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【第5話】『BTS Monuments: Beyond The Star』


【追記:2024/9/24】すみません、ジン君の年齢に関する記述を間違えていたので、修正しました。大事なところを……!

新しい章の始まり

観客のいないステージ、歓声のないパフォーマンス。
それが日常になりつつあった2020年に輝いたのが、『Dynamite』の爆発的ヒットでした。

続く2021年も『Butter』『Permission To Dance』も数々の記録を打ち立て、BTSは世界的な人気と影響力を更に高めます。
特に、アメリカのポップ市場での存在感を大きく示した時期だったように思われます。

国連総会でのスピーチとパフォーマンスなど、音楽以外の分野でも国際的な活躍を見せていたバンタン。
しかし、彼らが一番求めていたARMYとのステージにはなかなかたどり着けず、ようやく実現したのは、2021年も終わりに差し掛かる頃でした。

2023年、デビュー10周年を迎えた21世紀のポップ・アイコンであるBTSが、これまで の軌跡を振り返る。前人未踏の地に至るまでに経験した、数えきれぬほどの苦悩と挑戦。 そして、初めて明かされる7人の日常と本音。生きることの意味、人生の目標を見つけるべく走り続ける7人の物語。BTSの10年。そして、その先のストーリー。

「Disney+」の番組説明より

感想:第5話「ウエルカム!」(2021)

念願だったARMYとの再会を遂げたBTS。メンバーには新しい道が見え始めていた。

「Disney+」の番組説明より

いきなりカッコよすぎる『Butter』の練習シーンから開始!

『Dynamite』『Butter』『Permission To Dance』の世界的ヒットを経て、ついに2年ぶりの有人対面式コンサート「PTD on Stage」へ挑むことになったBTS。
飛行機でロサンゼルスへ移動するメンバーの姿に、公演を発表するアナウンスが被さります。体力を心配しているナムさん。ファイト!

「PERMISSION TO DANCE ON STAGE」は4種類、計12公演
(2021/10/24はオンラインコンサート)

ホテルの一室で、『Permission To Dance』の振付け練習してるバンタン。これ、2021AMAの時の映像ですね。
水のペットボトルをマイク代わりにしてます。何となく、コンサート中にグクがこの2つを持ち間違えることがある理由を悟った気がするw

「[EPISODE] BTS (방탄소년단) @ 2021 American Music Awards」より

この部屋には見覚えがあります。ジン君がソンドゥク先生と『Super Tuna』の練習してた部屋ですね!
そうか、この時なのか~(周回遅れの感動)

わらわらたかってきて振付を覗き込む、興味津々な弟たちw

またいつ公演ができるかわからないと思ったので、あの4日間ですべて出し切ろうと必死でした。

ホビの言葉

2021/11/24、ロサンゼルスのスタジオで、ダンサーさんを入れて練習中のバンタン。SUGAが熱く意見を出しています。
今回はコンサートの練習に専念でき、パフォーマンスについて意見も出せ、準備のための時間を取れた、と語るジン君。

コロナ禍で良かったとかいう話じゃないんですが、こういう環境だったからできたことというのはあったと思います。
例えば、英語三大曲は振付けも衣装も演出もめちゃめちゃバリエーションがあって、新規ホイホイになってるんですけど、それがやれたのはコロナで時間に余裕があったからですしね。

体力作りのため、リハーサルの後も運動してるメンバー達。
今回のセットリストは最初から最後までグループ曲なので、ソロ/ユニット曲の間に他の人が休憩するといったことができない上、スタジアムサイズなのでステージ自体が広く、移動は常にダッシュです。キツそう( ;∀;)
「でもこれなら間違いなく観客の皆さんは喜んでくれる」と、久しぶりの再会を特別なものにしたいという意気込みを語るナムさん。

メインのセトリ見て、思わず「これはすごい」って唸りました。
ソロ曲やユニット曲がなく、ずっと全員が舞台にいる構成です。久しぶりに会うARMYへの気合が感じられますね!

「【2022】PTD on Stage LA」より

2021/11/27、いよいよラスベガスでの初日!
私もう本編観たんですけど、まだグクのハレンチカットシャツに動揺します。イゲマジャの入浴シーンより見てはいけないものを見てしまった感が強い(*ノωノ)

何を選ぶかが重要でした。スケール重視か、それとも7人全員で舞台に立ち続けるのか。
2年間待ち続けてくれた分、7人揃った僕たちに集中してもらいたくて、最初から最後まで全員でいようと決めました。

SUGAの言葉

この時点ではまだ先の見通しが立っていなかったため、韓国に帰ってからまた自粛になり心残りになるよりは、体力は二の次でとにかく駆け抜けよう、と決意したバンタン。
スタンバイする彼らをダンサーさん達が拍手で迎えていて、胸が熱くなります。

文字通りの大観衆に迎えられ、公演がスタート!
LA公演の動員数は214,000人。1回の公演当たり53,500人が7人の一挙手一投足に注目していたことになります。

最高の瞬間を味わった喜びを、口々に語るバンタン。
ジン君の「家に帰って来た気分」という感想が印象的です。ナムさんとファレルの対談を思い出しました。

今回のコンサートは、僕たち7人にとって、本当に大切でものすごく重要な時間でした。僕たちにとっては1つの章を締めくくるような、そんな公演かと。
ARMYの皆さんの記憶に残る公演であってほしいです。

テテの言葉

コロナ禍だからこそ念入りに準備をする時間を取れたけれど、その公演を行える場所がない、行けるならどこへでも行きたい、とナムさんやSUGAが嘆いています。
コロナ禍における人の集合規制については国によっても対応が違い、本国でもまだ見通しが立っていなかったため、これきりで終わる可能性もあったんですね。
結局、韓国で公演できたのは春(2022/3/10~13)になってからでした。

「僕たちも皆さんに会いに行きたいので、そんな日が来るまでお互いに頑張りましょう」とつぶやくグク。
この頃、バンタンにとって見通しが立たないものが、コロナ禍における公演の可能性の他にもう一つ。
ジン君の入隊時期があったと思います。

1992/12/4生まれのジン君は、通称BTS法(兵役法改正案)に基づき、文化体育観光部長官の入隊延期推薦を受けて2022年の年末まで入隊が延期されていたものの、もう残り期間は短く、世間的な圧力もかなり高まっていたと思われます。

BTS兵役は国民的関心事だったので、官民を巻き込んでの大騒ぎでした。
結局法改正議論は進まず、政権交代(2020/5/10に尹大統領就任)による政治環境の変化を受けて、BTS側が決断を下し、長期にわたる不確実な状況に終止符を打ったように見えます。

先の見通しが立たない状況に、会社側もさすがに苦情を漏らしたり陳情したりしていますが、政権交代の影響もあって結論は保留され続けます。正直、迷惑でしかないですね。おっと。
結局、時間切れを前に、BTS側が決断する形でジン君の入隊が決定。

「【RPWP/MMM】BTSリーダー・RMのストレスと消しゴム【ミニモニ】」より

本来の予定だと「『ON』リリース→ワールドツアー→兵役」だったらしいので、コロナ禍で停滞した流れが「PTD on Stage」で元に戻った以上、次に来るのは兵役です。
メンバーの話を聞いていても、この段階ではまだ時期は不透明ながら、近々行くという意思自体は共有されていたような印象を受けました。

本来は暖かい時期に入隊したかったけれど、釜山コンで最後に7人のステージ姿を残すことを選び、冬に旅立ったジン君。できるだけ不完全体の時期を短くするため、数多くのコンテンツを準備し、後に続いた弟たち。
今だからこそ見える状況を踏まえて聞くと、バンタンのコメントの重みが増します。

2022/04/16:「PTD on Stage」FINAL
2022/10/15:釜山コン
2022/10/17:事務所が入隊を発表
2022/10/28:『The Astronaut』リリース
2022/12/13:入隊

ジン君スケジュール
「RJに嫉妬」が世界トレンドを席巻したという(ウソ)

ってしんみりしてたら、画面にこのジン君が映り込んでるんですわ。「早く取らないと頭に血が回らないよ」って騒いでる長男、愛してるwww

初日の公演を終え、ナムさんがテテに肩抱かれながら「やり遂げたよ」って安堵のため息をついてます。お疲れ様!
ジェームズ・コーデンが「自慢の息子たちよ!」ってねぎらいに駆けつけてくれてますね。「Oh Baby!」ってジミンちゃんに手を差し伸べるパパモチ、愛せるw

帰宅する車内で、ジミンちゃんが「次のコンサートはいつかな」とホビに訊いています。
「最悪のシナリオは3年後かな(JM)」「それは本当に最悪だ(JH)」という会話に、兵役スケジュールが互いの頭にあり、わりと近い時期で想定されていることがわかります。

この2年間、何度も辞めたいと思いました。でも僕たちの居場所はステージなんだと再認識しました。
他の場所でも公演ができればいいのに。きっとまたこんな瞬間が訪れますよね。

ナムさんの言葉

2021/11/29、ジン君は遊園地へお出かけ。
『BREAK THE SILENCE』に映ってたとこと一緒なら、2回目ですね。スタッフさんとお揃いのマントをつけて、ご満悦。
「大したことなさそう」って言いながら絶叫系に乗りに行ってたけど、めっちゃシルバーボイスの悲鳴が聞こえたわwww

ジン君は、スタッフさんとテーマパーク(「シックス・フラッグス」だそうです)へお出かけ。

「【LY/SYツアー】映画『BREAK THE SILENCE』」より

今日は自由時間らしく、ホビはかわいい格好で写真を撮りに行ってます。テラス席でウィスキーを頼んで、ご機嫌。

普段は気恥ずかしくて写真を取らないと言うSUGAも、誰かに「もったいない」って説得されたらしく、撮影してみてます。
その後バーでグラスを傾けてますが、何となく「帰って作業したいな」感が漂っているように見えました。趣味が少なそうで、パラメータを音楽に全振りしてる感が好き。

マンネラインは海へ行ったようです。夕暮れの砂浜で遊んで、ご飯食べに行ってます。ロブスター美味しそう。あ、これ、グクがテテに食べさせてあげてるカットどこかで見たことあるやつだ。
ジン君は、皿一杯の激甘アイスクリームが夕飯ぽいw

2021/11/19、大賞候補になったため、アメリカン・ミュージック・アワードから、入場証が届いています。
『Butter』MVのマグショット(名前の札持ってるカット)が顔写真代わりに使われてて、お洒落!

授賞式は2021/11/21。
BTSは最優秀アーティスト賞(Artist Of The Year)、好きなポップデュオ/グループ賞(Favorite Pop Duo or Group)、好きなポップソング賞(『Butter』)を獲得し、3冠に輝いています。おめでとう!!
グクの「FOCUS ON…」が思いっきりフォーカスされてて笑いましたw

このBTSのAMA受賞は、存在していたもののまだ目を向けられていなかった「K-POP」という巨大な市場がアメリカの受賞シーンに現れた瞬間だったのではないか、という話を『BEYOND THE STORY』の作者であるカン・ミョンソクさんがされており、大変興味深かったです。

この2年は、僕たち自身を見つめ直す時間でした。
一度立ち止まる時間があったからこそ、『Dynamite』『Butter』『Permission To Dance』を出せた。こういった曲のおかげで、韓国だけでなく海外の方にも僕たちを知ってもらえました。
有名な曲が増えたので、もっとコンサートを楽しんでもらえると思います。

ジン君の言葉

あくまで公演中心な目線に、さすがステージの鬼・バンタンの長男やでぇ……!と感心しました( *´艸`)
インタビューは、ちょっとした言葉運びにその人の優先順位が見えるのが面白いですね。

AMAで大賞を受賞できるなんて、夢にも思いませんでした。また1つ新しいことを成し遂げた。
アメリカの授賞式で大賞を頂いたのは、今後もっとたくさんの扉が開く前触れだと思います。これからも真っすぐ進み続ければ、新しい扉を開けるんじゃないか。そんな気がしています。
これをきっかけに、新しい歴史を切り拓きたい。

グクの言葉

このシンプルな予言が当たったことを、私たちはもう知っています。
言葉通り、ソロ活動で「Seven」をリリースし、世界のポップシーンに新たな歴史を刻んだグク。兵役中で本人不在にも関わらず各種チャートを制覇していく、メンバーの置き土産たち。
軍白期を感じさせないBTSの強さは、ARMYとの絆故であるように思います。

兵役中で活動が制限されているにもかかわらず、彼らはアルバムを次々リリースし、オンラインプラットフォームを通じてアクセスを維持し続けています。ARMYはそれに応えてスミン・ミュス・投票などで援護し、彼らの曲を世界に響かせます。プロモもカムバもできないバンタンメンバーがチャートを席巻していく様は、圧巻としか言いようがありません。
それは、これまでコロナ期やソロ活動期を含む様々なシーズンを、ARMYと共に乗り越えてきたBTSだからこそ、見いだせた戦い方なのかもしれません。

「【MUSE/MMM】BTSが歌わない感情【ミニモニ】」より

2021/09/14、青瓦台(청와대 / チョンワデ)。
2022年5月まで韓国大統領府が置かれていた場所です。あ、外交パスポートもらって国連へ行った時ですね。今回、時系列が若干謎です。

国連総会の会場で『Permission To Dance』を披露するため、撮影とモニタリングを繰り返すバンタン(スピーチと映像披露は2021/9/20)。
ちなみにこの練習シーン、ドキュメンタリーと公式動画とでは字幕で取り上げてるセリフが違うので、見比べてみると印象変わるかもです。

全員が納得するまで繰り返す様子に、いいものを作り上げたいという拘りを感じる

2018年のユニセフスピーチに続き、二度目の国連訪問。
BTSはK-POPアイドルからグローバルスターへ、そして歌以外でも国際的な影響力を及ぼすアーティストへと変化していきます。

V「自分とは違う世界に住む人だと、思ってほしくないです。僕たちBTSが、ポジティブな影響力を持つアーティストとして記憶に残るにはどうするべきか、ずっと考え続けています」
JK「"大賞ももらったし、これで満足です"じゃ絶対にダメですよね。むしろ、だからこそ新たな目標が生まれる。それが何かはまだ分からないですけど」

テテとグクの言葉

私は本人たちがいない状態でBTS沼に入ったので、初期はひたすらお勧めで出てくるまとめ動画を見まくってました。このドキュメンタリーを見ていると、自分が時系列無視で得てきた情報が整理されて、とても面白いです。

このグクテテの言葉からは、二人が「BTS」というアイデンティティを確立し、グループの対等な一員として自分の足で立っている姿が窺えます。
無邪気で子供っぽく、難しいことはヒョンラインに助けてもらっていたように見えていた年下組が、立場に伴う責任を自ら考えるようになっていることが、非常に印象的でした。

もう全員20代なので当然と言えば当然なのですが、普段はヒョンラインの成熟ぶりに目を奪われがちなので、こういう機会にメンバーの精神的成長を改めて目の当たりにすると、感慨深いものがありますね。

少しマンネリズムを感じている、というSUGAの述懐も興味深かったです。
「新しい挑戦をしたい。そこで次の章が始まり、僕はまた新たな努力をする」という言葉は、D-DAYツアーに繋がっているのでしょうか。

同世代に向けて発信した第1章。
そしてグローバルな成功を収め、世界中の人々に癒しとエールを送った第2章。そして今、新しい章が幕を開けようとしています。
僕達にも、ファンの皆さんにも、心の準備が必要だと思います。次の章に向けて、新しいことを準備しないと。

ホビの言葉

かなり変わると思います。それぞれが気持ちを整理して、今後何をしていきたいのかよく考えないといけません。チームの方向性について話し合うべき時期でもあり、ここで一区切りかと。
公演ができるようになった今だからこそ、色んなことを見直し違う視点で考えるべきです。きっとファンの皆さんも、新しい章の始まりを感じるはず。

ジミンちゃんの言葉

自分達にも、ファンにも、変化への備えを予告するような、ホビとジミンちゃんの言葉で、今回のドキュメンタリーは終わります。

このまま行けば次は2022年、入隊前最後のアルバム「Proof」がリリースされた後、涙の防弾会食が公開され、釜山コンを経てついにジン君が入隊した年です。どうなるんだろう……!


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コーヒー一杯奢ってください( *´艸`)