレイラ本人でさえも何が起きたのか説明できないゴールを生み出したのだから。(奥さんからの圧力も後押ししたのかもしれない。)

まだ苦しい状況に変わりはないが、この奇跡を目の当たりにした子どもたちがこの試合をきっかけにプロを目指し、いつしか大分トリニータの選手としてピッチに立つことを夏の夜空に願いを込めて、私はドームを後にしたのであった。


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