海堡とマッドフラッド
日本にある海堡の存在を知り写真を見た瞬間マッドフラッド、前文明の遺産、タルタリアを思い浮かべた。
海堡とは明治から大正にかけて建設された海上要塞であり人工島である。
千葉県富津岬側から神奈川県横須賀市側にかけて3つの海堡が建設された。
当時こんな物が本当に建設可能だったのか?
既に存在していた前文明の遺跡の再利用、もしくはマッドフラッド的な大規模災害か攻撃によって破壊された遺構に補修を加えたのか・・・
そう考えられる程に海堡は凄まじい建造物だ。
そして、国内に3つしかないのも不自然…
第一海堡
第⼀海堡は、富津岬の先端の⽔深5m程の海中に築かれた。
基礎のための⽯を投⼊し、その上に野⾯⽯で囲った堤防を築き、内部に砂を充填して砲台を建設。
明治14 年(1881)8⽉に着⼯、明治23年(1890)12 ⽉に竣⼯。
7万㎥の⽯材、13万㎥の砂が使⽤され、32万⼈の⼈夫が使役された。
どんな船で莫大な石と砂を運んできたのか、作業員の仕事風景の記録や写真があれば見てみたいものだ。
第二次世界大戦後に連合国軍によって、要塞を無力化するため中央部が破壊されている。
現在、財務省の所轄なので無断立ち入り禁止だそうだ。
第一海堡に現存する資源
https://daini-kaiho.jp/kaiho/jp/no1seafort/resource-no1seafort/より、いくつか引用してみよう。
精巧なレンガ造り
タルタリアを感じざるを得ない
相当質の良いレンガを使っていたのがわかる
第二海堡
第⼆海堡は、第⼀海堡の⻄2,577mで、⽔深8〜12mの海中に築かれた。
明治22年(1889)7⽉に着⼯し、⼤正3 年(1914)6⽉に竣⼯。
49万㎥の⽯材、30万㎥の砂が使⽤され、50万⼈の⼈夫が使役された。
海堡の埋⽴造成費だけで79 万円(現在の価格で約50 億円)
1923年の関東大震災により大きな被害を受けた。その後は大日本帝国海軍が使用。戦後は第一海堡と同様に軍事施設が爆破され、海上保安庁により灯台が設置された。
以前は神奈川県からの渡し船で釣り人が渡航していたが、安全面を理由に2006年6月末で立ち入り禁止。護岸工事が行われる。
第二海堡は国土交通省の所轄で観光目的のツアーを認めた。2019年より民間業者による上陸ツアー開催。
第二海堡に現存する資源
https://daini-kaiho.jp/kaiho/jp/category/no2seafort/resource/より、いくつか引用してみよう。
レンガが使われている。
レンガ造りの物を上から塗り固めたのだろうか
タルタリア感がある。
極めてタルタリア的
第三海堡跡
現在は撤去工事され海上には見えない。
第三海堡は、第⼆海堡より南2,611m、⾛⽔低砲台より北2,589m の位置にあり、⽔深が約39m もあって潮流も激しく、建設⼯事は明治年間における軍事⼟⽊最⼤の難⼯事になった。
明治25年(1892)8 ⽉に着工、明治45年(1912)3⽉に竣⼯予定だったが、⼤正10年(1921)竣工。
明治40年(1907)までの⼯事費だけで249万円(現在の価格で約140億円)
明治34 年(1901)、築城本部⻑であった⽯本新六中将は、築城の⼤家、ドイツのレンネ少佐に建設中の第三海堡⼯事を視察してもらい意⾒を求めた。レンネ少佐は、「世界中でこのような深い海中に構造物を建設した例はない。」「無謀である。」などと述べている。
当時、世界的に見ても類を見ない大規模工事だったのだろう。
公式の歴史が真実であれば…
勿論、当時の建設に関わった日本人が極めて優秀だった可能性もあるだろうが…
第三海堡は完成からわずか2年後・・・
⼤正12年(1923)9⽉1 ⽇の関東⼤地震で大被害を受けた。
第三海堡のコンクリート構造物は殆ど海中に転落あるいは傾斜した。
ただし優秀な不等沈下対策が行われていたので軍事施設、建物には一つの亀裂も発生していない。
しかし、4.8メートル沈下、施設の3分の1が水没し機能を失った為、軍事施設から除かれ修復もされなかった。
その後、崩壊が進み暗礁と化したので撤去工事が行われた、吊り上げられた構造物は第三海堡跡南西2,000 mの海域に投棄され、魚礁に再利用されているほか、一部は陸揚げして綿密に調査された。
当時の土木工事の水準を超えた人工島造成技術が分析されているそうだ。
やはり説明がつかない技術だったのだろう、我々大衆が教えられてきた歴史ベースで考えると永久に分からないと思う。
遺構の一部は展示されており見学できる。
http://www.action-oppama.org/project/dai3kaiho/
日本中、世界中に理解不能な建造物が多々ある。
理解を妨げているのは公式の歴史教育であろう、洗脳されきって自分自身で前提知識を覆すことすらできない軟弱な精神では見て見ぬふりをするのが関の山。
批判力の欠如、思考力の欠如、信念の喪失、無気力、無自覚、無反省、無責任な態度から決別しなければ進歩が無いどころか命を失いかねない世の中なのである。