宮本から俺へ。
宮本から君へについて、完全個人的に吐き出したくて書きます。
そのメッセージが届くのは『君』次第。だけど当時、読者の批判と闘っていたと書く宮本を通した新井英樹さんの言葉の銃弾が傷をつけたり癒したりしてくれる作品だなと改めて思った。基本的に新井さんの作品は言葉が好きだ。
その中でも『宮本から君へ』は真っ直ぐ、どストレート、猪突猛進な漫画だ。1990年、自分とほぼ同い年の作品はもちろん時代の背景が沢山ある。もしかしたら人によっては、こんなことあるか?昭和か?と切り捨てるのも簡単だと思う。そんな泥臭い作品だとも思う。
今こうして吐き出す気になったのは、ずっと観たくても観れなかった、映画 宮本から君へを観たから。そして今読み返してみての気持ちの昂り、溢れだ。
ドラマは2018年、それは池松壮亮さんが演じることもあって観ていて、靖子の蒼井優さんも含め素晴らしいドラマだったと思った。
個人的な問題はその後の映画、そこに描かれるのは物語の終盤、宮本と靖子の闘い。それを観るには生半可な覚悟では観れない気がしていた。
何度もレンタル店で手に取り、諦め、サブスクでタップし、スワイプした。
そして気づいたら約5年の月日が流れていた。その間も家の本棚で宮本を見るたびに思い出して、考えて。池松壮亮くんを観る度に思い出して、結局諦めた。
でもそれを破るのはひょんなことから突然くるものだ。
たまたま、初めて人にこの気持ちを話したことで、俺のダムは壊れた。この時代にも感謝だけど、手を伸ばせばすぐそこにあって、地元へ帰る高速バスの中で鑑賞した。
結果から言うと、咽び泣いていた俺は他の客の迷惑でしかなかった、隣の列のお兄さんごめんなさい。
2時間ちょいのその中に、確かに宮本がいた。
ネタバレにはならないようにしたいけど、この先はそんな感じにもなるかもしれません。
主演の池松壮亮さん、蒼井優さん。まずはありがとう。あなた達がいてくれてよかった。宮本と靖子はあなた達のものだ。俺は2人を観る度に永遠に宮本と靖子を思い出す。そしてこの感情も戻ってくる。この作品への愛が君へ、俺へ届いた。ほんとうにほんとうにありがとう。
もう他になにも言語化できないくらい、厚く暑く熱かった。
あとその他のキャスティングにも痺れた。ドラマ版からなんだけど、田島の柄本時生さん、小田課長の星田英利さん、岡崎部長、古館寛治さんはそのもの。そして、神保さんの松山ケンイチさんがまたよかった。キリがないけど、ドラマ版の島貫、益戸、甲田美沙子もすんごくよかったのよ。まずドラマ版にも感謝。
そして映画版。
拓馬に一ノ瀬ワタルさん。後にサンクチュアリで主演する、すごい俳優さんが、拓馬そのもので出ている。俺はこんなハマり役はないと思っている。調べたら30kg以上も増量して臨んだと。
このツモりはほんとうにスタッフさんの愛を感じる。そしてその親にピエール瀧さん、大野さんに佐藤二朗さん。
この2人がこの作品を締めてくれている。喫茶店で宮本と3人で相対するシーンの緊迫感が今でも震える。
キリがないけど、あとこれは言いたい。
裕二に井浦新さん。こんなに難しい役を井浦さんだから乗りこなして、宮本に返してくれた。祐二は軟派でも男からみると憧れてしまう男だと思う。それを具現化したのが井浦さんだ。この作品の助演男優賞、タバコ吸う姿かっこええ。コミカルな部分もまたかっこええ。完璧な裕二がそこにいた。
映像化ならではのシーンの交差もよくて、始まりからフルスロットル宮本、検問突破ああああばりに始まって、改めて素晴らしい俳優さんと音楽と監督スタッフで魂を揺らしてくれたなと思う。
こんな感情をぐちゃまぜにした映画はない。
そして改めて視聴後に、原作を読み返すと、そこには新井英樹さんの魂が、初めて読んだ時と違く感じ取れた。
かっこいいんだよ、真っ直ぐで、まじりっけのない、純度100%は。勃起してしまうような、男が呼び起こされる、宮本から君へ。
人は感動する為に生きている。
幸せ貧乏人。
現実がこわくて夢がみれるか。
それでいい。真っ直ぐ生きたい。
兎に角真っ直ぐ生きて、生きて、生きて。いつかまた宮本から力をもらおう。この漫画と、映画と、すべてすごく好きだ。誰になにを言われても俺は好きだ。俺がカッコいいと思うもの。
映画 宮本から君へを観れてよかった。
この気持ちのやり場を書き殴ってしまったけどこうしたら、吐き出してスッキリするかと思ったけど、まだ熱い。
もし読んでくれた人がいたらありがとうございます。
とてつもない作品です。いつかまだ知らない誰かに届くといいなと思います。
宮本から君へ。