【第7話】『BTS Monuments: Beyond The Star』
【追記:2024/10/8】美術界に熱愛されるBTS(主にナムさん)が面白くて、国立中央博物館のフォロー画面を追加
"個"と向き合うバンタン
デビュー当初から時系列順にBTSを追ってきたこのドキュメンタリーも、ついに2022年ラスベガスでの「PTD On Stage」まで辿り着きました。
このステージの後、2022 FESTAの防弾会食でバンタンが「7人での活動を一時休止し、個人活動を本格化する」ということを発表するのですが、そのシーンは入っていませんでした。
今回、メンバーのプライベートシーンが長くて、「個人の世界」にスポット当ててきてる感があります。
途中ナムさんによる影響力の活用(と冷蔵庫の中身)を考えたり、ジミンちゃんの衝撃告白に悲鳴を上げたりしていたので、めっちゃ長くなってしまいました( ;∀;)
すみません、よろしければお付き合いください。
感想:第7話「紫のままで」(2022)
コンサートの後、打ち上がる大きな花火を見上げながら涙を流しているジミンちゃんの姿からスタート。これSYツアーinLAのローズボウル公演(2019/5/4~5)の映像ですね……。
思い出深い公演について語るバンタン。
アメリカでの初スタジアム公演(ローズボウル)の思い出を語るホビ。雨でネジが外れてたシカゴ公演や、300台のドローンが演出に本格採用されたSYツアーFINAL公演を選んだグク。
ジン君は共に盛り上がれる『IDOL』、ジミンちゃんは一枚の写真のように心に焼き付いているステージからの光景を選んでいます。
ナムさんは初めてのオリンピック体操競技場(花様年華ツアー)での自分の姿。「成功」のシンボルでもあり、あそこに立つまでは引退できない、と話していた思い出のステージ。夢を叶えた、忘れえぬ日。
2022/4/5、ラスベガス・ベラージオの噴水にいるバンタン。「PTD On Stage-LAS VEGAS」公演の時ですね!
水がダイナミックに吹き上がり、どんどん形を変化させていってます。撮影当時は街がBTS仕様になっていたので、噴水ショーにもBTSの曲が使用されていた模様。
わりと水がかかるっぽくて、ベージュのスーツが茶色になっちゃう、って逃げるテテがかわいい( *´艸`)
2022/4/6、ラスベガスのダンススタジオ「MILLENNUM」で『DNA』を踊ってるバンタン。周りにたくさん人がいるんですが、現地ダンサーさんでしょうか。
踊り終え、モニターの前に座ってジャケットの肩をはだけるホビが死ぬほどカッコいいです。ちょ、ホビペンさん、ホビペンさーん!!
メンバーのいい姿を見ると反射的に担当ペンさんをお呼びしたくなる癖があるのですが(業務連絡?)、バンタン7人いるんで大変忙しいです。
ジン君は手を怪我していた時で、振付けのソンドゥク先生とパフォーマンス中の位置を相談しています。
私1st日本ツアーでバックダンサーしてたソンドゥク先生大好きなんですけど、こうして長年一緒にツアー回ってる様子を見ると、この人も「BTS」の一部なんだなあと感じられて、胸が熱くなります。
2022/4/5、アレンジアント・スタジアム。グクがボクシングしててすっごいカッコいいです。いい音!
でもおでこの上で縛った前髪が、パンチと共に揺れてて超面白い。情緒が安定しないからやめてwww
楽屋でパフォーマンスの打ち合わせをしているバンタン。
「今日は皆テンションが高かったよね」って言ってて衣装も来てるので、リハーサルを終えての振り返りかな?
ポイントを説明していくホビ、それに合わせ体を動かして覚えるジミンちゃん、マイペースに筋トレを続けるリーダーw
ジン君のギプスは、皆にサインされたっぽくて、何か書かれてるのが見えます。ユンギも肩にサポーターつけてて、SINのツーショットは満身創痍感。
いよいよステージ! 移動する彼らの姿が隙間から見えたらしくて、大歓声が沸き起こってます。
ちなみに、当時ラスベガスはBTSを歓迎し、街中がコラボモードになっていたらしいです。こちらの現地潜入ルポが面白かったので、是非どうぞ💜
『DOPE』『Black Swan』を少し映してくれてて眼福です。
ボディチェーングク、ウェスト見えすぎにもほどがありますね。3か月で身長15㎝伸びたとかでない限り、明らかに前回より丈が短い。どんどん切り詰められていく短ランみたいになってます(この例え伝わるのか)。
衣装が黒だから、肌色面積がものすごく目立ちます……!(*ノωノ)ハレンチ
ちなみに、「PTD On Stage」は公演が4種類あるんですが、出だしの衣装が白一色なのが2021年冬、紅白なのが2022年春、で見分ける目安にしています。
ラスベガスバージョン(「PTD On Stage in US」)めっちゃ見たいんですけど、今のところ配信見かけたことがないんですよね。買うか……。
あっ、SUGAがさりげなく「本来予定されてたスケジュール」について話してますね。これはいいキーワード!
BTS研究者としては逃せない情報です。見てよかった。っていつの間に研究者になったんだ私よ。
ナムさんが、自分は『ON』の歌詞のような人生を送れているのか、って考えたという話が興味深かったです。彼はいつも、こちらが予想しない方向に思考を走らせてますね。
そこには、「歌詞は創作だ」と割り切るのではなく、「歌詞は今の自分達を映したものでなければならない」と捉えている姿が浮かび上がります。
車で帰宅するジミンちゃん。ご機嫌で誰かと電話してます。
家に着き、背伸びして何か取ってる素足がやたらよちよちしていて、刺さりました。予想ですが見た感じ、私より足の指短いです。ちょ、この子手だけじゃなくて足も小さいの?( ゚Д゚)キヨウォ!! ←26.5㎝だそうです
あ、かわいい足でドア閉めましたねw
お父さんが作ってくれるおでんスープの話をしながら、誰かと一緒に食べる準備をしてます。ウキウキした家主の様子が、コロナの時は薄暗くだだっ広いように感じられた部屋を、賑やかに見せています。
デリバリーで届いたチキンを一足先に食べながら、焼酎で晩酌開始。
そこへやって来たのはグク。この並びでの食事姿は、イゲマジャを思い出しますね!
カッコよく焼酎開けてよ、って仕草で促すマンネを、「やらないよ」「大人の世界へ来い」ってあしらうジミンちゃん。ヒョンモード発動中( *´艸`)
「最近1時には寝るんだ。年を取った」ってジミンちゃんが言ってますけど、いや1時は早くないからね? 常時夜更かし大王の私が言うのもなんだけど、そのセリフは9時くらいに寝てからおっしゃってwww
グクが「ユンギヒョンみたいにお説教はしないでおく」と冗談を言って笑い、ヒョンの立ち位置よwって思った次の瞬間SUGAのカットに繋ぐ編集、愛せます。
鼻歌歌いながらチキン食べてるSUGAの次は、テテのおうち訪問。
ファンアートや自身の作品を含めた絵画類や、セサミストリートのぬいぐるみ、オブジェ類が飾られていて楽しい。
ジミンちゃんちもそうだったけど、めっちゃ広いですね。ソファも大きくて、バンタン全員が座ることを想定して選ばれてるサイズに見えます。
テテが家でゲームやってるシーンが一瞬映ってましたが、PS5の「Ghost of Tsushima」じゃないかと思われます。時期と機種的に、ディレクターズカット版。元寇をテーマにした日本・長崎の対馬が舞台のアクションゲームで、名作です。いいの選ぶなあ( *´艸`)
「オフの日はPlayStationやってる」って言ってたけど、字幕でさりげなく商標直されてました。字幕さんありがとうw
ナムさんは一人暮らしを初めて、自分が神経質だと気付いたそう。あ、気づいてなかったんですね。
……これは予想ですけど、多分弟たちに訊いたら全員「今気づいたの?」ていうんじゃないかなwww
壁に好きな韓国の画家コーナーがあったり、集めた美術品が飾られたりしていて、趣味が出てますね。
同じように好きなものを飾るのでも、テテの方はポップでナムさんの方は美術館みたいな印象を受けるあたり、本人が語っているように住む人の個性が表れています。
ナムさんの話に出ていたユン・ヒョンクン(尹亨根 / 윤형근)画伯は、ナムペンさんにはお馴染みの方。
ナムさんを芸術の道に目覚めさせた方とも言え、特にソロアルバム(ミクテ)「Indigo」に収録されている『Yun』は彼へのリスペクトに満ちています。
「引っ越してきた当初は広すぎて怖かったけど、住んでるうちに慣れました」とナムさんが言っています。「怖い」はジミンちゃんも言ってましたね。
17坪2部屋の宿舎にぎゅう詰めだった生活から始まり、ずっと共同生活だったので、一人しかいない空間というのはひどく広く、静かに感じられたのだろうなということが、それぞれの感想から伝わってきます。
ナムさんは冷蔵庫の中まで見せてくれます。景気良すぎるw
ハイネケン(ビール)の他、コーラ・スプライト・ペリエ・チルソンサイダー・サイコソーダなどが詰まってて、炭酸中毒の気配。……ん? サイコソーダ?
見た、私は見た。ナムさんの冷蔵庫にポケモンセンターで売ってるサイコソーダ(ゲーム内アイテムにちなんだ商品)が入っているのを!
まだポケモンブーム続いてたんですね。一度好きになると長いリーダー、愛してますwww
「国内の芸術家の作品を収集することで、音楽界だけでなく芸術界にも好影響を及ぼすリーダーのBTS力活用術」
について考えながらドキュメンタリー見てたのに、いきなり
「これどこで買ったんだろう、韓国のポケモンセンターへ行ったのかな。日本語ラベルだけど日本から通販で入手したんだろうか。一番目立つ中央に、ラベルこっち向けて置いてるのはたまたま? ゲットできて嬉しいから見て見てっていう自慢なの?( *´艸`)」
って方向に脳みそが暴走しました。私よ……。
ナムさんが「ここまで見せなくてもいいと思うかもしれないけど(中略)僕がどんな人間なのか、僕の言動や考え方を理解してもらうためには欠かせない場所です」って言ってました。
すごく極端な一部ですが、理解した気がします!! ほんまかw
あ、ポケモンショックで「リーダーのBTS力活用術」を語り忘れるところでした。コホン。
「RPWP」もそうなんですが、ナムさんのソロ楽曲ってすごいコラボが多いんですよね。何故だろうと思ってたんですが、先日出たメーガンとの『Neva Play』で自分の中の答えが出た気がしました。
ビルボードでのトップ・ソーシャル・アーティスト賞連続受賞でも認められたように、高い知名度と強力なファンダムにより、広範な影響力を擁するBTS。そこには光と影の側面がありますが、ナムさんは光の面を積極的に利用しようとしているように見えます。
彼のコラボ曲は、自分の持つBTSの名と影響力を使うことで、アジアに眠る才能を世界へ羽ばたかせる扉になる、という宣言であるように思えます。また、美術品、特に国内作家について発信をすることで、韓国の芸術界に目を向けてもらいたいという意思を感じます。
彼は音楽と芸術と祖国を愛しているんだな、ということが伝わってきます。
芸術分野はすぐ金になるというものではないため、商業主義とは相いれず、パトロンを必要とします。業界に光を当て、客を呼んでくれるナムさんは、この界隈にとっては救世主だと思います。
ナムさんが紹介した本はベストセラーになりますし、彼の寄付により愛するユン・ヒョンクン画伯のカタログも再販されました。
自分たちの持つ強大な影響力に怯えるより、与えられたそれをポジティブな方向へ使い、少しでも良い影響を残そうとするナムさんの姿勢を、私は愛しています。
この考え方は、今ある力をギフトだと考えるから出てくるものだと思うんですよね。ギフトの源はARMYなので、私たちも良い連鎖の一部であるということになります。光栄ですね( *´艸`)
バンタン一周年でジン君が作ってくれた、お祝い膳の光景。
大変なこともたくさんあっただろうけど、「楽しい共同生活でした」ってナムさんが振り返る言葉に、若バンタンがご馳走を前に手を叩いて喜んでいる姿が重なり、見る者の胸を熱くさせます。
「今、僕は休んでるんだな」っていうテテの言葉が印象に残りました。「休む」は、次また動くことが前提の表現だと感じるからです。
今彼らが残していってくれたコンテンツを受け取っている私たちにしてみれば、2022~2023のテテはめっちゃ働いていたのではないかと思われるのですが、彼の「休み」「休み明け」はいつを指すんでしょうね。
ちなみに「小確幸(소확행)」は韓国で広く使われている言葉で、「小さくても確かな幸せ」を意味するそう。元ネタは村上春樹の『うずまき猫のみつけかた』です。
バンタンは2018 FESTAでこのネタの動画(「소확행 List」シリーズ)を出してて、Weverseにありました。ただ字幕対応されてなくて、何言ってるかわからないのが難点~💦
探したい人は「Wevese>Media>BTS FESTAタグ」から掘ってみてください。私のFESTA記事からもリンク貼ってあります。
ジミンちゃんちでご飯を作っているグク。中華包丁で玉ねぎやマッシュルームを刻んでます。チキンとおでんスープでは足りなかったか。
通り過ぎるジミンちゃんに「上手だね。気を付けて」と声をかけられて「あーい」と返事している様子が、完全に家族( *´艸`)
グクの横で、生唾飲み込みながら見守ってるジミンちゃん(手は出さない)、餌待ちの🐥にしか見えませんwww
この料理面白いですね。カルボナーラに近いけど、麵がインスタントラーメンに見えます。
調べたらそれっぽいレシピが出てきました。投稿者のふうヌナさんは「グクボナーラ」って呼んでるそうです。さすがバンタン&ARMY界、何でも出てくる……!
ジミンちゃんが、初めてうつ病を疑われた時のエピソードを話してくれてます。ぎゃー。さっきまでYouTuberごっこしてたのに凄い落差でぶっこんでくるやん……!
「あの時」がいつかはよくわかりませんし、何が変わったのかの詳細も語られていません。
でも彼にそう言ってくれる友達がいてよかったと思いますし、この話を驚かずに聞いているグクや、イゲマジャで「『Alone』が好きな人は僕と気が合う」と言ったテテ、「シュチタ」での話などから、『Face-Off』や『Alone』に見える深い失望や痛みを、メンバーが共有し見守ったのだろうと想像しています。
Weverse Magazineのインタビューでジミンちゃんは、人の前では大丈夫と言い他人を気遣っていたものの、実際には多くの「ふり」をしていたと、不安定だった自分を振り返っています。
若くして成功を収めたことで、お金や成功の意味について考えざるを得なくなり、周囲の妬みや嫉妬に直面しながらも関係性の維持に奔走していた日々が語られ、胸が痛くなります。
インタビューからは、時間の経過と共に精神的な成長を遂げていく様子が窺えるのですが、これは2021/8/1のものなので、2023/3/24に『Face』が出る前にもう一段階何かあったかもしれません。
ただ少なくとも、このドキュメンタリーでのジミンちゃんは、「BREAK THE SILENCE: THE MOVIE」の時(2019/10くらい)の彼よりは安定して見え、少しホッとしました。この子には本当に幸せになって欲しいです……!
30歳を迎えたSUGAは、「20代の僕は、終わりのない競争から抜け出せませんでした」と振り返っています。
30代に入り、「”このまま埋もれたら?”とか"人気がなくなったら?"とか考えなくなって」楽になり、解き放たれた気がしたそう。解脱のきっかけは何だったんでしょうね。
ジミンちゃんも、「今、すごく健康な考え方ができてる。今のままの気持ちでARMYと年を取っていきたい」と語っていて、二人とも何らかの1つの段階を越え、新しい章に入ったことへの安堵や解放感を滲ませています。
コロナ禍による混乱や兵役を巡る騒動が一旦落ち着き、次の目標が定まったこと。ソロ活動を含む1人の時間を持つことで、新たな学びや発見を得て成熟が促されたこと。
様々な要因が考えられますが、ここまで辛い話も多かった中、最後に二人が明るい顔をしていたことは何より嬉しいメッセージでした。
次は最終回! 最後は釜山コンですね。どういう流れでこのドキュメンタリーが締めくくられるのか、非常に興味があります。楽しみ!