【中学受験】フェルマーの最終定理
世紀末D子さんのお薦め記事を見て買った本。
サイモン・シンの「フェルマーの最終定理」、息子に渡したら勉強しなくなりそうなので、まだ渡していない。
面白そうなので、息子に読ませる前に私が読み始めたのだが、メチャメチャ面白い。
アンドリュー・ワイルズが証明したのが1995年。Windows95が発売された年だ。
ちょうどその時はもう働いていて、籠ってWindows対応の業務アプリケーションを開発していたので、当時たとえニュースで見たとしても、あまり気にも留めなかったと思う。
それにしても、ワイルズの証明に谷山=志村予想や岩澤理論という日本人の研究が関係していることが、同じ日本人として嬉しい。
ワイルズがフェルマーの最終定理に取り組んでいたころ、東京都立大学の宮岡洋一教授が微分幾何学という角度から解法を見出したという記事が出た。
しかしやがて論理に矛盾が見つかり、証明が失敗したと判明した。
そのときのニューヨーク8番街の地下鉄駅の落書きが面白い。
xのn乗 + yのn乗 = zのn乗 この方程式に解はない。
「私はこれについて真に驚くべき証明を発見したが、
電車が来てしまったので書くことはできない。」
ディオファントスの「算術」にフェルマーが書いたいたずら書き。
「私はこの命題の真に驚くべき証明を持っているが、
余白が狭すぎるのでここに記すことはできない。」
これを真似たものだろう。
遠い記憶をたどれば、たしか私の学生の時は「フェルマーの最終予想」だったような気がする(あくまで気がするだが)。
それがいつのまにか「フェルマーの最終定理」になっていたというわけか。
アインシュタインが「神はサイコロを振らない」と言って、コペンハーゲン解釈のニールス・ボーアら量子力学者たちを批判したときに、ボーアが「アインシュタインよ、神が何をなさるかをあなたが語るなかれ」と言ったという話があるが、それと同じようにワクワクする。
ボーアやハイゼンベルグやシュレディンガーなどの量子物理学者が出てきて、大学時代私をさんざん悩ませ、大嫌いな量子力学だったが、いろいろ調べてみると、とても興味深い。特に二重スリット実験などは、震え上がるほどワクワクする。
どうしてこんな面白い学問だと当時気づけなかったのか。
できれば息子には、こうしたワクワクする話をたくさん読んで欲しい。
そしていろいろな選択肢の中から、自分の好きな道を選んで欲しい。
こんな面白い本を独り占めするのも可哀想だから、読ませてやるとするか。