決めないこと
なんとか一歩目を踏み出すことができた。よしよし。
一歩目は大切。だけど、それと同じくらい2歩目も大切。
そんなわけで、テンポよく2歩目を踏み出して勢いをつけたいところ。
さて、何を書くか。
今のところ、まだ何も決めていない。。。
よし。
今日は『決めないこと』について書いてみるとする。
昨日少し書いたけれど、僕は世界一周バックパッキングの旅をするために、会社を辞めた。
そういう旅は学生時代に済ませておくものなんだろうけど
僕がそんな旅に出会ったのは、会社員になってからのことだった。
当時、会社で出会ったタイ人の女の子に運命を感じ、遠距離恋愛を始めたもののうまくいかず、こりゃ会わないとラチがあかないとタイまで行ったら
「付き合ってる人がいるの」と彼氏を紹介され、3人でご飯を食べる羽目になった。
ご飯は喉を通らなかった。まさかの展開だった。
好きだった人を失った悲しみと、残された時間ど〜するんだと絶望に打ちひしがれて嗚咽していると、たまたまタイに来ていた会社の同期が見かねてお尻を叩いてくれ、彼との珍道中が始まった。
その旅が僕の人生を狂わせた。
レンタルバイクですっ転んだり、野犬に囲まれたり、首長族の家でカップラーメンをご馳走になったり、連絡船に乗り遅れて漁船に乗せてもらってなんとか飛行機に間に合ったり。
旅慣れた人にとってはなんてことない話なんだろうけど、
代わり映えのしない毎日を繰り返していた僕にとっては、一瞬先も想像もできないこの旅に、生きるってこういうことなんじゃないかと感じてしまい、以来その味を忘れることができなくなってしまった。
どうやら禁断の果実を食べてしまったようだ。
その旅が終わる頃にはフラれたこともすっかり忘れ、僕は元気に日本へ帰った。そして、変わり映えのしない毎日に「いつか会社を辞めて世界一周したい」という夢がひとつ加わった。
いつか。
いつか。
そうして何年か経ったある時、それが「いまだ!」に変わった。
その瞬間、次の旅が始まった。
その後11年が経ち、アチコチ旅をしたものの、実を言うと世界一周はまだしてない。さらに言うと、ヨーロッパにもアフリカ大陸にも中南米にも行っていない。さすがに自分でも笑ってしまう。
旅に出た時は、これは一生に一回のチャンスだと思ったし、会社を辞めてまで出た旅だったから、当然のように世界一周するつもりだった。アフリカに行くための予防接種も受けていた。
でも、しばらく旅するうちに、べつに世界一周がしたいわけではないと思うようになっていった。
思えば世界一周というのは、旅に憧れて読み漁ったブログで多くの人がやっていたことで、それで知らず知らずのうちに僕も世界一周をしたいんだと思い込むようになっていたのだ。
でも、いざ旅を始めてみると
北京で出会った旅人に誘われて万里の長城で野宿をしたり
たまたま降りた駅で声をかけられた怪しいおじさんにそそのかされてチベットへ行くことになったり(写真はラサのお茶飲み場。)
好きになった娘についていってモンゴルを旅したら、アルタイ山脈で吹雪に見舞われてテントごと飛ばされそうになったり
まるで予想しなかった出会いが僕を待っていた。
そして、心躍り今でも思い出すのは、そんな予想外の出来事だった。
人間の認識というのは面白いもので、何かを探していると、それ以外は見えにくくなるような氣がする。
例えば世界一周するぞと固く決めていると、世界一周以外は見えなくなってしまい、何か面白い出会いがやってきても「世界一周レーダー」に引っかからないから、見逃してしまったりする。実際そんなことが何度かあった。
もちろん世界一周したければすればいい。
それが間違っているという話ではない。
あるいは、何かをやると決めることが悪いということでもない。
決めないことと同じ程度、決めることの大切さもあると信じてる。
ただ、今日は、決めないことで見えてくるものを書こうと決めたのだ。
事前に決めないということ。
それはつまり、その瞬間に決めるということ。
どこかに重心を寄せることなく、ニュートラルにやってくるものに応じること。
物事が瞬間瞬間変化する中で、
その瞬間にフォーカスし、みずからを感じ、選択すること。
僕がやりたかったのは
瞬間に生きるという、そんな生き方だったのだ。
その時になってみないとわからない出会い。
その場になってみないとわからない感覚。
そういったものとその瞬間に出会い、一つ一つ次を決めていく。
そうやって選んできた先っぽに、今の僕がいる。
結果として世界はまだ回れていない。
まさか海外旅行がこんなにも難しい時代になるとは思いもしなかった。
つくづく先はわからないものだ。
それでも、後悔はない。
この場に居ることを良しとできるのは、きっとその時その時、自分なりに自分の責任で選択を重ねてきたからだと思う。
さて、明日はどうなるか。
それは明日になって見ないとわからない。
行けばわかるさということで、
ひとまずこの2歩目を無事に踏みしめ、今日を終えたいと思う。
See you!
お金のために何かをするのではなく、好きなことをしたことでお金を頂戴できると幸せです。僕という人間の存在に対して、サポートをしていただけたら、それほど嬉しいことはありません。よろしくどうぞ!