実践的な教育機関を掲げるタイガーモブがなぜ「オンライン海外インターン」始めたか〜前半〜
皆さんこんにちは、タイガーモブCOOの中村 寛大(かんち)です。
先日、私たちの新しい取り組みとして、『オンライン海外インターン・プロボノ』をリリースさせていただきました。
世界中のリアルな課題に、自宅から挑戦できる新しい実践の機会「オンライン海外インターン・プロボノ」
https://www.tigermov.com/info/detail/507
お陰様で多くの方に関心を寄せていただき、一時は激減していた海外との接点が復活し始めたと同時に、これまで中心だった大学生や高校生だけでなく、社会人の方にもご興味をお持ちいただけるようになりました。
世界のリアルな課題にオンライン通じて挑み、成果を出す経験を幅広く多くの方に提供して行きたいと思っています。
オンライン海外インターンの数もこれからますます増えていくと思いますので、ぜひ引き続きウォッチしてもらえれば嬉しいです。
オンライン海外インターン一覧はコチラ
今回は、私たちの新しい事業がどのように生まれたのか、というお話。
「ストーリーを聞きたい」というお話をいただくこともあり、また自分たちの振り返りのためにも、ここにアウトプットしたいと思います。
本当にこの1ヶ月半は激動の日々でした。(本当に・・・)
全てのはじまりは、フィンランドから
3月はじめ、私はフィンランドのアントレプレナーシップ教育プログラムにタイガーモブの自社制度「トラバケ(※)」を使用して、参加していました。
(※トラバケ:タイモブの社内制度の一つで、社員向けの学びなおし制度。年に1回、自社研修に参加できる制度)
プログラムはフィンランド・オウルで開催されたのですが、そもそもはそのタイミングで開かれる「Polar Bear Pitching」というイベントを軸にして考えたものでした。このピッチ大会は、真冬のフィンランドで凍った湖に入り、入水している間だけピッチできるという、なんともクレイジーなイベント。
しかし、プログラム2日目に衝撃的な知らせを受けます。
「寛大さんまずい、Polar Bear Pitchingが中止になった。」
運営パートナーであり現地コーディネートをしてくれた航さんからこう言われたとき、あたふたしたのを覚えています。
その後も、予定していた学校訪問も、コロナウイルスの蔓延を防ぐため中止となり、コンテンツの変更を余儀なくされてしまいました。
(航さんととても理解のある参加者の皆さんのおかげで、プログラム自体は今でも大成功だったと確信しています。)
そして、3月16日。
「フィンランドが国境を封鎖するという情報が入った。入国できないどころか帰れない恐れがある。」
翌週から自然教育をテーマにした別のプログラムがフィンランドで開催される予定となっていました。
そのプログラムには20名弱の参加者がいただけに、ゾッとしたのを覚えています。
2日後の3月18日には皆さんがこちらに入国する予定でした。決断までの猶予は1日。
国から緊急事態宣言はまだ出ていないし、楽しみにしてくださっていた人がいる。まだ政府から正式なアナウンスが出ていないし、もしデマだったらどうする?
現地時間朝6時、様々な葛藤がありましたが、参加者の皆様の安全を最優先し、最終的には苦渋の思いでプログラムの中止の判断をしました。
(タイガーモブとしてもここまでアクシデント続きのプログラムは始めてだと思いますが、おかげでさらに精神的に強くなれたとような気がします。笑)
ここから、タイガーモブとしても本格的にコロナウイルスとの戦いの火蓋が切って落とされました。
そしてこの後すぐに、GWに控えていたエストニア、フィンランド、インドネシアSDGs、インドネシアU-20、南アフリカ、5つのプログラム催行中止の判断をします。
※中止の判断が遅すぎるという意見もあるかもしれません。
フィンランドの状況は全ての参加予定者を共有しており、それでも今このタイミングじゃないと行けない方や、絶対に行きたいという方がいることを認識していました。そのため、渡航制限が入らない限りなんとか催行したい、それが中止判断前の私たちの意思決定でした。
私たちの振り返りとしては、この意思決定をする上での判断基準をもっと前もって設計することができるはずだと考え、今後の改善に向け感染症の危機対応基準を再構築して参ります。
インターンシップを提供する40か国全てに渡航制限
フィンランド帰国後、リモートワークで日本で対応していたタイガーモブチームに、各国の渡航制限が続々と入ってきました。
フライトの減便、ビザの発給停止、国境封鎖、外出制限、帰国要請。
国によってコロナウイルスの影響は様々で時差もあるため、情報のアップデートも日本時間深夜になる状況でした。
その都度滞在者に対して、代表の菊地、海外インターンシップ事業統括の古田、カスタマーサクセス担当の河村が外務省の渡航危険レベル、各国大使館の情報、危機対応サポートの皆さんのアドバイスを踏まえ、当時150名程度海外に滞在している海外インターン生のサポート。
裏側では、柳さんが全体を管理、上原がフライトの変更対応やキャンセル対応を行うといった、今も継続する部分はありますが、まさに戦時モード。総力戦という感じでした。一緒に乗り越えてくれたみんなには本当に感謝。
早くみんなにリアルで会いたい!!!
そんな中で、私自身の役割は、新しい機会を届けることでした。
それができたのは、間違いなくみんなが僕のリソースを空けてくれたおかげです。みんなの頑張りを無駄にすることなく、新しい価値をユーザーの皆さんに提供するためにはどうしたら良いだろうか。
予期せぬ成功、160名が集まる「脱・SDGsウォッシュ」イベント
新しいプログラムを実施するにあたり、キックオフイベントとしてバリ島で気候変動とエネルギーのプログラムとインターン生の受け入れをしてくれているsu-re.co CEOの高間さんと共に、「脱・SDGsウォッシュ!」をテーマにしたオンラインイベントを実施することを兼ねてから決めていました。
いつもは弊社のイベントは30名程度集まれば良い方でした。
しかし、見る見るうちに人を集まっていき、最終的には160名程度のエントリーがあり、驚きを持って当日を迎えました。
この時、以下のようなことを感じました。
・価値のある学びや機会が今世の中には求められていること
・実践者からの学びがとても意味があること
・オンラインで学ぶことがある程度スタンダードになってきたこと
・その学びは人によってはアウトプットするためのかけがえのない機会になること
そして何よりも、強く感じたのが
「これが当たり前のようになるな。」
ということでした。
パラダイムが変わる瞬間に自分自身が接した感覚を持ったのです。
アウトプット(実践)も、オンラインでできることを証明した高校生たち
時を同じくして、3月実施予定だった、フィンランドプログラム、バリのSDGsのプログラム、U-20ヤンググローバルリーダープログラムに参加予定だった高校生を中心としたメンバーと「オンライン高校生プロジェクト」をスタートさせました。
このプロジェクト自体も、
「このタイミングを逃すと、自分は受験で夏のプログラムには参加できない。」
「このタイミングでできることを最大限やりたい。」
「繋がる予定だった同世代と繋がりたい!」
という、参加者の想いになんとか答えようとして始めたものです。
私自身がフィンランドの教育現場で見て、体感して、学んできたこと。
それからタイガーモブとして、実践的な教育機会を届けることをコンセプトに実施しながら、約10名のメンバーとともに、自分の好き・やりたいからプロジェクトをスタート。
チームもしくは個人としてのアクションをサポートする機会を届けています。
このプロジェクトは現在進行形で進んでいますが、
・オンラインでのサステナブルファッションに対しての啓蒙活動をするメンバー
・NPOの立ち上げも視野に、服のリユース、リサイクルのプロジェクトを立ち上げたメンバー
・コロナウイルスで元気がなくなった日本を盛り上げようと、ハッシュタグでメッセージリレーをやろうとするメンバー
・移動を最低限に循環する社会を作るために活動するメンバー
・海洋ゴミと地域の特産物を絡めた啓蒙活動と経済活動するメンバー
などなど、それぞれが、アウトプットするために奔走しています。
普段は物理的な距離の制約があり、学校が違うため、決して交わることのないメンバーがチームを組みながら、自分たちにできること、自分たちがやりたいことをオンラインで真剣に話し合い、SDGsの中で掲げられたテーマに対して自分が今できることにチャレンジする姿はとても見ていて頼もしいものです。
大きな可能性と、「次世代リーダーの創出」に繋がる手応えを、今まさに感じています。
活動を通じて、とても嬉しいコメントをもらいました。
「今だからこそやれることを見つけ、行動に移したことで新たな可能性がうまれ自分のレベルアップに繋がっています!この機会を与えてくださった中村さんには感謝しかありません!私は、過去一番と言っても過言ではないほどやりたいことをやれています。幸せです! 人生楽しんだものがちですね!暗い状況でも自分で明るくしちゃえばいいんです!」
もう最高です。やって良かったと心の底から思えた瞬間でした。
自分たちとしても意義を感じ、ユーザーの皆さんにも価値を感じてもらえる機会がこうして小さく立ち上がっていきました。
約2週間毎晩開催した世界の起業家によるイベントに、500名超が参加
そして、今海外のパートナーとして日頃とてもお世話になっている企業の経営者の皆さんとイベントを実施しています。
この短期間でほとんど毎日イベントを実施して、様々な角度から気づきや人生のターニングポイントになる機会を届けることができるようになってきました。
オンラインで世界のイベントを「グローバル・ラーニング・コミュニティ」はこちら
毎度毎度、海外インターン生の人生に大きな価値を届けてくださるパートナーの皆さんが、ご自身もコロナウイルスの影響で事業が大変なはずなのに、勇足で協力してくださることには涙が出ます。
僕自身が想像している以上のスピードで変化が生まれています。
会社としてもコロナウイルスの影響で海外インターンシップの提供が難しいとなっている状況にも関わらず、メンバーがどんどん明るく、アクティブになり、それぞれがやりたいことを同じベクトルの中でベストな状態でやっていることが手に取るようにわかるのです。
明らかな危機にも関わらず、ここまで充実感があることは、僕にとってこれ以上ない喜びです。
でも、何かが足りない。
タイガーモブのビジョンの一つに、「世界で挑戦できる、時代に即した実践機会を提供する教育機関となる。」というビジョンがあります。
オンラインで世界と繋がるこの時代に即した、実践機会はなんだろう。
(後半へ続く)
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