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思いつくまま
「字がきれいですね」
目の前でマニュアルに沿って退職願をかかされたとき、その担当者みたいな人から言われたんですね。
どういうつもりでそういったのかわかりません。
おそらく、
このどうしょうもない男に退職願を書かせる間の、つまらない時間のためにわざわざ時間をとってやったんだという、
そのつまらない時間を埋めるために、
「字がきれいですね」っていっただけなんだろうなとか、その時は考えもしなかったけれど反射的に、
「いえ、そんなことありません!」と、口走ったのは、一種の防衛本能なのか、ただの「ああ、またそれかよ」への諦観なのか、わかんない。
どっちにしたってそのあと、地階までエレベータで降りる間、この結果の罪悪感にさいなまれて、またしてもと、またしてものと反芻するのはわかってんだから。
真っ暗な階段を、時間をかけて出口まで下りていくよりも、体を動かすことなく降下していく箱の中にひとりでいる。
保安所に預けておいたバックを受け取って立ち去って、歩道橋の上を歩いていった。
『ライティングの哲学~書けない悩みのための執筆論~』を読み進めていて、
チャールズ・ブコウルスキー『書こうとするな、ただ書け』を読み終えて、
今は亡き高野先生のよく口にしていた「悩まなくていい、書きなさいよ」を思い返し、
まさに三暗刻!
もうどうだっていい、思うままに、わがままに、ただ君、じゃねえ、ともかくも書き散らしたらいいじゃないと思って、なんとなくここへ、きれいに書くとか、きれいな字だとか関係なくただただ書き散らしてみようと思って、ひさびさに手が動くままにガサっと書き散らしてみることにした。
推敲なんぞ、知らん。
千葉雅也さんが言っていた通りに、冗長になっても一向にかまわん。
千葉さんと保坂和志とがつながっていたのも、「ああそうか、そうやって兎も角も走らせさえすればいいんだ」と思うともうなんとも思わず、noteにたたきこんでしまったのが、これだ。
押切蓮介先生のYouTubeを聞き流しながら、松尾剛次『持戒の聖者 叡尊・忍性』をちらちら読みつつ、浦野真彦『5手詰ハンドブックⅡ』を10問解いて、鶴見済『人間関係を半分降りる』を読み進める。
将棋ウォーズは知らない間に地元の友達に7度も負けていながら、二段相手に三勝を重ねて、俺は別にあいつに勝つためだけに将棋やってんじゃねえんだ、楽しいからやってんだとか思いつつ、グーグルマップで名古屋の平和園へいつか行ってやると「行ってみたい」チェックを入れながら、
生きています。
回復するまでどれほど時間を要することかな。
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