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詩集

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壺 (詩)

壺 (詩)

涙の壺
ポツリポツリと溜まっていく
生けたモノは終わりを告げ
壺はまた訪れるであろう始まりを待っている
曇天の空を覗きながら
今日も抜け殻は涙を落とす

果実 (詩)

果実 (詩)

手が有り余っている
そこは実だから
手が足りてない
そこは皮だから
実を絞ればジュースになる
皮を絞っても何も出てこない
種を撒こう
廃れた土地にはより一層種を撒こう

語り手 (詩)

語り手 (詩)

「語り手」

大切な人の手を握った。

 その手は、長い人生を生き波乱万丈な生き方そのものを表していた。

 その手は、多くの人との繋がりを表していた。

 そしてその手は、冷たくなりかけ、体から溢れていたエネルギーが程なく尽き果てることを悟っていた。
 
「ありがとう」