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THE CATALYST 一瞬で人の心が変わる伝え方の技術
ペンシルベニア大学ウォートン校のマーケティング教授であるジョーナ・バーガーさんの「THE CATALYST 一瞬で人の心が変わる伝え方の技術」です。
変化を妨げる障害とそれを取り除く方法について用いて綴った一冊です。事例も豊富にあり、活用できるテクニックも多いのでおすすめです。
【1】CATALYST(カタリスト)とは
セールスパーソンは顧客の気持ちを変えたいと思い、マーケターは人々の購買行動を変えたいと思っている。部下は上司の評価を変えたいと思い、リーダーは組織を変えたいと思っている。親は子供を変えたいと思い、スタートアップ企業は業界を変えたいと思い、そしてNPOは社会を変えたいと思っている。(ジョーナ・バーガー)
このように人は誰でも、何かを変えたいと思っている。
しかし、何かを変えるのはとても難しい。人間や組織にも「慣性の法則」が働く。
変化を起こすには、状況を理解し、変化を妨げているものの正体を突き止め、それを巧みに取り除く必要がある。
化学の世界では、変化を起こす物質を触媒(Catalyst)と呼ぶ。
触媒(Catalyst)=変化を容易にする手段
変化で大事なのは変化を妨げる要因を理解し、自分が触媒になってそれらの要因を取り除くこと。
【2】「慣性」の5騎士(変化を妨げる5つの要因)
REDUCE
①Reactance (心理的リアクタンス)
②Endowment(保有効果)
③Distance(心理的距離)
④Uncertainty(不確実性)
⑤Corrobrating Evidence(補強証拠)
①Reactance (心理的リアクタンス)
人は押されたら、本能的に押し返す
→ 相手が自分で自分を説得するように持っていく
人にとって大事なのは「自由と自主性」→禁止は得てして逆効果になる
◆ポイント
下記のテクニックを使って自分で選択させる。
1. メニューを提供する:誘導型の選択(自分で選ばせる)
2. 命令ではなく質問する:質問には相手が返答に責任をもつ効果がある
3. ギャップを明確にする:自分の行動の矛盾点に気づかせる
4. 理解から始める:理解→信頼→変化
②Endowment(保有効果)
人はすでに持っているものを維持したいという欲求がある
→ 行動を起こさないコストを気づかせる
◆ポイント
下記を行って保有効果を弱める。
1. 何もしないコストを意識させる
2. 退路を断つために船を焼く(1でもダメな場合)
③Distance(心理的距離)
人は自分とかけ離れたものには反対する。あまりにも遠くにある考えは拒絶の領域に属するために切り捨てられる。
→ 距離を縮め、小さなお願いから始め、フィールドの反対側につれてくる
◆ポイント
下記を利用して距離を縮める。
1. 移動可能な中間層を見つける
2. 小さなお願いする
3. 現状打破のポイントを見つける
④Uncertainty(不確実性)
不確実性を前にすると人は一時停止する(リスク回避が働く)。
→ 挑戦しやすい環境を整える
◆ポイント
下記を利用して挑戦しやくする。
1. フリーミアムを活用する
2. 初期費用を削減する
3. 発見を後押しする
4. 取り消し可能にする
⑤Corrobrating Evidence(補強証拠)
ある種の物事はより多くの証拠を必要とする
→ 証拠をさらに補強する証拠を見つけ、複数のリソースを活用する
◆ポイント
下記を考えて、効果的に補強証拠を提供する。
1. 「誰の」影響がもっとも大きいか
2. 「いつ」提示すると効果が大きいのか
3. 「どのように」展開すると効果が大きいか
【3】感想
Corseraでジョーナ・バーガー先生の授業を受けて面白かったので、本書も購入して読んでみました。心理学の研究に詳しい方には既に知っている内容も多いかもしれませんが、変化を妨げる要因と具体的な対応方法が分かりやすく書かれていて楽しく読むことができました。
みんな何かしら変化を起こしたいと思っているはずなので、普段からもいくつか実際に活用していきたいと思います。
では最後に、
「あなたは人を変化させるテクニックを知るのと知らないのとどちらがいいですか?」
読んでいただきありがとうございました。