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【映画感想文】漢たちの魂が燃える、和製西部劇の真髄『室町無頼』【ネタバレあり】
23日を週休日に予定していて、映画でも見るかと思っていたところ、映画好きの友達から『室町無頼』を勧められた。
評判も上々とのことで、観ることにした。
✄- – – – – – ネタバレあり – – – – – ✄
時代物を見ることはあまりなく、視聴するのは初めてだった。
歴史に疎いので、最初の入りはちょっと頭が固く、慣れるまで少しかかったが、背景描写が丁寧だったおかげで映画に入り込むことができた。
……和製西部劇というか……ハードボイルドだな!と。
漢の生き様をまざまざと見せつけられた。
日本の歴史で、初めて武士階級で一揆を起こした蓮田兵衛の人生を描いた作品だが、仲間との絆、弟子への愛、そして民衆への愛にあふれた内容だった。
今の世の中と重なる部分もあって、現代社会にも通じる深いテーマを感じた。
見てよかったと思う。
蓮田兵衛は兵法者として名を馳せ、その飄々とした生き様は誰でも憧れるような生き方かもしれない。
しかし、彼の考え方や物事の見方は非常に奥深いものだった。
ただ力で押し通す存在ではなく、自らの信念を貫きながらも、周囲の人々や時代そのものを深く理解し、共存の道を模索していたと思う。
その姿勢が単なる英雄譚にとどまらず、観る者に多くのことを考えさせる理由だと感じた。
また、映画の中で描かれる人間関係の繊細さや、武士でありながらも民衆と同じ目線で生きる蓮田兵衛の姿勢が、現代のリーダーシップや人間関係の在り方を考えさせる要素として心に響いた。
特に弟子たちとの交流には、単なる上下関係を超えた信頼と愛情が描かれていて、それが物語全体に温かさを与えていたと思う。
弟子を描く場面も鮮やかだった。
大泉洋氏が兵衛の懐の深さを表現し、それに心を打たれて弟子の才蔵、長尾謙杜氏が兵法者として目覚めるシーンはかなりぐっときた。
台詞回しには若干辿々しさを感じたものの、逆にそれが初々しさを醸していて役にぴったりはまっていたように思う。
兵衛を慕い、徐々に目覚めていく才蔵のシーンは圧巻だった。
目力を感じたな。
映画を観終わった後、蓮田兵衛の言葉や行動が何度も頭をよぎり、彼の信念や生き様を改めて噛みしめた。
時代劇という枠を超えて、普遍的なテーマを描いたこの作品は、多くの人に届いてほしいと思う。
最後に、この作品をきっかけに日本の歴史や時代劇への興味がさらに深まった。
他の時代劇も見てみたいと思うし、蓮田兵衛のような人物がどのように日本の歴史に影響を与えたのか、もっと知りたいという気持ちになった。
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