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【産後パパ育休】夫目線の育休体験記🌱

こんにちは。
D2Cグループで採用人事をしている佐川です。

人事の仕事をメインに、キャリアコンサルタントやサッカーPodcast「フットオンエア」の配信者として活動しています。

少し強く風が吹く中秋の名月の夜、沖縄の地で最愛の娘が誕生しました。

早いことに娘が産まれてもうすぐ1ヶ月が経過しようとしています。妻の地元である沖縄での里帰り出産にて、7月から東京と沖縄を合計4往復しました。妊娠がわかってから約9ヶ月、家族としても個人としても、本当に尊い時間を過ごせたと思います。

私は妻の退院後から2週間「産後パパ育休」を取得したのですが、出産から育休期間を通して様々な感情を抱きました。短い期間ではございましたが、育休を取得して本当に良かったと心から思っています。折角ならばその感情を形に残しておきたいと思いましたので、深夜の育児の合間を縫って「夫目線の育休体験記」をnoteを書いてみます。妊娠初期から出産立会い、そして育休取得までの出来事を振り返ってみましたので、ぜひ温かい気持ちで読んでいただけますと嬉しいです。

少しでも、育休取得を考えている男性の皆さんの背中を後押しできますように。

この頃は抱っこもまだ慣れていませんでした

「産後パパ育休」とは?

今回育休を取得するにあたり、各種制度を自分なりに調べながら理解を深めていきました。

普段は人事として仕事をしていますが、主な領域は「採用」です。育休や産休に関する知識やルールは理解しているようで曖昧な部分もございましたので、改めて整理することができたと思います。やはり当事者として、自ら体験してみる以上に学べることは無いですよね。

今回私が取得したのは「産後パパ育休」という育児休業となります。

産後パパ育休とは、「改正育児・介護休業法」によって2022年10月に施行された新たな育休制度です。正式名称は「出生時育児休業」で、子どもの生後8週間以内に、父親が2回に分割して4週間の育休を取得できるようになりました。労使協定を結ぶことによって育休中の就業が認められるため、男性従業員が育休を取得しやすくなります。

日本の人事部(こちら
参考:日本の人事部(こちら

2022年10月に施工された新しい制度で、女性の「産休」にあたる期間にフレキシブルに育休を取得できる制度です。簡単にいうと「今までよりも柔軟かつハードル低く育休が取れるようになった」と言えるのではないでしょうか。

私の場合は妻が沖縄に里帰りをしていましたので、出産から1週間後の退院にあわせて沖縄に向かい2週間の産後パパ育休を取得いたしました。社会人生活をスタートして早9年目となりますが、2週間もお休みをいただくのは今回が初めて。今まで仕事がアイデンティティの重要な要素だった自分にとっては、育休取得で仕事やキャリアに影響が出るのではないかと漠然とした不安がありました。

そんな中で2週間の育休を取得しましたが、結論「育休、取得してよかったな」と心から思っています。たかが2週間ですが、濃密でかけがえのない2週間。毎日少しずつ成長する娘の姿を、妻と一緒に感情を共有しながら過ごしたこの2週間は、これからの人生において「宝物」として心に残り続けるであろう体験となりました

里帰り開始までの妊娠生活

妻は医療関連の仕事に従事しているため基本的には出社勤務。もちろんフレックスやリモートワークでは無いので毎日満員電車に乗って通勤していました。特に妊娠初期は「つわり」の影響もあり本当に大変だったと思います。よく頑張ってくれました。

逆に自分はフレックス勤務かつリモートワーク(出社は週2回程度)でしたので、家事全般は仕事の前後に余裕を持ってこなすことができました。妻も精神的に安心して過ごすことができたのではないかと思います。

つわりが落ち着いてからは体力をつけるために、積極的に散歩に出かけるようになりました。もちろん身体の変化と体力次第ではありますが、仕事前に家の周りを少し散歩したり、仕事から帰ってくる妻を1つ隣の駅まで迎えに行き歩いたり、休日は日本橋や大手町を散策したり、ゆっくりペースで2人の時間を作ることで、お互いの信頼関係もより一層深くなった妊娠初期~中期の生活でした。

散歩で季節を楽しむことが趣味になりました

沖縄への里帰りスタート

そしてお互いに31歳の誕生日(妻と私はなんと誕生日が1日違い)を迎えた7月、いよいよ妻の里帰りがスタート。妻が生まれた沖縄北部への里帰り。自分は仕事のために東京に残っていましたが、振り返ると10月までに東京と沖縄を合計4往復(毎回1週間から2週間ほど)しました。育休に入るまでの3回の滞在は、会社のリフレッシュ休暇(好きな日程で5営業日お休みできる制度)や有給休暇をうまく組みわせてお休みをいただきました。業務調整をいただいた職場には本当に感謝しています。

結婚時のご挨拶や別機会で数回は沖縄には来たことがありましたが、こんなにも長期間かつ複数回に渡って沖縄で過ごしたのはもちろん初めて。なんならひとりで飛行機に乗ったのも初めてです。

里帰り中、今までこれといった趣味がなかった妻に新しく生まれた楽しみは「ミシン」です。生まれてくる娘の服を自作したり、カバンやポーチを作ってくれたり、毎日進捗を送ってくれる妻の様子にこちらも嬉しい気持ちでした。里帰り後も楽しめるように良いミシン、買おうね。

「私が作りました」

妻の実家には滞在期間中は本当にお世話になり、親戚の皆さんにも暖かく迎えていただき嬉しい限りです。沖縄滞在中は基本的には北部の自然豊かな環境で、心穏やかにゆったりと過ごすことができました。美味しいご飯、綺麗な海、緑豊かな自然、すっかり沖縄北部は自分にとって「第2の故郷」になりました。(沖縄北部、名護にお越しの際はぜひおすすめを紹介させてください!)

台風と睨み合いの沖縄往復生活でした

出産への立会い

そして3度目の沖縄滞在となった9月中旬、いよいよ出産を迎えました。計画無痛分娩ということもあり、入院日と出産日はあらかじめ決定。体調次第ではもちろんございましたが、仕事の都合も調整しやすくありがたい限りでした。

感染症対策の観点からお見舞いは限られるため、妻に会えるのは分娩室に入ってから。妻は前日から入院していたのですが、初産のため不安は本当に大きかったと思います。近くのホテルに滞在していた私もそわそわしていたので、できる限り電話を繋いで気持ちを共有しながら過ごしました。

出産前日は不安はあれど妻から「気分転換に散歩でもしてきてね」と言われていたので、那覇周辺を散策していました。波上宮で安産祈願をし、やちむん通りで綺麗なお皿を買い、たまたま沖縄に来ていた妻と共通の友人でもある同期に会い、運命の日に備えてゆっくりすることができた1日でした。

出産後にも夫婦と娘でお礼参りに行きました

そして出産当日、お昼頃には麻酔がスタート。妻からも昼過ぎからパタリと連絡が途絶えたので一気に不安になりました。助産師さんから連絡をいただき、急いで病院に向かいます。

病院について分娩室に横たわる妻に会った瞬間、妻は号泣してしまいました。初めての出産で無痛分娩といえど痛みもあり、不安が一気に溢れてしまったのだと思います。私にできることは手を握り、声をかけて、できる限り気持ちを落ち着かせること。立会いを経験した夫の皆さんは共感いただけると思いますが、何も変わってあげることができない「無力感」にもどかしさを感じる時間でした。

そして立会いを初めてから約6時間、ようやく最愛の娘に会うことができました。元気な女の子、生まれた瞬間から天使のような表情を見せてくれたことを鮮明に覚えています。生まれてきてくれた瞬間は、妻は疲労で放心状態。逆にこのタイミングで私が号泣してしまいました。本当におつかれさま、よく頑張ってくれました。

娘を綺麗にしていただいてから、しばらく私は分娩室の外で待機。あかちゃんが並べられているお部屋をガラス越しにみながら過ごしていましたが、数分前にこの世に産まれた娘が必死に手足を動かしている姿をみて、「ああ、これから本当に父親になるんだな。この子を大切に守っていくぞ」と改めて噛み締めたのを覚えています。

陽を浴びるように愛情を沢山受け取って、個性を芽吹かせて素敵な人生を送ってほしいと願いを込めて名前をつけました。夫婦が影響を受けた屋久島の景色から、自然を連想させる漢字を名前に込めたことも由来のひとつ。もうすでに私たち家族にとっては太陽のように温かく幸せを届けてくれる存在ですが、いつか名前の由来を娘に直接伝えてあげることが今から楽しみです。

生まれてきてくれてありがとう

2週間の産後パパ育休

長々と失礼しました。ようやくここからが育休体験記です。

娘が誕生した後は1週間入院生活だったため、私は1度東京へ戻りました。その間に出生届を提出する等、諸手続きを完了。仕事の引き継ぎや整理を終えていよいよ育休がスタートいたしました。

今までこんなに仕事を休んだことが無かったのでとても不安でしたが、信頼できるチームメンバーのおかげで育休中は仕事からしっかり離れることができました。新卒内定式や会社説明会、インターンシップの企画など大きな仕事が多い時期ではありましたが、仕事からしっかり離れることも育休中の責任だと思い育児に専念することを意識。娘の成長に向き合う2週間を過ごしました。

パパにはこの表情

育休中は以下のような1日のスケジュールを基本として毎日を過ごしていました。

09:00-10:00 起床
10:00-12:00 ミルク、おむつ
13:00-13:00 お昼ご飯など
13:00-15:00 ミルク、おむつ
15:00-16:00 仮眠
16:00-18:00 散歩
18:00-19:00 お風呂入れ
19:00-21:00 夜ご飯など
21:00-28:00 ミルク、おむつ
※朝4時頃に妻と交代で就寝

育休に入った当初は娘を抱きかかえることすらぎこちなかったですが、ミルクもおむつ替えもお風呂入れも妻に心配をかけない程度にできるようになりました。育休を取得した目的は娘の成長を見守ることはもちろん、一番は妻の体調回復のために負担を軽減するため。まとまった睡眠をとって休んでもらうために普段の仕事よりもハードに動いていたと思います。

毎日娘と一緒に過ごすことで、少しずつ成長の変化を感じ取ることができました。髪の毛の量が増えたり、おむつ替えの際に足の動きが力強くなったり、ミルクを飲む量と頻度がどんどん増えたり、泣き声が大きくなったり、そんな些細な変化を妻と共有しながら見守ることができたのは育休期間ならではの幸せでした。

まだ新生児にて視界も朧げだと思いますが、こちらの声かけに反応してくれる娘の姿に癒され、ミルクをあげながらこの子はこの先どう成長していくか想いを馳せる毎日。好きなことを自由に挑戦して欲しいし、色んな体験をして欲しい。そんなことを考えながら、何不自由なく育ててくれた自分の両親の偉大さにも改めて気付くことができました。

全挙動がとびきり可愛い天使

沖縄も少し過ごしやすくなってきたので、夕方からは娘をお義母さん預けて夫婦で散歩に出かけることを日課にしていました。沖縄北部は自然が豊かで、海までいけば人も少なく、まさに波と風の音だけがする贅沢な散歩道。毎日1時間程度たわいもない会話をしながら妻と散歩をする機会は毎日の楽しみでした。そういえば出産前はお互いに忙しかったこともあり、休日くらいしかじっくりと会話することはできていなかったと思います。今回の育休期間で、娘と妻と家族3人の絆はより深くなりました。

この後足が濡れて手に棘が刺さる妻

育休を通して感じたこと

「産後パパ育休」を2週間経験してみて、やはり仕事との関わり方は難しいなと感じました。いくら仕事を忘れて育児に専念できる環境であるとはいえ、忙しく過ごしていた日常からいきなり隔離されて生活すると、なんとなく「アイデンティティを失った」という感覚になります。なんとなく焦燥感に駆られますし、社会との繋がりがなくなってしまう感覚(そんなことないですが)に不安になる瞬間がありました。育児の合間に考え事や読書をする時間を作っていたのですが、普段よりも不安を感じやすかったのかもしれません。

特に女性を中心に、妊娠中から1年以上産休と育休を取得する場合が多いと思います。私自身がたった2週間でさえ「社会との隔離感」を感じたので、1年以上休業する場合は想像以上の不安や焦燥があるのではないかと、実際に自分が育休を体験してみて感じることができました。これからの人事業務のスタンスとして、実体験から具体的なイメージを思って対応できるようになったかと思います。

これから妻は引き続き休業になるのですが、妻にとって社会の繋がりになる会話相手は夫である自分が中心になるのではないでしょうか。仕事を再開してまた忙しくなると思いますが、妻と一緒に毎日の出来事を会話する時間は、今まで以上に大切にしたいと思いました。

ママにはこの表情

これからのこと

2週間の育休を終えて、妻と娘を沖縄において一足先に東京に戻ります。月末にはまた家族3人での生活がスタートしますので、妻の里帰り前に引っ越した新居を育児ができるように実家の父母と共に環境整備を進めます。今はひとりで過ごすには十分すぎる広さのマンションですが、毎日バタバタと賑やかな生活に変わっていくのでしょうか。これから生活がどんどん変わっていくと考えると、わくわくする気持ちと不安な気持ちが共存する不思議な感覚です。

抱っこも上手になりました

これから家族のために仕事も今まで以上に全力で頑張っていくわけですが、大きく変化するのは「時間の使い方」になるのではないでしょうか。妻が育休を継続するとはいえ、一人で育児をするのは限界があることを産後パパ育休で十分に理解しているつもりです。だからこそ、育児と家事と仕事のバランスを配分するためにも時間の使い方が重要になると思います。できる限り娘と妻との時間を作れるように、日々のタスクへの向き合い方や「選択と集中」の意識、さらには視座を上げてより中長期的により責任感のある仕事を任されるように、これからも研鑽を続けて行こうと思います。

父親として守るべきものが明確にできた分、仕事や私生活に関わらずポジティブな行動変化が生まれるのではないかと思います。いや、変化させていかなければですね。これからは父親として、妻の最大のパートナーとして、家庭をより明るく幸せにできるように頑張っていきます。精神的にも物理的にも、「強いパパ」を目指していきます。

守りたいこの寝顔

あやちゃん(妻)に向けて

今回の出産体験で一番に感謝したい相手はもちろん、もうすぐ結婚3周年を迎える妻です。

妊娠期間中から今まで、体調変化に苦労しながらも娘を守ってくれた妻には感謝の気持ちしかありません。精神的にも落ち込んだり辛そうな様子を隣でみてきたので、無事に出産を終えることができて本当にひと安心です。この育休期間中にも体調が徐々に戻ってきて、まるで自分のことのように嬉しく安心した気持ちでいっぱいです。

これからは育児で妊娠中とは違うストレスや疲労を感じると思います。ですがこれからは出産の痛みとは違い、一緒に辛いことも嬉しいことも共有しながら頑張っていけるはず。夫婦が仲良くい続けることが娘の成長にも大きな影響を与えると思いますので、これからも仲良く、そして明るく、笑顔が絶えない家族でいたいと思います。

妻が娘を抱えている姿を眺めるだけで幸せです

まとめ

ここまで体験記を読んでいただきありがとうございました。つらつらと体験を書いてしまったので、読み辛い部分がございましたら申し訳ございません。

今回の産後パパ育休を通して心から言えることは、「育休を取得して本当に良かった!」のひとことに尽きます。

育休を取得する前は、収入面の影響やキャリアへの影響など正直多くの不安はありました。しかし2週間という短い期間ではございましたが、妻と娘と2度と無い貴重な瞬間を過ごすことができた経験は、これからの人生で宝物になり続けると思いますし、仕事を頑張る原動力にもなると思います。

もしこれから育休を取得しようと考えている男性の皆さんがいらっしゃいましたら、無責任かもしれませんが育休所得を強く推奨したいと思います。国や自治体の制度をうまく活用すれば金銭面での負担もできる限り減らすことができますし、法改正(産後パパ育休の開始)により短い期間でも気軽に育休を取得できるようになりました。男性は「出産」という経験ができない分、父親になる実感を持つ時期が母親と比べて遅い傾向にあると言われています。新生児期に育児に参加することが「父親になる」というスイッチの切り替えになりますので、これからの育児参加のモチベーションや仕事のスタンスにも大きな影響を与えるのではないでしょうか。

今回の育休を経て、私自身「父親になった」という実感を得ることができました。これから仕事に復帰となりますが、自分のキャリアだけでなく「家族が幸せになるために働く」という新しいモチベーションで仕事に臨むことができそうです。もちろん育児の本番はこれからだと思いますが、31歳にして価値観に大きな変化が訪れた貴重な2週間でした。

今後も仕事や育児に関する体験はX(Twitter)を中心に発信をしていきますので、よろしければフォローをお願いします。同じく育児と仕事を両立して頑張っている先輩パパママがいらっしゃいましたら、ぜひお話しできましたら嬉しいです。

それでは週明けから、また仕事を頑張っていこうと思います。ここまで読んでいただきありがとうございました!

沖縄滞在最終日の深夜3時、最愛の娘を見守りながら。

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