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【映画記録】2024/8 鑑賞映画報告

 八月が終わってしまいました。クソ暑な夏が去ってゆくのは喜ばしいことの筈なのですが、この時期は決まって、言い難い寂寥がひゅうと吹き抜けてゆくのを感じます。秋は、夏が去る寂しさでできているのかもしれません。

 さて、八月はお盆で沢山映画を観る予定だったのですが、いやぁ……まさか盆休みがあんなに忙しくなるとは思いもせず……。本数はあまり稼げませんでしたが、どいつもこいつも最高な映画ばかりと出会うことができました。


グランド・ブダペスト・ホテル

 映画を映画で例えるのはいかがなものかと思うのですが、これに関しては映画「アステロイド・シティ」を連想せずにはいられませんでした。というのも、この映画は所謂劇中劇なのです。映画冒頭、とある有名な作家の墓の前で彼の著作「グランド・ブダペスト・ホテル」を開く女性が映し出されます。そして、生前の彼がグランド・ブダペスト・ホテル滞在中に出会ったホテルオーナー・ゼロ・ムスタファとの出会いと、彼から聞いた「伝説のコンシェルジュ」の物語が展開してゆく…………、という、物語の中の物語の中の物語、まるでマトリョシカのような構図がぱたぱたと作られます。誰もが物語の中の存在で、贔屓目と願望による脚色が多分に含まれます。そのおかげか、舞台の背景に戦争が見え隠れしているにもかかわらず、世界観がどこかポップで愛らしい。
 世界は荒廃していて、常にどこかで人が殺されていて、どいつもこいつも金に目がくらんでいる。それでも、世界はいつだってほんの少しだけ優しい。そういう優しさを拾い上げることができる人間でいたいと思います。

FALL

 高倉、実は未亡人が性癖なんですけど、そういう意味で大変刺さる映画でした。亡き恋人にもらった指輪が最後の希望をくれるなんて、もう最高にエモじゃないですか?
 恋人の遺灰を撒くために、使われなくなって久しいクソバカ高いテレビ塔に登る女の子たちの物語。予告で散々「地上600m に取り残された!」と聞かされていたので、彼女たちがテレビ塔を登るシーンは「あーほら!ネジがガタガタ言ってるじゃん!気づけよ!やめとけってー!!」とぎゃあぎゃあ言っちゃいました。梯子が落ちるシーンが絶望のピークかと思いきや、何が何が、まだ絶望は始まったばかりですよ。まだまだ上があります。
 友情、愛情、何も信じたくなくなった時に、軌道修正として観たい映画です。

キングスマン

 世界一かっこいい映画じゃん……!!!!!!
 世界最強のスパイ機関に引き入れられた若者と、彼を勧誘したダンディおじさんスパイのはちゃめちゃアクション映画なわけですが、いや~~~~アクションがドかっこいい!!スーツで卒なく戦う男っていいですよね!!
 また高倉の性癖の話をするんですが、自分が強者であることを自覚して、普段は実力をコントロールしながら立ちまわっている激つよつよエージェントが、ヤクなり洗脳なりなんなりで我を失って戦い狂ってしまうのがアホほど好きです。同じ性癖を持ってる人、どうかキングスマンを観てください。飛びます。

マッシブ・タレント

 ニコラスケイジがニコラスケイジ役をするニコラスケイジ主演映画。
 高倉は映画好きですが、人の顔を覚えるのはとても苦手で、ニコラスケイジの顔も実はあまりよく覚えていません。なのでその、「ニコラスケイジがニコラスケイジ役してる!!おもろ!!」という楽しみ方はあまりできなくて、その所為でこの映画をあまりちゃんと楽しめなかったような気がしています。悔しい。
 ニコラスケイジが好きな人、あとパディントン2 が好きな人は観て損しない映画だと思います。パディントン2 はいいぞ。

ラストマイル

 はい最高映画。記事も書きました。

 映画の本筋に触れずに話をすると、ドラマ「アンナチュラル」「MIU404」ファンにはたまらないファンサが至る所に散りばめられていて終始テンションが爆上がりになっちゃいました。伊吹藍の扱いがなんだかこなれている志摩一未とか、クがつく単語のレパートリーがいよいよ底をついている中堂系とか、前を向いて医療の道を進めている久部くんとか、許されるように生きている彼とか、相変わらず横暴な刈谷んとか、イタズラ通報がきっと彼の人生の転機になった勝俣くんとか、みんなみんな、ドラマシリーズが終わっても尚人生が続いていて、それを観測できたことがこの上なく嬉しかったのです。

ファイブ・ナイツ・アット・フレディーズ

 1980 年代に大流行したものの、今や廃墟と化したピザレストラン「フレディ・ファズベアーズ・ピザ」の夜間警備にあたる青年・マイクが、なんやかんやありつつ、要は勝手に動く殺戮人形たちに立ち向かうホラー映画。どうやらゲームが原作の映画のようで、高倉はゲームを知らないまま映画だけを観たクチなのですが、結構楽しく観ることができました。
 映画を映画で例えるのはいかがなものかと思いますが(二度目)、ついつい「恐怖人形」を連想してしまうシーンがあって、しかしあまり言及すると「恐怖人形」のネタバレにも「ファイブ・ナイツ・アット・フレディーズ」のネタバレにもなってしまうので……。「恐怖人形」が好きな人は「ファイブ・ナイツ・アット・フレディーズ」で喜べるんじゃないかなと思いますし、逆も然りです。



 8月時点で観た映画、55 本。100 本まで残り45 本です。

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