うつ病になる方法 未推敲

あいつみたいにはなれなかった

優しいだけでは終われなかった

自分の正義を貫けなかった

純心なだけではやってけなかった

天才のままを維持できなかった

サイコパスでもなんでもなかった

特別貧乏でも、大金持ちでもなかった

思い立ってすぐ動けるわけでもなく
落ち損なって落ちこぼれにもなれなかった
中ぶらりんな状態で
いっそそうして吊ってやろうか
それすらも先に越された

心療内科でもよくあることと鼻で笑われて一回きりしか行かなかった

工作好きで発明がしてみたかったがすぐ飽きた

睡眠障害があるかと思ったがただの寝不足だった

病弱でもないから大病にもかからず
落ち込んだときも
美味しいもの食って寝たら意外にも、
不本意にも立ち直っていた

学校は一日だけじゃただサボっただけに見えるから
連日休めば何かあったと思わせられるから
勇気を出して二日もやすんだけど案外それで楽になった
何より明日は体育祭だから休めない

深い暗い病みの底で
そこでしか描けない世界くそくらえを叫ぶこともなく

誰よりも思想が強いとか

俺だけは保育園からの夢を手放さないとか

奇を衒ってみてもすぐ音をあげて

結局安牌をとればそこが居心地よくて

ハンデを自ら獲得したりして

表に出すと武器が少ないのが露になるから
ニコニコしてるのは実は作り笑顔で
本当の本当は心は泣いているんだと
誰よりも闇がある設定に浸って

オシャレってムズカシイよねと
笑い合うレベルにさえたどり着けず
ホントに0からわからなくて
ニットセーターにパーカーなんか羽織っちゃう始末で
でもそれがどこか可笑しいのかもと勘づくから
まともに顔も上げられずそそくさと退散して

その鬱憤を家族にぶつけて
ひとり親のアイツを羨みながら
親によく殴られてるあの子と
小遣いが貰えないコイツと
親嫌いを自称して子供軍を背負った気持ちになって

歪んで曲がった僕でもハマる穴を作ってくれた
親を遠ざけて

せめて
せめて何か欲しくて

才能ない誰にでも出来る簡単で平等な方法
微分の果て極値に達したその瞬間だけは、
その後その快感を感じる事はできないだろうが、
いや出来るのかどうか今ここにいる誰もわからないが、
そんな今生きている人間が誰も成し遂げてない偉業とも呼べるものを
あれさえ遂行すれば僕はその瞬間だけは
誰よりも特別になれる、



「あんなヘラヘラして話すもんじゃないだろ、本気の人はこうやって友達なんかに相談せん」
「まあ君はちょっと考えすぎなんだよ、考えるよりも感じることを大事にしなきゃ」
「今の君は白黒思考になりすぎてるね、ダメだよそれでは、白黒思考はちょっと危ないんだ、」
「まあお前もそのうちわかるわ」
「ほんまお前幸せそうでいいな、」「わかる、悩みなんかなさそう」
「何お前ちょっと怒ってる?」
「そんな変なこだわりしてたら楽しくないぞ~」


アイツらの脳裏に僕を焼き付けて
遺書には誰もが自分のせいかもと思わせるような書きぶりで
僕を否定したすべてにトラウマを植え付けてやりたかった

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リズムの書き遺し
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