川尻久子さん「橙書店にて」
熊本で本屋兼喫茶店を営む川尻さんが、編集者の大河さんから「一緒に本を作りたい」と言われた後、冒頭のように何度か催促を受ける話を書いた「常連さん」、お店での朗読会に村上春樹さんが来られた話をまとめた「秘密の夜」など36話のエッセイです。
解説の滝口悠生さんが「書店というのは、本を買うためだけの場所ではない。そこは本と出会うための場所だ。」と書かれていますが、ネコの白玉やお客さん同士の交流など、「橙書店」は、本だけでなく人と出会う場所のようです。
いつか訪ねてみたい本屋さんです。
「橙書店にて」田尻久子/ちくま文庫2023.11.1刷