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【ネッシーあやこ『コンクリートの庭と暮らす、ありのままの独身中年女性』】散歩のとき、わたしの脳内はパグとよその家から漂う焼き魚のにおいでいっぱい【読書記録】

一筆申し上げます

気温がここ数日で急に下がった札幌ですが、ご滞在中体調を崩されてはいませんでしょうか。
初めまして。ネッシーあやこ様、突然のお手紙失礼致します。……実は、初めましてではないのですけれども。
昨日、文学フリマ札幌にてご高著『コンクリートの庭と暮らす、ありのままの独身中年女性』を購入いたしました、めぐみティコと申します。

表紙がおしゃれ

なぜ、自然豊かな北海道に暮らす、既婚中年女性であるわたしが『コンクリートの庭と暮らす、ありのままの独身中年女性』を手にとったか。
わたしはnoteでエッセイを書いています。なので、文学フリマでもエッセイのブースは全部見て回ろうと思っていました。
見本誌でたまたま開いたページは、「ちぎれたくなかったのだ」の見出しから始まっていました。
そしてその次には、こんな一文。

子どもを産む、産まないに関する考えを話す機会は日常のなかであまり多くない。

『コンクリートの庭と暮らす、ありのままの独身中年女性』より

買おう、と思いました。
妊娠する、しない、子どもを産む、産まない、こうした話題は、わたしの発信の核となっているものです。わたし以外の女性が、この話題についてどう考えているのかを知りたかった。
家に帰って、貪るように読みました。
そして、お伝えしたいことがいくつかございましたので、お手紙を差し上げることにいたしました。

まずは、お散歩をしているときの心についてです。
わたしは毎日のように散歩をしますが、一人で行くことはありません。仕事から帰ってきてから、夫と、ニ匹のパグと一緒に歩いています。
ですから、基本的には夫となんてことない会話をしながら散歩をしています。ネッシーあやこ様のおっしゃるような、「散歩をしているときの心が、あまりにも自分のものでしかない」という感覚は正直ないかもしれません。
それでも、パグたちがいきなり車道に飛び出したり、部活帰りの中学生の自転車に飛びかかったりしないよう、常に心を砕いています。
そんなとき、ふとどこかの家から晩ごはんであろう焼き魚やカレー、はたまたお風呂のシャボンのにおいなんかが漂ってくると、「あぁ、みんなちゃんと生きているんだな」と思うのです。生活のにおい。しあわせのにおい。
そして、わたしもちゃんと夫と家族として生きよう、と思うのです。
夫婦二人とパグ、そして爬虫類たちと暮らしていると、「家族である」という意識がどうしても希薄になります。恋人同士の同棲と何が違うのか、本当のところでは分かっていないのかもしれません。夫婦の間に子どもがいないと、家族にはなれていないのではないか、という感覚がずっと拭えないのです。
でも、そんな感覚とは関係なく、毎日の生活は一日一日と確実に積み重ねていかなくてはなりません。いろんな家族の、今日も変わらず生きている証であるキッチンやお風呂の換気扇から漂ってくるにおいに、しっかりしなさい、と言われているような気がするのです。

「ちぎれたくなかったのだ」は、何度か繰り返し読みました。
「産まないでいる方が私にとっては生きやすい」と言い切られたことに、衝撃を受けました。
わたし自身は、子どもを産まないで生きやすいと思ったことはありません。
小学校教諭という特殊な職場環境ということもあるでしょうけれど、子どもがいない既婚者というものにほぼ出会うことがありません。
若い頃には「子どもは?」と挨拶がわりに聞かれてきました。その度に「いつかはね」なんて答えて、はぐらかして。頼んでもいないのに、「転勤して環境かわったらすぐできる。私もそうだったもん」「気楽にね」なんて慰められて。そうじゃないから悩んでるんですけど。不妊治療のクリニックにまで通って気楽にってどうやんのよ、って心の中で悪態をつく日々でした。
「生きやすい」と言ってくださったその心のうちを知り、「努力だけではどうにもならないことがあると知ってしまった」という一文にそうだよねぇ、と力強く頷いたのでした。真逆の立場、思考であるのにです。分断する意味はない。本当ですね。

以下は蛇足になるとは思うのですが、わたしの献立救世主である「すしのこ」についても言及されていましたので、お伝えしたいです。
すしのこは、生姜焼きや鶏の照り焼きのときに合わせ調味料の中に混ぜると、いつもと少し違う味になってとても美味しいです。冷凍フライドポテトや枝豆の味付けにも最適です。
それから、桃ディル。とても美味しそうですが、桃のシーズンがつい先日終わってしまったことが悔やまれます。およそ十ヶ月後に再び訪れる桃シーズンまで、桃ディルを食べてみたいと今思っていることをわたしが覚えていられるかというと、限りなく怪しい。
来年の手帳を購入したら、七月のマンスリーページに大きく「桃ディル作る」と書いておこうと思います。

この度は、とても素敵なエッセイ本をありがとうございました。
末筆ながら、ますますのご活躍をお祈り申し上げます。

かしこ     

  令和六年九月二十三日

めぐみティコ  

ネッシーあやこ様

追伸
スープカレーなら、SAMURAIが美味しいです。ぜひサクサクブロッコリーもトッピングしてみてくたさい。サクサクブロッコリーは別盛りがおすすめです。

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以下路地裏向けお知らせコーナー

今後の「どうかしているとし課」について

こちらの記事でコニシさんがお知らせくださったように、「なんのはなしです課」通信が今後は月2回になります。
「どうかしているとし課」の案内板も、通信に載せていただいていましたので、今後は「どうかしているとし課」案内板の頻度もコニシさんの通信に合わせます。
上記記事でいきますと、次回の通信が10月14日に出ることになりますので、次の「どうかしているとし課」案内板は10月7日に出します(……で合ってる?)
通信で取り上げてもらえるロジウラーと、取り上げられないロジウラーが出てきてしまうのは不公平に思えます。
コニシさん、半年間本当にお疲れ様でした。読書に溺れてください。来月元気にお会いいたしましょう。

路地裏は不滅ですというはなし

路地裏への招待状💌💋

編集後記とコメント欄は絶対見てください。
なんなら路地裏伝統芸能「読むフリして飛べ」は真っ直ぐ編集後記へ。
コニシさんのスタエフ出演楽しみ。

ティコ欄泣けました。ありがとう
きのこのうたはわたしの鼻汁祭りで間に合いませんでした。

スタエフ朗読ライブ🎙️📖

次回は9月28日(土)。22時〜の回にわたしも出ます。切ないお話を読みます。
21日のライブも楽しかったから、次回もきっと楽しいはず。
……あっ、ちょっと待って? あれかな? 28日は回収作業してないってことだから、もしかしたらコニシさん聞いてたりする??
え、むりどうしよう! 先週までは回収&編集作業してるから聞きに来られないだろうし、大丈夫だって思ってた!! 
推しの推しを読んでるんだよ? 冷静に考えて無理じゃない? わたしが登壇したら、コニシさん退出してくれたりしない??
どうしよう、persiさん助けてください😣
ていうかなんでコニシさんわたしの推しなの😡

Rifuziiiiiiiin!!!!!


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