初めまして!瑞穂です。
一時期の銀行のお名前変更ブームにあやかって「みずほ銀行」なるものが出現して以来、一気にメジャーシーンへとのし上がり、私の名前も同時に市民ケーンを得たように思えました。それ以前は「瑞穂です。」と名乗っても「え?」と聞き返されたり、「ふーん、珍しい名前だね。」と言われたり・・・そんなリアクションが普通だと思っていました。。
銀行出現以降は、「あれ?駅前にみずほあったっけ?」「ちょっとみずほ寄っていい?」などと街中で自分の名前が会話に登場するようになりました。今でこそ慣れましたが、最初はドキッとしたものです。だって街で自分の名前を聞くことなんてほとんどなかったですから。新聞の見出しも何かある度に「みずほ崩壊」「みずほ混乱」「みずほトラブル」などと書かれるようになり、大迷惑です。自分が悪いわけではないのになんだか世間の皆様に申し訳ない気持ちにすらなります。
みずほ銀行をご利用でない方々もさすがに「みずほ」と言うワードは目に耳に入ってくると思うので、それなりの知名度はあると思うのです。ただ、「瑞穂」という漢字になると認知度が急降下するという事実をここ最近思い知ったので、私の名前の漢字について書いてみようと思います。
「瑞穂」という私の名前は日本書紀に登場する「豊葦原千五百秋瑞穂国」(とよあしはらの ちいおあきのみずほのくに)から来ています。国語辞書で「瑞穂」を引くと「みずみずしい稲の穂。日本国の美称。」などと書かれていると思います。そう、「日本国の美称」であり、日本はその昔「瑞穂の国」と呼ばれていたのです。
ただし、古事記の中では「豊葦原水穂国」 との表記になっていて日本書紀では「豊葦原瑞穂国」 になったそうです。
『古事記』の語る「豊葦原水穂国」は,「葦原の広がる水の豊かな国」とい う意味であるとする仮説を得た。『日本書紀』は「水穂」を「瑞穂」に書き換えることによって,「水 の豊かな国」を「稲穂の豊かに実る国」に変換したことになる。 (国立歴史民俗博物館研究報告 第 152 集 2009 年 3 月 水穂国の変換と統治理念 西谷地晴美 より抜粋)
そうです。
日本はお米が主食。「瑞々しい稲の穂」つまり土壌が瑞々しくお米がたくさん実って収穫できればそれはリッチ=富。人間が瑞々しく潤っていれそれは生き生きと活気にあふれ生命力に繋がる=繁栄。ということで瑞穂という言葉は簡潔に言うと「富と繁栄」を意味するのです。なので、銀行の名前としてはまさにうってつけ。ぴったんこカンカン!
みずほ銀行の名前が発表された時、奇しくも私はテレビ会見を見ていたのですが食べかけのおせんべいを口から落としました。だって、だって自分と同じ名前になるなんて思わないじゃないですか!?でも、それと同時にやるなぁ、という思いも。「富と繁栄」まぁ銀行の名前としては至極上出来ですもの。
また余談ですが「水っぽい」というちょっとネガティヴな意味の時はwaterの「水」ですが、「瑞々しい」という良い意味で使われる時は「瑞」という漢字です。ちなみに「瑞」という字自体にも「めでたい」「喜しい」などの意味があります。
穂は稲穂の穂なので、米=食いっぱぐれないように という意味合いで穂をお子さんの名前に入れる方も多いらしいです。
え?あ?ここで気付いちゃいました?私自身は富も繁栄もなくて本当すみません。ハイ、完全に名前負けです。お父さんお母さんごめんなさ〜い(笑)。
でも、私自分の名前好きです。
今でこそキラキラネームなど突飛な名前がありますが、昔はちょっと変わった名前ということで覚えてもらえることもありましたし、名前がきっかけで会話が弾むこともありました。
また、海外に行って誰かと目があったらいつも "Hi, my name is Mizuho." と言って右手を差し出して、そこから全てを始めてきたから。
何事も最初は全部自分の名前を名乗るところから始まるでしょ?