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NOINが決済をファミペイに統一して売上を36倍にした方法

2月の売上が前年比で約10倍になったという話を以前に上げましたが、この1年で最も売上が伸びた施策の詳細について書いてみようと思います。2月は「ファミペイキャンペーン」と「ニコニコノイン」の組み合わせで2日間の売上が通常時の36倍という爆発的効果を生みました。あまり再現性があるものではないですが、多少でも参考になれば幸いです。

メディアのマーケティングのKPI

これまで私がやってきたマーケティング(プロモーション)はあまりキャンペーンの山をつくるようなことはせずにずっと一定の金額をかけるというものでした。メディアビジネスは広告モデルで、考え方は割とシンプルです。メディアは基本的には広告モデル(広告を掲載することで収益をあげるもでる)で、installとacquisitonがほぼ同じです。CPI(Cost per install) ≒ CPA(Cost per Acquisiton)。インストールにたどり着きさえすれば、そのユーザーは(メディアにとっては)広告媒体となりお金を稼いでくれます。(≒インストールさせたユーザーに広告表示すればお金が稼げる)つまり、CPI < LTV(広告による収益)とできれば儲かるモデルになります。したがって、RR(=Retention Rate 継続率)を高く保ち、広告を効率的に(収益性高く)当てることが重要です。

日々のユーザー数 ≒ 広告在庫 ≒ 収益

という割とシンプルなモデルです。シンプルとはいえやること、見なきゃいけない数字はいっぱいありますが、基本的には安くユーザー獲得できれば儲かるというモデルです。

ECのマーケティングにおけるKPI

ECだとここはやや複雑になります。当たり前ですが買ってくれる人がいないと収益にはならないからです。インストールしてくれたとしてもその人達が購入にまで至ってくれないと、どうやったって儲かりません。つまりinstallとacquisitonが異なります。例えば、100万円かけて広告を打ってCPI 500円の場合、2,000件のDLがあります。このうち5%が購買に至ったとすると購入は100件です(2,000 x 5%)。初回の購入をacquisitionと定義すると、このときCPAは100万円 ÷ 100 =10,000円になります。CPIは500円ですが、CPAは10,000円ということです。

なので私たちはインストール数よりも購入者数の方に重きを置き、CPAがいくらで獲得できるのかをみながら

CPA < LTV

とできるようにコストを使っていく必要があります。

ECにおいては

ユーザー数 ≒ 売上

が必ずしも成り立たず、

ユーザー数 x 購入率 x 購入単価 ≒ 売上

とメディアと比べると少し複雑になります。CPIとCPAが違うというのはめちゃくちゃ当たり前ですが、メディアからECに移ると意外と癖がぬけずに最初戸惑うところかもしれません。

メディアはモノが売れない

これは私がノインに入った理由の一つでもありますが、メディア運営をしてきて私が考えていた課題は「メディアはモノが売れない」というものでした。これはCEOの渡部もずっと考えていた課題で「モノが売れるメディアが作れたらおもしろいよね」というのがノインに入った一番大きな理由です。

なぜ「メディアはモノが売れない」のでしょうか。それはひとえに、メディアの来訪理由が「暇つぶし」でしかないからです。テレビや雑誌、InstagramやTwitter、TikTok、YoutubeなどのSNS、Gunosy、スマートニュースなどのインターネットメディア、これらを見るときのモチベーションは何でしょうか?情報を得るために見ているという側面はあるかもしれませんが、暇つぶしで見ていることがほとんどのはずです。

一方で、Amazonや楽天、ZOZOTOWNなどのECではどうでしょうか?ここはお店であり、確実に「買い物」に来ています。暇つぶし的に「何かいいものないかなぁ」という気持ちの来訪でも、売り場であることを意識しての来訪にほかなりません。

買い物に来た人にモノを売ることは比較的カンタンですが、暇つぶしをしている人に買い物をさせるのはなかなか難しいのです。これを私たちは来訪のメンタルモデルの相違と言っています。

そこそこ成長したメディアが「トラフィックがけっこうあるからここでECをやったらCVRがn%で…… ヤバ!めっちゃ儲かるじゃん!!!」というような計画を引いて失敗するのはこのメンタルモデルの相違を無視してシンプルにCVRを予測してしまうためです。ECのDAUとメディアのDAUは価値が全く違うのです。

CV(購買)に近い施策

ECで売上を伸ばすためにはCV(購買)に近い施策によりユーザーへの魅力づけをすることが非常に重要です。また、施策は1つよりもギュッと固めて実施することで効果が倍増します。施策は足し算ではなく掛け算になるイメージです。

ノインではファミリーマート限定でsöpöという化粧品ブランドの展開を行っていますが、それに伴ってファミリーマートとはいい関係です。今回2月で売上を大きく伸ばしたのはファミペイという決済手段とのコラボによるキャンペーンの効果が非常に大きいです。

決済手段の内訳について

以前にメルペイとの取り組みをまとめたnoteにも書きましたが、ノインはユーザーが非常に若い事もあってか、比較的クレジットカード決済の比率が比較的低く、コンビニ決済やメルペイでの決済などが多い(合計で約25%)です。この若いユーザーを動かすためにわかりやすいインセンティブを用意し、決済手段を変更させることが今回の目標でした。

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2月から導入したファミペイの決済比率はなんと76%になりました。すべての決済手段からファミペイが猛烈にシェアを奪っているのがわかります。

施策内容はシンプルに

施策内容は超シンプルです。NOINでの買い物でファミペイ決済を使うと30%ファミペイポイント還元(上限3,000円分)これだけです。これのポイント還元原資はファミペイ持ちなので私たちNOINでのキャンペーンはそのままです。つまり25日、26日は「ニコニコNOIN」というNOINでもポイント還元率が25%になるというキャンペーンを毎月実施しており、このタイミングはポイント還元率がかなり大きくなるため、ユーザーは圧倒的にファミペイを使うインセンティブが増します。

「NOINで買い物するならファミペイ一択!」

この気持をユーザーに持たせるべく設計を行いました。

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これは既存ユーザーがどの決済手段から乗り換えたのかというものの内訳です。クレジットカード、メルペイから大きくユーザーが動いていますが、満遍なくユーザーがファミペイに流れているのがわかります。メルペイは特に価格敏感性の高い若年ユーザーがいると予測されるので影響が大きいのかもしれません。

あれもこれもというキャンペーンはよく見かけますが伝わりません。メッセージは一つにします。今回の場合はNOINで買い物するならファミペイ一択!これだけです。これをダイレクトに伝えるということだけに焦点を絞ってLPなども作りました。(LPの詳細とかは省略します)

決済手段変更は定着するのか

決済手段を変えさせるというのは付き合っている人を変えさせるのと同じくかなりカロリーの高いことだと思います。ファミペイは使って頂ければわかりますが、正直まだ使いやすいとは言い難いです。私はかなりリテラシーが高いほうだと思いますが、それでも初回の利用までは苦労しました。(決済系のサービスは最初がけっこう大変ですよね。。。)

それにも関わらず、今回かなり効率よく決済手段のスイッチができたとおもいます。若い新規ユーザーが獲得できたこともあり、ファミペイ側にも喜んでいただけたのではないでしょうか。そして注目すべきは一回きりではなく継続したのか?という点です。3月までも含めた決済手段の推移を見てみましょう。

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ファミペイのポイント還元効果もありますが、3月で25%決済手段として使われています。すごい。

予想以上の効果に非常に驚きましたし、売上も伸びてよかったのですが、売れすぎてしまって在庫を抱えていなくて売り逃しもでてしまいました。倉庫の方でもここまで売れることを想定できておらず、大幅に発送遅延が出てしまったことは反省です。CSメンバーにもかなり負担をかけてしまいました。。。在庫確保の考え方についてはメディアから移ってかなり時間が経ちますがなかなか慣れません。(メディアではユーザーがいれば在庫がある状態なので)

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ファミペイが好きになってファミッペのスタンプを量産しました。

採用強化中

毎回書いてますが、そんなこんなでノインでは採用を強化中です。新しい決済手段もどんどん入れたいです。もっと色々施策もできるはずなのでガンガンやりたいです。

採用情報は下記です。ご興味ある方はご連絡お待ちしてます。


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Chiba Hisayoshi
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