柿は調味料です

2024年11月1日 21:01

好きな柿のタイプは、硬い柿。
まだにゅるっとしたところのないもの。
ちなみに夫も子どももこの部分が特に苦手なので、わが家では柿は「買う必要のないもの」

そんな柿の存在に変革が起きた。
出逢いは「づくし柿」

どんなもの？と思ったら調べるより口に入れよ精神の私は、迷わず買って帰る。包丁を入れると、
全身にゅるっ
なにこれ。全面苦手。包丁を入れる必要もない程の柔らかさだった。売るべき時期を間違った物にさえ思えた。

しかし中の色がひどく鮮やかで麗しい。
そのまんまでゼリーみたい。
フォークで刺す、というよりはスプーンで掬うと、甘みもかなり強かった。

ちょうど肌寒くなってこういうこくっとした料理の食べたい季節だったからか、
ハロウィンの時期でオレンジ色がリンクしたからか、脳内で柿と料理がびびっと結びついた。

甘味を柿に任せてみる。

砂糖の代わりに。
もともと、わがやでは料理に砂糖を使わず、甘酒や味醂などの甘みに頼っていた。
それらよりももっと甘みの強い柿に期待が持てた。

以下、柿を甘味調味料とするレシピ。

柿ミートソース

息子が本を指差して、
これ食べたい作ってと言うので
作ってあげるかド定番ミートソース
(私は定番料理を作るのがあまりあがらない)

家にあるもので作れると思ったら
野菜糀切らし　人参もない
そもそもケチャップなんて無い
甘み要素をどうしよう

そういえば朝、興味で買った
"づくし柿" がある
中はトロトロペースト状
これは甘味調味料！

(ド定番ではなくなった)

▶︎牛豚粗挽き 200g, 大蒜 2片, オリーブオイル大2, 玉葱麹 30g,
玉葱 200g, しめじの頭以外 40g, トマト3玉 340g, みりん粕 25g, 赤ワイン大1, ローリエ

▷オイルで大蒜香らせて
　玉ねぎトロ火で25分
　肉入れ中火でサッと炒め
　トマ玉しめじは微塵切り
　全て入れたら蓋して煮込む
　30分したら蓋取り煮詰め
　好みの感じで火を止める

柿はすっかり姿を消して
家族の誰にも気付かれない

※甘みと酒要素、食感要素でみりん粕
しっとりしすぎるのが玉に瑕

柿ハヤシライス

甘み要素はづくし柿
トマトと椎茸宗田節出汁
ウスターデミは使っていない
フルーティーなハヤシライス

西洋のだしでなく、日本のだし。
椎茸もかつお出汁もトマトとは好相性。
牛脂や麹、ワインによる
旨み深みもあるけれど
どっしり濃厚、というハヤシではない。

▶︎牛肉小間切 200g(玉葱麹 20gに漬け置きひと晩),
バター20g, オリーブ油大1, 玉葱1.5個,タイム,
マッシュルーム(薄切), 舞茸(手裂き)
赤ワイン 120cc, 出汁※120cc,
トマト390g(ナガノトマトの「あらつぶしピューレづけ」)

▷ 米粉塗した牛肉バターで
　強火で表面弱めて全体
　こんがり焼けたら取り出して
　玉葱細切りゆっくり炒める
　弱火でタイムと40分
　マッシュ舞茸1分炒め
　ワイン注いで7分煮詰め
　柿とトマトをなじませたら
　肉出汁合わせて7分ほど

▶︎※出汁
1Lに対し: 椎茸5g, 宗田節 10g
▷椎茸は先に中火で10分
　沸いたら宗田節入れ10分
　少し置いてから濾す

肉の旨みはスープに溶け込ませずに、肉に閉じ込めておく。
脂身の多い肉は、長時間煮込んだほうが柔らかいけれど、
このくらいでいい、ができる家庭料理の気楽さ。

柿のポタージュ

南瓜もサツマイモも味わった
次はなんの秋の味覚？
目に留まった艶々秋色
君に決まり!
だから目の届くところに
材料を置いておくのはよい

ベースを何にするかに悩む
南瓜は負けそうサツマイモは甘々
ジャガイモ　そっちちじゃない
ここは色合わせで
オレンジ色の人参に賭ける

▶︎人参1本 140g, 塩麹 14g, 柿1/2玉, 水100cc, 牛乳200cc

▷人参麹に漬けてひと晩
　浅い水と火にかけて
　蓋してことこと10分間
　柿とともにミキサーにかけ
　サワークリームをそれで溶き
　クミンはそのままトッピング
　剥いた皮をオーブンで
　180℃で3分ドライに

柿の甘さ
人参と近い方向の甘みを強化してくれてる感じ
サワークリームとクミンが
甘々への振りすぎを止めてくれている

柿は塗るもの

ベーグルも　柿も　ブルーチーズも
単品を食べるのが好きだけど
何かを組み合わせる度に
新しい感覚を味わえるのが楽しい。

端っこがこんな形なのは
単品でも味わいたい欲張りの表れ
先に齧ったあと

岩塩はほんの数粒でしっかり存在感を出してくる

柿ってすぐに、好きな柔らかさを越えてしまうから、塗るという選択肢を。

▶︎柿、蜜柑蜂蜜、ブルーチーズ、岩塩少し