『Secret Memory』
『Secret Memory』 No.003
ある“秘めごと”を胸に抱え、同窓会のため13年ぶりに帰郷した
昔遊んだ広場や学校への道を懐かしむ
もう少しヒールの低い靴を履いてくればよかったと後悔中…
歩き疲れた脚を休めるために、近くの公園でブランコに揺られる
鮮やかなオレンジ色をした電話BOXも今は微かにその面影を残す
高2の時の憧れだったあの人は今どうしているのだろう
円周率より早く覚えたあの人の電話番号
結局一度もかけることは出来なかった
指先だけがその記憶を呼び覚ます …
周りの女子たちがこっちを見ながら唖然としている
その後飛び跳ねながら悲鳴も上がる
巻き髪にガッツリメイク
これだけ見た目が変わると驚くのも無理はない…
叫喚と騒めきが波紋のように広がりだす
皆珍しいものを見るような目の中に、優しく懐かしい視線を感じた
その視線以外、全てを失っていた憧れのあの人
好きだった人の成れの果て
やはりここに来たことを後悔中…
自分のためにも、みんなのためにも来ない方が正解だった
初戀の代償は意外にも大きい …
これが、僕の、秘めごと…
皆さまからのお心遣い、ありがたく頂戴します。 そんなあなたは、今日もひときわ素敵です☆