本当に美しいものは金にならない 「盗作」と「だから僕は音楽を辞めた」
「母さん、仕事続けられないって。ガラスは、お金にならないんだって。」
恐らくここには作者の世の中に対する不満の意が込められている。
「盗作」の小説の一節から分かる通り盗作家は母親のガラス工作物を美しいものとして認めている。教会の窓などに使われるはずのそれははんだ付けのために金属線を用いていたり、特殊な工具でガラスを割ったりと様様な工夫がなされており、創作物を作るにあたって得られる一種のカタルシスであり、美しさの一要因としての役目も果たしている。とても美しいものだ。
盗作家