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『銀河英雄伝説』とかいうかっこいい男マシマシ小説、思春期を殺しにかかってるとしか思えなくないですか?

こんにちは!
迅速果断、即断即決、悪即斬ことどうも俺です!!!

それでどうですか?皆さんは自信ありますか?
決断力ってやつに
俺はあります!!!!!!!

むしろ決断力しかない
決断力の擬人化、決断力が服きて歩いてると称されるほどのザ・決断マシーンの俺に言わせてもらいますとね

っぱ、決断力、なんすわ。この選択の連続たる人生で肝要なのは──

ドラクエ5で選ぶならデボラ、とらドラは亜美、いちご100%では東城……

俺は人生におけるこういった重要な選択において、いつだって迷うことなく選択してきました
選択したやつら悉く公式で選ばれてなさそうだし、この三つが人生の選択のハイライトだとしたら俺の人生ヌルすぎる

で、そんな俺の前にま〜〜〜〜たノコノコ現れたんすわ、その『選択肢』ってやつが
シュタゲ原作で初周、阿万音鈴羽エンドに直行したギャルゲ巧者である俺の前に現れるかね、ったく……(この自虐ネタ誰に伝わるんだよ)

どれどれ、それじゃあ、ま〜〜〜〜た即決してやりま、……

選択肢 銀河英雄伝説で1番好きなキャラはどっち?

A.“常勝の天才”ラインハルト
B.“不敗の魔術師”ヤン・ウェンリー

え、選べねぇ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!!!!!!!!!!
究極の選択すぎる〜〜〜〜!!!!!!!
お前ら二人が俺の翼だ〜〜〜〜〜〜!!!!!!

というわけで、本日はあまりにも思春期にブッ刺さりまくるスペースオペラ版気まぐれオレンジロードこと「銀河英雄伝説」について語り散らかします!!!!!

銀河英雄伝説

“常勝の天才”ラインハルトと、“不敗の魔術師”ヤン・ウェンリー。ふたりの名将が現れたとき、帝国と同盟の抗争は新たな段階を迎えた。圧倒的なスケールを誇る宇宙叙事詩、スペースオペラの金字塔。

公式あらすじより

この銀英伝を読み始めて何に驚いたってまず初手いきなり『銀河系史概略』っていうパートで、主人公たちが生きる時代から何百年も大昔の歴史が延々語られるところです

おいおい正気か?
それは読者の飽きっぽさを舐めてない?
なによりも序盤の速度が肝要なエンタメ小説でそんな構成が許されるわけ……

……許されるんだよ、天才が書けば!!!!クソッ!!!!!

もしかしたら賛否は別れてるのかもしれませんが、僕はこの冒頭からそこそこのページが割かれるこの歴史概略のあまりの面白さに徹底的にうちのめされました

で、確信しました。流石にこの小説がつまらないわけないですやん、と

だって脳を刺激するクソ強センテンスの宝庫なんですもん

「ルドルフの登場は、民衆が根本的に、自主的な思考とそれにともなう責任よりも、命令と従属とそれにともなう責任免除のほうを好むという、歴史上の顕著な例証である。民主政治においては失政は不適格な為政者を選んだ民衆自身の失政だが、専制政治においてはそうではない。民衆は自己反省より、気楽かる無責任な為政者の悪口を言える境遇を好むものだ」

銀河英雄伝説
 著・田中芳樹 出版・創元SF文庫
P18より

 それは権力と暴力との祝福されざる結婚だった。そしてそのあいだに恐怖政治という名の乳児が産まれ、ごく短期間に巨大に成長して人類社会をのみこんだ。

同上
P21より

こんな強い言葉に脳みそぶっ叩かれたらブチ上がってまいますて(コレはほんの一例)

印象的な言葉があるページには折り目をつける癖があるんですが銀英伝ではこんなにも折り目が……

と同時に『思春期にこれにガッツリはまらなくてよかった〜』と切に思いました

だってバリバリ影響受けて奇行に走ったと思いますもん

とにかく民衆心理というか、いわゆる衆愚というものを軽蔑したがる思春期特有の精神にこの『俯瞰した歴史観』みたいなものがフィットし過ぎてるんですよね

頭よさげ系インフルエンサーの断言調に若者がコロッと騙される、みたいなアレとはまたニュアンスを異にしていて、銀英伝は含蓄あるアフォリズムでガンガン思春期の狭い知見を叩き壊して新たな知見を与える物語だと思います

それだけに、コレは中学生には危険な書物過ぎる〜〜〜〜!!!!!!
自分こそは歴史の本質を知る者と錯誤させられてしまう〜〜〜〜!!!!!

俺が中学生で銀英伝にハマってたら、授業前の『起立・礼・着席』のとき「起立しない自由を行使します」とか言いだしかねなかった
「なぜ起立したくないのだ?」「答えない自由を行使します」までフル詠唱してぇ〜〜〜〜〜〜!!!!!

本当に大人になってらハマってよかった
それほどに危険な劇物、というのが率直な感想でした

で、個人的に最も語りたいのはやはりこの銀河で争い合う男たちについて

というかもうぶっちゃけヤン・ウェンリーとか、ラインハルトとか、ヤン・ウェンリーとか、ラインハルトのこととかについてです

銀英伝の好きなキャラ発表会しようぜ!!!!!!!

あまりにも魅力的なキャラだらけでこの話をしだすと長いですよ、俺は
俺は、というかもう銀英伝読んだすべての人類はこの話すると長いでしょ

だって冒頭に語られる歴史のなかで名前が出てくる「ぼやきのユースフ」ですらもうかっけぇキャラっぽいんですもの!!!!

てか、時系列的に絶対絡まないだろうキャラまでかっこよさげに見せる文章いる〜〜〜??
あんなかっこよさそうなキャラ、活躍が見たくなっちゃうでしょ
俺の中二心はもう冒頭のユースフに関するほんの数行の文章で刺激されまくり

というか、メインキャラだけでなくウランフ中将とかもかっこいい
かっけぇキャラの貯蔵タンク。日本の「年間消費かっけぇ」を銀英伝だけで5年は賄える。年間消費かっけぇってなに?

・ラインハルト、あまりにもクールなのに身内にだけ子供っぽいの可愛いと怖いの紙一重すぎ問題

ラインハルト、あまりにも美貌について書かれすぎている
銀英伝における「美」に類する言葉、半分くらいはラインハルトと姉のアンネローゼのためだけに費やされてませんか?
星々の海の美しさよりあの二人の美しさについてのほうが語られてる気がする

ほんで本人は触ったら指切れそうなくらいトンガってるのにキルヒアイスと姉ちゃんにだけ子供っぽいの、マジでなに?
キルヒアイスの髪を引っ張るそのくせ、一生失わないでほしい
可愛いから

ただ、こいつ怖いなぁ〜っともやはり思います
後半にラインハルトが敷く作戦、民間人を巻き込む結構な人でなし戦法だというのもあるんですけど、それ以上にその作戦を実行した良心の呵責が「キルヒアイスがこの作戦に批判的なのはわかっていた」みたいな描写以外あんま見受けられないのが怖い

ほなキルヒアイスが批判的じゃなかったらあんま気にしないの? てかそれって良心の呵責か? っていう

そういう自分のなかのストッパーを、「キルヒアイスや姉に嫌われたくないから」みたいな部分に仮託してるそうな感じがすごい不安
アンネローゼもその役割をキルヒアイスに期待してるっぽいし、ヤン・ウェンリーは自分にないその素養を危険視してるし本当に読者を不安にさせる、ラインハルトは

そんなラインハルトが身内にだけ甘い、というこの可愛いと恐怖のサウナに俺の心臓の血管がボロボロ
続き読むの怖すぎます

とにかく俺はキルヒアイスに期待を寄せるしかない
キルヒアイス、ラインハルトを止められるのはお前だけだ
オーベルシュタインの誘惑から救い出し悪堕ちから救ってくれ

あと俺はお前がアンネローゼとくっついたら結構嬉しい
うまくやってラインハルトとアンネローゼという「銀河の美の総量の半分(推定)」を手にする男になれ

・ヤン、あまりにも俺が憧れる男すぎる

で、出た〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!!!
銀河でもっとも中学2年生に憧れられる存在〜〜〜〜〜〜〜!!!!!!
俺たちがやりたくてもやれない偉業をやり散らかすくせに出世街道には興味がない最強主人公先輩〜〜〜〜〜〜〜!!!!!!!

個人的になんですけど、こいつ世の中の人気あるラノベ主人公がダース単位でもひとりで紅茶飲みながらひり潰すほどの「かっけぇパワー」の持ち主だと思います

こういう男になりたすぎる
いまからでもなれないか? 手遅れか? いい歳こいてヤンになりたいと真剣に考えてる時点でもうあらゆることが手遅れなのか!?
ヤンになれないまでもヤンに喜んでもらえる紅茶を淹れるためにユリアン少年に弟子入れすべきか?

ヤンは戦闘において天才的な手腕を発揮する点もめちゃくちゃかっこいいんですが、より魅力に感じるのはその俯瞰した歴史や世界の見方でしょう

「恒久平和なんて人類の歴史上なかった。だから私はそんなもののぞみはしない。だが何十年かの平和でゆたかな時代は存在できた。吾々が次の世代になにか遺産を託さなければならないのなら、やはり平和が一番だ

同上
P183より

「中尉……私はすこし歴史を学んだ。それで知ったのだが、人間の社会には思想の潮流が二つあるんだ。生命以上の価値が存在する、という説と、生命に優るものはない、という説とだ。人は戦いをはじめるとき前者を口実にし、戦いをやめるとき後者を理由にする。それを何百年、何千年もつづけてきた……」

同上
P 344

こういった含蓄に富んだ台詞の多くがヤンの口から語られます
これこそ、銀英伝の白眉ではないのでしょうか

あまりにも鮮やかな勝利をしてしまったがために、政治家や民衆の愚かしさを見誤り平和を遠ざけてしまう、という足の掬われ方をしてしまう点も好きです

とにかく人間というものに対して疑い深い視点を持っているのに、深い部分では人類に対する信頼を置いていないとそういう足の掬われ方はしないと思うからです

安全な場所から戦争を声高に叫ぶ為政者への攻撃性、結局は軍をやめられない責任感などなどヤンの魅力を語り出したら三年かかる

物事を高い視点で見ている面も多いけれど、ユリアンのような少年を戦争に行かせたくないという小市民的な感性も平和を求める心もちゃんと根っこにあって、そういう部分がヤンという人間をより魅力的な男にたらしめているように思います

ほんで部下のフレデリカさん的にヤンはどうなん?
俺はカプ厨だからそこの掛け算期待しちゃってますけどどない?
俺はさぁ〜〜〜見たいよ、平和な銀河でユリアンとフレデリカに囲まれて紅茶を飲むヤンがさぁ〜〜〜〜〜〜

・シェーンコップ、好き。ずっとヤンといてほしい

個人的には中盤で大活躍したシェーンコップ、めちゃくちゃ好き
もう好きな理由はこのセリフに集約していて

「失礼ながら、提督、あなたはよほどの正直者か、でなければルドルフ大帝以来の詭弁かですな」
 シェーンコップはにやりと笑ってみせた。
「とにかく期待以上の返答はいただいた。このうえは私も微力をつくすとしましょう。永遠ならざる平和のために」

同上
P184より

ヤンの一見無謀な作戦も、平和に対する大望も受け止めて出てくるこの台詞、マジで好き

『たかだか数十年の平和のため』『引き取ってるユリアンを戦争に行かせたくない』というヤンの言葉を「期待以上の返答」と評してくれるこいつ、好きすぎる
こういう部下、あと百人はヤンにいてほしい

ヤン、とにかく上官に恵まれない印象だから、こういうとんがってるけど優秀みたいな部下と一緒にこの過酷な銀河を戦い抜く、みたいなベタなのが俺は見たいんですよ!!

とか言って2巻以降別に出番なかったら凹むし、出番あっても途中で死んだらもっと凹む
なんか……!!!なんかいい塩梅で出てきてくれ……!!!!!!

まとめ

結論として、「銀河英雄伝説」流石に面白すぎる

ラインハルトとヤンのどっち応援すんだよ?ってアンケートには「どちらとも言えない」って回答するしかないです、俺は
冒頭で語った決断力が聞いて呆れる体たらくじゃね?

個人的に、ラストにて明かされる不穏な影についてもめちゃくちゃ楽しみです

銀河帝国、自由惑星同盟、っていう強すぎる2つのアイコンに並ぶ三つ目の勢力があるとすれば「それ」しかないよね!!!っていう期待に応えてくれて本当に続きが楽しみ

並行して、同じくらい楽しみな守り人シリーズも読み進めていきますが、こんな面白い2作品を同時進行で読めるなんて恐ろしいですよね

完全に面白のオーバードーズ
これだけの面白を短期間に摂取することが法律で許されるなんて法治国家としての破綻を疑う

とにかく楽しみ、これに尽きます

というわけで、本日はこんなもんで
ではでは!!!!

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