そうなって欲しい

「皆が同じ風に聞こえてたらいいのにね」「全員が同じ価値観を持って、1枚の絵が描けたらどれだけ綺麗だろう。その絵はどこまでも美しく、広大で、そしてきっと、ぞっとする程つまらない」
レプリカントの「もしも世界が真面になって」というフレーズが脳裏に浮かんだ。もし人々の心が同じなら、みんながその絵の一番美しい姿を知っていて、互いに共鳴し合い、なぜその絵がそう描かれなければならないかさえも、全てを理解するだろう。しかし捉え方は最高のただ一通りに定まる一意性を持っているが、それはもう甚だ好みであるようなものだが、何の痛みも怒りも刺激もない。酷く退屈。
僕はそんな憧憬を抱き、夢に描く。ただ綺麗なものが見たいのだ。