辛いものは突然食べられるようになる。30代でも味覚変化は起こる。
辛いものが食べられるようになった。突然。この年齢にして。
子供の時に嫌いなものが大人になったら食べられるということは、ままよくある話だと思う。
ただ、まさか30代も後半になってなお、こんな味覚変化が起こるとは。
あまりにも新鮮すぎて、今年1番楽しかった出来事の1つ。
僕はもともと割と好き嫌いが多い人間で。
それが変わったのは社会人になって……いや、その前の大学時代かな。
手元にお金がなく、割と食べるものに偏りがあって、「これは体に良くないぞ」と思ってる毎日のなかで奢りだったり、何かの会食がとてもありがたくて。
そこで、普段食べないようなものがあったとしても、間違いなく何かしら「栄養素」はある。たとえそれが苦手なものであっても……いや、むしろ苦手なものこそ、普段接種しない栄養がある。
きっと体に良いはずだと、食べ物を栄養と考えて摂取していた。
「これは味は好きじゃないが、この栄養が取れるっぽい」
いちいち調べつつ食べてたら、あまり好き嫌いがなくなった。
それでも、数少ない無理だったもの。それが辛味だ。
「辛味=痛み」ってよく言われるけど、辛さって栄養素とは関係ないんですよね。たぶん。というか、むしろ体に悪そう。
そんなこんなで、ずっと避けているうちに全然食べられなくなってしまった。
ちょっとした辛味でも「いや、やめとこ……」と思って避けてたまま、この年齢になったのでした。
担々麺をミス注文してしまう
ところが今年の3月あたり。
家族と一緒に入ったトマト麺のお店で、なぜか間違えて担々麺を頼んでしまった。
いや、それ間違える? 色しか一緒じゃないじゃん。
と注文時の自分の迂闊さを呪ったのだけど、食べないともったいない。
相変わらず、そんなにお金はない。1食ムダにすることはできん。
そんな意地を張って、食べてみた。口に辛味が広がる。痛い。
「あー、辛いなー」と思ってるうちに、スパイスの旨味が広がってきた。
まあ、これはこれで美味いけど……とか思ってズルズルしてたら、いつの間にか終わってた。
「えっ、大丈夫だった?」と家族が戸惑う。僕が辛いものが本当にダメなことを知っているからだ。
ただ、僕が一番戸惑っていた。食えるやん。
不思議なことに、一度食べられるとなると、またチャレンジしたくなる。
あれ、意外にこれ。辛いものいけるのでは……?
山を越えた達成感と近いものを覚えて、ここから僕に辛い物ブームが到来する。
中本は戦闘力を測る食べ物
そこからいろんなものにハマった。とくに汁なし担々麺は、これまで徹底的に食べてないことを本当に後悔した。
「雲林坊」「タンタンタイガー」「水道橋すする」
全部美味かった。タンタンタイガーは住んでいた蔵前に近い場所にあって、いまは江戸川橋に移転している。
危なかった。近所だったら、胃に穴が開くまで通っていた。
ただ、僕は辛い物初心者だ。まだ免許皆伝じゃない。
いきなり大ボスには挑めない。自分の戦闘力を理解すべき。
そこで役に立ったのが中本だった。人生で今年が2回目。
中本は辛さが数値かされてメニューになっている。どこまで食べられるかによって、自分の辛さ戦闘力を知ることができると思った。
前は2辛でたぶんダメだったと思う。
辛さがいけるんじゃないかと思って、最初に食べたのはまず5辛だった。
結果的に、全然行けた。もちろん、ものすごい汗をかいたんだけど、ペースとしては余裕で完食ができた。
それから6、9、10と段階を上げていく。
僕はもともと非常に汗っかきなので、タオル必須なのが面倒だったけど、徐々に辛さに慣れていった。こうなると楽しい。
そこからいろんな辛味にチャレンジしていった。麻婆豆腐も、カレーも。
おかげで今年新たな食の楽しみを知ることができたけど、一方で胃に負担がかかってないかどうかだけが心配である。
体は結局30代後半だ。
味覚変化の理由は……
しかし、これは何の変化だったんだろうなと思って調べてみたら、辛い物が食べたくなるのは、どうやらストレスみたい。
思い当たるところがないわけではない。というかめっちゃある。
それを声高に言ったり認めるのは、なんか嫌だな……とも思う。
ただ、人体にとって負の影響のストレスで、新たな楽しみや好奇心を満たすことに繋がるのは、トータルでちょっと得した気分にもなる。
食べられるものが増えたのであれば、ストレスでも喜ばしい。
あまりにも過剰に食べ過ぎて、健康さなければ精神に負担をかけた甲斐もあるなーと思いながら、今日も美味しい汁なし担々麺のお店を探している。
皆さんよかったらオススメを教えてください。
僕は雑な割に、変なマッピング癖があって、訪れた店をリストにしてるので、今度どこかでまとめようかなと思ってます。
2024年の振り返り
2024年が終わろうとしていて、そろそろいろんなことを振り返らなきゃなー。
と、思って今年最初に思いついたのは、この体の変化でした。
いくつになっても新しい発見は楽しい。
追記: 完全に余談なんですけど、この時間にnoteをなぜ更新しているかというと、Audibleでさっき聞き終わってしまったのですよ。
ミステリー小説の『方舟』
この時間に聞き終わったことをとても後悔する読後感でした。寝られん。
そのうえ、なんかボーッとしてたら、嫌なこと考えてしまいそうだったので、気を紛らわせるためにnoteを書き始めてしまったという感じです。
2年前にすごく話題になった本なので、今さらだけどみんな読んで欲しい。