ちょっと面白い話。まるで昔話。
私が住んでいた町に正次郎(しょうじろう)という同級生がおりました。彼は小学校でも有名なキャラクターだったんです。
メタボ体系で、ズボンがずり下がり腹が出ていて、髪はボサボサ、歯も汚い、そしていつも鼻くそをほじってその鼻くそを学校の壁や机につけていくのでいつも子供たちの悲鳴が聞こえていました。彼は不潔キャラで瞬く間に小学校の有名人になっていました。
そんな正次郎と私は同じ町内に住んでいたので、地区のソフトボール大会では同じチームでした。通常は4年生から練習に参加しますが、正次郎は一度も練習に来たことがありませんでした。家でおやつを食べながらゲームばかりしているんです。でも別に仲がいいわけじゃないので特に気にはしていませんでした。
しかし、6年生になり私たちの代になると事情が変わったんです。町内の子供の人数が少なく、女子も加わってギリギリ1チーム作れる状態でした。
なんとかメンバーを増やさないといけないので、私は正次郎を誘うことにしたんです。彼の家に行き「今年で最後だから練習に行こう」と言いました。しかし、「俺は6年生で必ず試合に出られるから練習には行かなくていいんだよ」と門前払いを喰らいました。それでも練習がある日は一応誘ってはみたのですが、結局彼が練習に来ることは一度もありませんでした。
そして、迎えた大会当日。
なんと正次郎が来たのです。まさか来ると思っていなかったので、子供達も父兄も皆どよめきました。監督がとってあったビニールに包まれたままのユニフォームを手渡すと、それを受け取って颯爽と更衣室へ向かいました。
しかし、すぐに戻ってきてこう言いました。
「ユニフォームが入らんっ」
太りすぎでユニフォームが入らず、結局彼は試合に出られませんでした。
普段サボっていると、そのツケが回ってくるということですね。
人生の教訓になるような昔話みたいな話でした。