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ARMY目線:Xの利用規約変更【2024/11/15~】


【追記:2014/11/16】利用規約が実際に変更されたので、状況に合わせて表現を修正し、現在の記述とウォーターマークや学習の違いについて追記

Xのサービス利用規約が変更される

私も含め、ARMYもたくさん住んでいるX(Twitter)。
何だかんだで一番情報が早いため、毎日アクセスしてしまいます。

そのXでは、最近色々変更が行われています。
最近はブロック仕様が変更されました。

  • 旧:ブロックされた相手はそのユーザーの投稿を一切見られない

  • 新:ブロックされても、相手はユーザーの投稿を見られるが、リプライやイイネができない

この仕様変更はイーロン・マスク氏の長年の方針によるもので、彼は「ブロック機能は意味がない」と主張しています。特に、他のアカウントを使えばブロックされても投稿を見られるからだという理由を挙げています。

みんなのSNS「X(旧Twitter)のブロックが仕様変更で意味なくなる!変更点と今後の対策」より

次は11/15からサービス利用規約が変更されました。どのようになったのでしょうか?

主な変更点はこちらを参照

・AI学習に関する明文化
・Xの免責事項および責任の制限
・ユーザーの規約違反に対する損害賠償金の項追加
・紛争解決地の変更

IT Media News「Xの「サービス利用規約」更新での主な変更点」より(要約:音色)

何が変わるの?

AI学習に関する明文化

AI学習に関しては、ある意味変化なし。
投稿がXのAI(Grok)+サードパーティのAIの学習に利用されるという件は、前も類似内容があったものが、改めて明言化されました。
また、Grok以外にも学習型AIはたくさんいますが、Xはこれらの学習を禁じていない、ということに留意してください。

お客様は、このライセンスに、当社が(i) お客様によって提供されたテキストやその他の情報を分析し、その他の方法で本サービスを提供、促進、改善する権利(生成型か他のタイプかを問わず、当社の機械学習や人工知能モデルへの使用やトレーニングなど)、および (ii) 当社のコンテンツ利用規約に従い、サービスにまたはサービスを通じて送信されたコンテンツを他の企業、組 織、または個人が利用できるようにする権利 (サービスの改善、および他のメディアやサービスでのコンテンツのシンジケーション、放送、配信、リポスト、プロモーション、公開など)が含まれることに同意するものとします。

要約すると、「X使用する代わりにコンテンツを学習に使うことに同意」している状態になる

11/15以降もオプトアウト(AI学習遮断機能)は残りました。また、鍵アカウント(非公開)にするのも有効だそうです。

オプトアウトはここ

Grokに投稿を拾われたくない場合
1. Xの設定から「設定とプライバシー>プライバシーと安全>データ共有とカスタマイズ>Grok」と進み、データ共有オプションをオフにします。
2. Grokとの会話履歴(学習対象)を削除するには、1.の項目の下にある「会話履歴を削除」を選択します。
3. アカウントを非公開にするには、「設定とプライバシー>プライバシーと安全>Xアクティビティ>オーディエンス、メディア、タグ付け>Grok」と進み、「ポストを非公開にする」をオンにします。

プライバシーと安全>ヘルプセンター」より要約

1だけやっても、公開されている投稿は他の方法で収集される可能性があるので、絶対ガードしたい人は3も一緒にやった方がいいです。が、そこまでやるとXの楽しみって何……?って感じになるかもしれません。

これはあくまでもXのAI(Grok)の弾き方です。学習AIは他にもいるということを忘れないでね。
以前「robots.txt(検索除けのおまじない)」を無視する検索AIが問題になったように、拒否の意思を無視するAIがいる可能性があるので、上の設定で弾けるのはあくまでもGrokだけ、と思いましょう。

基本、オプトアウトなどは「お約束」であり、行儀の悪い相手には通用しないのです。
ちなみに、お約束とされている記述でそれなので、「AI学習禁止」ってプロフィールとかにテキストで書いても多分読んでないです。

ウォーターマーク(画像に埋め込む意思表示)の場合は、教育係がハネてくれる可能性がなくもないです。この場合、AIは気にせず拾ってくるんだけど、学習させてる側の人が「これは学習の邪魔だな」って排除するのを期待する感じです。

キャラの横とか背景にサイン入れただけだと多分影響ありません。避けられるから。サインごと学習したAIの笑い話とかもあります。
オークションサイトで生写真売ってる人が、上からびっしり薄い文字入れたりしてるでしょ。あれくらいじゃないと、学習の邪魔と判断されてハネられるまで行かないと思います。

ちなみにウォーターマークは、「著作権を主張したい」「AIに学習されたくない」のどっちを意識するかで、効果的なやり方が違います。私が書いてるのは、後者目的の方です。

つまり、いまから作品を削除してももはや“手遅れ”だ。XによってAIの学習に使われたくない場合は、むしろ作品やアカウントは残したまま、前述の方法でオプトアウトするのがよいだろう。ただし、Xを含む SNSの投稿は、X以外の会社によってAIの学習に利用される可能性がある。これを防ぎたい場合は、作品やアカウントの削除もひとつの手段だろう。その場合は、自身が作品を最初に公開した、つまりその作品の権利者であるという強力な証拠を失うことに注意が必要だ。

ろぼいん「X(Twitter)の利用規約が改訂へ 投稿がAIの学習に利用されるって本当?」より

Xの免責事項および責任の制限

「ユーザーや第三者による不快なコンテンツについて責任を負わない」と明言されました。
他のSNSと比較しても、明確にプラットフォーム提供側として責任回避の姿勢を示し、ユーザーの自己責任による利用を強く打ち出したことになります。

1. Facebook/Meta
Metaも同様に、ユーザー生成コンテンツに対する責任を制限していますが、特定のガイドラインやポリシーに基づいてコンテンツを管理し、違反があった場合には削除やアカウント停止などの措置を取ることがあります。

2. YouTube
YouTubeは、コンテンツに対する責任を一部負う姿勢を見せており、著作権侵害やコミュニティガイドライン違反に対して厳しい措置を講じています。ユーザーが報告したコンテンツについては調査し、必要に応じて削除することがあります。

3. TikTok
TikTokもユーザーによるコンテンツに対して一定の監視を行い、不適切なコンテンツについては削除する方針です。ただし、その判断基準は時折不透明であり、ユーザーからの不満も見受けられます。

他のSNSとの比較(対話型検索AI・Perplexityより)

ユーザーの規約違反に対する損害賠償金の項追加

「ユーザーが規約に違反した場合、損害賠償を請求できる」という項が新たに設けられました。
例がスパム(24時間以内に100万件を超えるポストやアクセスなど)くらいしかないので、詳しくは今後の事例待ちでしょうか。

紛争解決地の変更

これはXの本社移転による影響かと思いますが、紛争申立先がカリフォルニアからテキサス州の裁判所になりました。「文句があるならテキサスへいらっしゃい」ということですね。

どうしたらいい?

今のところの反応を見ると、AI学習の対象になっても気にならない人と、そうでない人で分かれそうな感じですね。

あまり気にならない人たち

ぶっちゃけて言うと、AI学習に関しては前からの条件が明文化されただけで新規追加案件はないため、普段Xで投票やリポスト・リプライ、お喋りを楽しんでる人の場合は、あまり変化がないかもしれません。
(むしろブロックの仕様変更の方が問題かもしれませんね)

私はAIの学習に対してはわりと楽観的なので、自分の文章に関しては気にしていません。
「たくさん学んで、早く賢くなりますように」と思っています。学習足りないAIが出すものって、かなり気味が悪いですからね。

ただ新しいXの利用規約は、ファンダムが日常的にアイドルの映像や画像を共有する楽しみ方や、会社が新しい動画やティーザーの拡散を推奨し、X含むSNSでのプロモーションの一助とする従来の戦略とは、若干食い違うようにも感じられます。
ここは正直ファンダム側がどうこう言う前に、会社の判断待ちかなと思っています。

ちょっと気になる人たち

AI学習に関する反応は、自身の著作権を意識するクリエイターかそうでないかで大きく変わると思います。

ファンアートを載せていて、それをAI学習に使われたくないと思う人は、鍵アカにするという手もあります。過去の絵はもう拾われてる可能性がありますが……。
ものすごく気になる人は、基本ネットに載せない方がいいです。X以外でも基本学習AIはたくさんいます。
でももったいないのでどこか折り合いつけられる部分が見つかるといいですね。

あと会社の機密とかAIに学習されたら機密漏洩になっちゃう、という意見もありましたが、そんなもんAIに拾われるとこに上げてる時点で機密漏洩まったなしなので早く消してください( ゚Д゚)

今後の展開

ブロック仕様の変更や免責事項を見るに、イーロン・マスクの思想は基本「喧嘩は大きい方が人を呼ぶ」だと思われ、Xの民度低下が懸念されます。
自治に期待されていると言えば言えますが( ;∀;)

無理!と思った方は、他のSNSへの移住という手もあります。でもその時は、利用規約をよく読んでくださいね。AIをハネてるとこは稀です。
また、法的整備よりAIの普及の方が早いので、状況は常に変わり得る、ということも心に留めておくといいと思います。平たく言うと、今のご時世AIから逃げるのは至難の業、ということです。

AIとうまいこと共存しつつ、荒れ狂うSNSを乗りこなしていけるといいですね。ヨロブン、ファイティン!

おまけ

バンタン要素が足りなさすぎるので、エゴサかわいいグクを置いとかせてください。いえけしてマンネでごまかそうとかでは!(*ノωノ)

追記:AI学習って何なの?

「AI学習=パクリ」ではありません。
AIは学習に大量の情報を必要とし、その中から一般的なパターンを抽出し、新しい出力を生成します。

例えば絵の場合、AIは人体の構造を理解して描くというより、多様なパターンの絵を学習し、そこから新しい絵を作り出します。
そのため、よく指が6本あったりヘソが2個あったりします。皆がよく描く胸は学習が進んでてプリプリしてるのに、あまり描かれない足首はどう見ても骨折れてるとか、よくあります。「AI 指の数」で検索してみると面白いですよ。

テキストについても同様で、大量の文章から自然な言葉遣い、流行、ニュース、ミームなどを学習し、より自然なAIアシスタントとして進化していきます。
この文章もどこかで学習されてる可能性がありますね。賢くおなり。

Grokはどのようにデータを使用しますか?
(前略)これにより、次のことが可能になります。
・Grokが人間の言語およびコミュニケーションを理解する能力を強化します。
・Grokが正確で関連性のある、魅力的な回答を提供する能力を向上させます。
・Grokのユーモアのセンスと機知を養い、コミュニケーションをより楽しいものにします。
・Grokが政治的に偏りがなく、バランスの取れた回答を提供できるようにします。

プライバシーと安全>ヘルプセンター」より抜粋

こういった学習は主に大規模な汎用型AIで行われ、スクレイピング(Webから特定の情報だけを収集する技術)などで大量のデータを取得し、AIの処理能力を生かしてガンガン食べさせて育てます。
Xが、投稿データをGrokの学習に使用すると明言しているのは、これのことです。

一方、特定の作品や画風を意図的にパク……模倣するのは、より特化型のAI技術です。
「LoRA」などが有名で、少量の画像データ(数枚〜25枚程度)でも特定の特徴を学習できます。これにより、推しの子供時代や女体化版、ファンタジー画像なども作成可能です。

こういったAI技術の場合、使用者が望む結果を得るため、意図的に偏ったデータを与えます。要するに「誰かが意図的に狙い撃ち」してる状態ですので、今回のXによる全体からデータを吸収するタイプの「AI学習」とはジャンルが異なります。
AIを弾く方法では、このタイプの学習を避けることはできません。

AIの学習には、様々な規模があり、学習結果も様々な形で出力されます。そのため、一概に「AI学習=パクリ」とはならないのです。

AIは法律・倫理・権利などの問題も沢山孕んでいますが、上手く付き合えば便利なツールです。注意は必要ですが、警戒しすぎる必要はありません。
また、AIを便利なツールにできるかどうかは、私達次第でもあります。最低限の知識を持ち、楽しく共存していきましょう。


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音色
コーヒー一杯奢ってください( *´艸`)