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慰霊の日。目の前のこと見て見ないふりしない。2020.6.23
今日は慰霊の日。
沖縄では、学校も保育園も休みになる。
うちは、特になにかの式典に参加したりするわけではないので、なにもしなければいつもの慌しい休日と同じように過ぎてしまう。
今日がなんのための休みの日なのか子どもたちに分かってほしくて、とりあえずNHKの式典の中継をみんなで観る。
難しいスピーチが続くので、当然子どもたちはふざけたりケンカしたりし始める。
ちゃんと見なさい!なんて叱りながら、こんなんじゃ意味ないよなぁと内心思う。
でも、それ以上のことをできる余裕もなく。
それでも、画面に平和の礎が映れば、「ここに名前が書いてある人達はみんな沖縄戦で亡くなったんだよ」と話したり。
今年の学生さんの「平和の詩」の朗読は、ゆっくりで易しい言葉で聞き取りやすいかったので、子どもたちは遊びながら学生さんの言葉のあとをリピートしたり。
12時の黙祷の時間には、みんなでトーティーだよ、と手を合わせる。
なにかカケラでも、残ってくれたら良しとしよう。
デニー知事の平和宣言があり、「平和の詩」朗読が終わり、スクリーンにデカデカと安倍総理の顔が映し出されると、式典の雰囲気はなくなったのか、家族は三々五々散っていった。今年も白々しい言葉が虚しく響く。
本人はいないので、ヤジも飛ばない。
午後からは、ほんとに久しぶりの「てぃだぬふぁ 島の子の平和な未来をつくる会」のミーティング。
昨年末以来だから、半年ぶり。
今日は、県議会に陳情書を出そうと集まった。宮古島へのミサイル部隊配備の撤回と弾薬庫建設の即時中止を求める意見書を、沖縄県として国に出してくれという陳情書。
県議選の前の候補者アンケートでは、当選した議員の過半数が先島への陸自配備に反対と答えていた。
ならば、当選後もちゃんと県議会として国に意思表示してもらいたいというのが、私たちの願い。
選挙が終わった今だからこそ、これまで陸自問題で動いたことのない県議会に問いかけたい。
暑い中クーラーもない学童に集まって、子どもたちを遊ばせながら、抱っこしながら、どうやったら宮古島に基地を作らせないか、武器を持ち込ませないか、戦争につながる火種を作らせないか、考える。
うん。これが私たちの慰霊の日。
子どもたちは、隣で遊びながら、きっとなにかを感じてくれてるだろう。
沖縄戦は、過去のものではない。
1944年に、島を守るためといって、南西諸島の島々に日本軍の基地が建設されたのと同じように、今またわたし達の暮らす島に、当時よりもずっと高度な武器が、ミサイルが、配備されようとしてる。もう目の前に迫ってる。
夜のニュースを見ていると、慰霊の日と辺野古の新基地建設の問題がセットで伝えられているが、どちらかというと、南西諸島への陸自ミサイル基地配備の方が、沖縄戦からつながる相似形をしてると思う。
戦争が起こる原因や加害性を外に求めて、過去に求めて祈るのは、心の平安を得やすい。
だけど、自らのうちを、現在を見つめないと、子どもたちの世代まで続く本当の平和はつくれない。
沖縄のいま現在に、私たちはどう向き合うのか。問われている。
私たちが平和のためにできることは、目の前のこと、見て見ないふりしないことだと思う。
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