【練習生】BTSと契約更新【専属契約】
契約更新が気になるお年頃
以前別の記事で書いていた、ハーバードBSから出たBTS論文なのですが、読んでいたら2018年の契約更新についても触れられていました。
アーティストと事務所との契約更新っていう概念は、バンタン沼来て初めて出会ったのですが、記事検索してもわりと「契約する / しない」の話が多くて、どういうふうに何を話し合って契約したのかみたいなのがなかったため、流していました。
しかしこの論文には、見たことなかった記述があったんですよね。ほほう。
というわけで、契約更新に興味を持ちました。色々検索してみたので、共有させてください。
K-POPの契約
よくある流れ
練習生としての契約
K-POPには、「練習生」制度があります。
有望な新人を発掘したら、数年間訓練を行い、その中からソロもしくはグループでデビューさせる、というものです。
練習生になる時に、一度契約を結びます。
規約に違反した場合は教育等にかかった費用を負担する、といった条項があるようです。
練習生期間の研修費用は、通常事務所が全額負担します。
ちなみにHYBEの場合これを投資として計上しているため、毎期毎にどれくらいの費用がかかっているかがわかります。
(2017年に、研修生に対し投資額の2〜3倍の契約解除違約金を課した会社が問題になりましたが、当時のBig Hitは監査対象になっていません)
要するに、京都の舞妓さんみたいに、育成にかかる費用は事務所が負担し、デビュー後返していく出世払いシステムなんですね。
バンタンも借金返済後、初めてお給料をもらったのは2015年だったという話を読んだことがあります。
アーティスト契約(専属契約)
次にいよいよデビューする時、アーティスト契約を結びます。
これがいわゆる「専属契約」で、契約後7年を越えたら歌手の方から打ち切りの意向を持ち出せるというものです。FA宣言状態になるわけですね。
7年固定というわけじゃないんですが、慣習的に7年が多いようです。
損益分岐点(要は元が取れるタイミング)とか、デビュー年齢と兵役開始年齢との兼ね合いで、その辺に落ち着いたらしいです。
実際は、7年持たずに解散しちゃうグループも多いとか。
ただし、韓国ガールズグループ「FIFTY FIFTY」問題によってこの条項は改められ、デビュー後最初の契約は基本7年まで、になりました。
(2024/6/3、文化体育観光部が改正案の告示を明らかにした)
この法律により、韓国のアーティストはデビュー後7年目あたりで契約を見直す権利を持つため、より良い待遇やキャリアを求めて移籍する者も出ます。
特にグループの場合は、メンバー全員の合意が得られるかがネックになって解散などの転機を迎えやすく(ボーイズグループの場合は兵役開始時期も重なります)、「魔の7年」といった呼ばれ方をします。
2013:最初の契約
デビューした=契約した、なので特に契約に関する記事は見当たらず。慣習として7年で契約したのではないか、と言われています。
2018:最初の更新
2013年に契約した場合、2020年が見直し時期かと思っていましたが、早めに再契約したんですね。
わりと前倒しだと思うのですが、これはBTSからの事務所への信頼(今後も一緒にやりたいという姿勢)の表れではないか、という意見を読みました。
個人的には、他にも「兵役前に状況を安定させたい」というBTSと事務所の希望が合致したんじゃないかと思っています。
2018年だとジン君が26歳になる年で、韓国人としてはそろそろ兵役について決めたい頃だと思われますし、事務所はバンタンをデビューさせてから6年くらい彼らに専念しているため、2018年当時だとまだ後輩組がデビューしていません。
練習生のトゥバに投資しているタイミングだったと思われるため、経営面を安定させるには、彼らが必要だったと予想されます。
K-POP界の場合、わりとアーティストを量産していくスタイルのように見えているので、6年BTS一本でやってたBig Hitは珍しいなと思いました。
前置きが長くなりましたが、冒頭で書いたようにハーバードBSから出たBTS論文に、2018年の契約更新に関する記述がありました。
原文転載はできないので、かいつまんで言うと、以下のようになります。
会社とBTSは、次の7年もこの成功を続けられるだろうか、と話し合った。
BTSは「7年間一緒に頑張る覚悟がある」「これまでの成功に対する正当な評価を契約に反映してほしい」と求めた。
会社は専門家への相談を勧めたが、BTSは弁護士や代理人を同席させることなく直接会社側と話し合いを行い、契約時も同様だった。
交渉では、金銭的な話題よりも「ファンや顧客に何を提供する必要があるか」という点に焦点が当てられた。
ちなみに、2018年のバンタンは既に「Love Yourself」でビルボードチャート1位を取得し、ワールドツアーを行うなど、トップスターとしての揺るぎない地位を築いています。
弁護士の同席なしについては、韓国では信頼している人との取引は法律顧問を入れず直接行う、という話も論文内にありました。
この一連の流れからは、BTSと会社側がオープンで直接的なコミュニケーションを行い、信頼の上で契約更新を行ったことが窺えます。
また、メンバーが自分たちの価値を認識し、それを契約に反映させることを求めつつも、ファンや顧客へ提供できるものについて重視し、会社と積極的に話し合っていたことが分かります。
ちなみに、HYBEは2020/10/15に上場していますが、この数週間前にメンバーそれぞれに株を付与しています。
これも、「これまでの成功に対する正当な評価」に対する回答なのかなと思いました。
2023:二度目の更新
今回も前倒しでの契約更新ですね。2018年より更に企業規模が巨大化し、また上場もしているため株式市場も注目していたので、記事が豊富でした。
もう兵役入隊が始まっているので、2025年の完全体復活を確実にできるか、ソロ活動の延長線上で分裂するのではないか、という点でハラハラ見守っていたARMYも多かった様子。
ナムさんが、契約書をインスタでチラ見せしてくれています。さすが、ファンダムの気持ちを知り尽くしているw
2025には一緒に会えるよって感じでしょうか💜
この契約更新により、2025の完全体復活が確実となりました。
また期間が確保されたことで、例えば「花様年華」アルバムの10周年記念プロジェクトや、大規模ワールドツアー(LY/SYツアーは合計すると1年以上やっていた)も現実的になったと思われます。楽しみですね!
パンPD直接のコメントは、ユ・クイズの動画がありましたので、下をご参照ください。
感想
以前ナムさんが、友達に
「また同じ事務所と契約して、しかもまた長期だなんて、バカじゃないか」
と言われたというような発言をしており、一般的な感覚はそういうものなんだろうかと、興味深く思っていました。
自分は他の例をあまり知らないのですが、同じ事務所とずっと契約してる人がいないわけではないようなので(イ・ヒョンさんもずっとBig Hitに残ってるし)、要するに
「売れてるんだから選び放題だろ? 何を好き好んで縛られるんだ」
っていうことじゃないかと理解しています。
縛られるっていうより、他に合う箱がなさそうじゃないかと思っているのですが、どうなんでしょうね。
もし移籍するなら規模的に海外レーベルかなあと思いますが、バンタンは兵役にも行きましたし、韓国を愛してるので、国は出なさそうな気がしています。
彼らの経済規模は韓国GDPに影響するサイズなので、もしそんな話になったら、韓国政府が絶対に口を出すでしょうしね。
それに、世界的スターを支えるには長年の経験と蓄積を持つスタッフチームが不可欠です。
バンタンの周囲にはバンタン専用ノウハウを持つスタッフが結集していると思われるため、他でこれ以上の待遇を探すとなると、なかなか難しいんじゃないでしょうか。
演出家さんのツアー裏話を読んでも、バンタンはLYツアーくらいからもう「韓国初」「世界初」領域に行ってしまい、韓国では相談相手がいなくなって他国の技術チームに教えを乞うたりと、前例のない世界で国境を越えて協力先を探しています。そういうスタッフと作り上げているのが、チーム「BTS」なんだと思います。
別の事務所へ行けば、ARMYもARMYじゃなくなりますしね。
個人情報保護法があるからFCデータは移管できませんし、ファンネームの問題だけでなく、このあまりに巨大で口やかましい(えっ)ファンダムと付き合えるのは、長年の蓄積を持ちK-POP耐性を獲得しているHYBEくらいじゃないか……と、私はひそかに思っています。
天下のGoogleドライブをクラッシュさせる物量なのよ? 自重してw
バンタンがソロ活動も同じ事務所でやってる理由には、ARMYはARMYだから、というのがあるんじゃないかって、私は勝手に想像してます。
スタッフさんのこともARMYのことも、自分たちの立ち位置や特殊性についても、一番理解しているのはバンタンだと思います。私達ARMYは彼ら7人の選択を信じて、応援していきましょう!
次の契約がどうなるか、今からドキドキです( *´艸`)