失敗は積み重ねるものであると言い切れるたった1つの理由
「失敗しないように」「失敗したら困る」
そんな風に考える人が多いです。
それはもちろん、誰だって失敗したくないから当然です。
でも、それを若者にまで伝えてはいけません。
「失敗=ダメ」は平成に置いてこよう
今までの価値観でいえば、失敗とは嫌なもので、人はなるべく失敗を避けて通ったり、確実に成功できる自信がつくまで準備(練習、研究など)したりすることがあります。
そのこと自体は良くも悪くもなく、個人の価値観なのでいいと思います。
ですが、それを他人、それも若者にまで強要してはいけません。
令和の時代は「失敗こそ積み重ねるべき」という価値観に変えなければなりません。
さて、まずはこちらのイラストを見てください。
一般的な認識としては、こんなイメージではないでしょうか。
やらなかった人の方が失敗した人より良い(マシ)なのではないか、と。
これは、大きな間違いです。
確かに、やらなかった人は失敗もしていなければ、それによって傷ついたり落ち込んだりもしていないことでしょう。
でもよく考えてください。
経験の差で言えば、その順番はこんな並びになるのではないでしょうか?
やらなかった人は、失敗しなかった代わりに挑戦することもしていません。
失敗した人は、たしかに上手くいかなかったかもしれませんが、
その代わりにそれをやったらどうなるか、という大きな経験を得ています。
これこそが、今の若者に伝えるべき失敗の価値観です。
幾度もの失敗が世界約8割のシェアへ
1つ例を挙げましょう。
今、世界で最も普及しているのは中国DJI社のドローンです。
これを言うと、ほとんどの大人が「え!?あの中国が?」と驚きます。
DJIは、かつてPhantom1、Phantom2というドローンを販売しました。
Phantom1は2014頃に発売していますが、
これはもう本当にじゃじゃ馬ドローンで、
うまくコントロールできなかったりバッテリーも全然もたなかったり、
ユーザーからはかなり低評価を付けられたドローンでした。
しかし、この2機種での失敗を研究し、出した次期ドローンのPhantom3こそが今のドローンというものを作ったと言っても過言ではないでしょう。
多くの、そして大きな失敗を生かして急激な進化を遂げた実例です。
この強気な姿勢こそがこれからのICT化社会で必要とされるものだと感じます。
失敗と成功のサイクルをより早く速く
挑戦とは、完璧だけを目指すものではないです。
完璧に近づくための途方もない失敗と成功を繰り返す前提が必要です。
たとえば、一度も大会に出たことのないアスリートがオリンピックで勝てるでしょうか?
本人は金メダルを狙って相当ハードな練習を積んだかもしれない。
しかし、まだ一度も挑戦していない選手は果たしてどれだけの経験値を持っているでしょうか。
誰も試してないレシピで美味しい料理が作れるでしょうか。
一度も走行テストをしていない車を運転できるでしょうか。
成功の裏には失敗があり、失敗の数だけ経験は増えるのです。
”敗けて失う”なんて書きますが、得るものもあるということです。
失敗せずに成功するならそれが一番ですが、うまくいかないのが世の常。
大切なのは失敗しないようにする、失敗しないものをつくるではなく、
いかに早く失敗に気づくか、そして次の失敗へ向かえるか。
私はそんな風に考えています。
10代〜20代前半は失敗のボーナスタイム
10代や20代前半は、失敗のボーナスタイムです。
若さを、未熟さを理由に失敗できるからです。
恋愛でもアルバイトでも部活でも勉強でも、すべて若さが、未熟さがかばってくれます。
「初めてだから」「まだ若いから」って、すごいラッキーワードなんですよ。笑
しかしこれが30代40代になるとどうでしょう。
家庭があったり立場があったり、およそ簡単には失敗できなくなります。
そういう状況にあって「失敗してきた経験」がない人は、
更に失敗しやすい状況になりやすいことが想像できるのではないでしょうか。
だからこそ、若い人たちにはどんどんチャレンジしてほしい。
失敗したり成功したり、とにかく経験を積んで、
自分なりに生きやすい社会をつくっていってほしい。
最後に
失敗を恥ずかしいと思う必要はありません。
たとえ転んだって立ち止まってる人よりは前に進んでるんです。
いいじゃないですか。
泣いてもいい、落ち込んでもいい、失敗したからやめてもいい。
ただ、その挑戦自体が無駄だったとは思わないでほしい。
「やってしまった後悔は年々小さくなるが、やらなかった後悔は年々大きくなる」ともいいます。
ぜひ、失敗を恐れずにいきましょう。
これは毎年私が講演で必ず話すテーマなのですが、
今年はその機会がないかもしれないのでこうして文章にまとめてみました。
あなたが一歩踏み出す勇気になりますように。
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