残火を生きる
「本格的な燃焼のあとになお残っている火」を残火と呼ぶようですね。我々も、例外なく最終的には残火を生きることになりますね。
乳母車(うばぐるま)
覗き込みつつ
笑み掛ける
なにを思うや
歯のない老爺
ヘルパーに
手を引かれつつ
ひとつふたつ
おぼつかぬ歩み
特養の老爺
「落ち着いてね、
大丈夫だから
落ち着いて」
介助の声にも
老婆の奇声
「本格的な燃焼のあとになお残っている火」を残火と呼ぶようですね。我々も、例外なく最終的には残火を生きることになりますね。
乳母車(うばぐるま)
覗き込みつつ
笑み掛ける
なにを思うや
歯のない老爺
ヘルパーに
手を引かれつつ
ひとつふたつ
おぼつかぬ歩み
特養の老爺
「落ち着いてね、
大丈夫だから
落ち着いて」
介助の声にも
老婆の奇声