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騎兵隊稲荷
騎兵隊稲荷 高田新聞昭和4年6月10日
高田騎兵連隊跡の稲荷が移されることになった。
この稲荷は高田で最も古い歴史を持っており、鴨島稲荷と呼ばれ一帯の守り神だった。その後高田城が作られ、城の守護神として大手稲荷と呼ばれた。
明治維新のあとには騎兵連隊が置かれた。しかし、騎兵隊が出来たころは、先時代の遺物と稲荷は放りだされた。当時の連隊長中山中佐の枕元に夜な夜な白狐が訪れ、再び堂を作るように訴えた。それだけではなく、不祥事が続き、ついに騎兵隊稲荷として復活した。
騎兵隊がなくなったあともまた薫香が絶えたが、今度は置かれた宿直室に狐が訪れた。そこで将校たちと出入り商人で、榊神社に祭事を頼んだそうだ。この話が市長に及び、今回移されることになったという。