別にムロツヨシが好きというわけではない・・・と思う。
別にムロツヨシが好きというわけではないのですが、気付くと、彼が出ているテレビドラマは、見始めて、見続けて、最後まで見てしまいます。
テレビドラマというものは、最終回まで見て、はじめてその良し悪しがわかるのだと思っています。けれど、それを言ったら、各クールで20本かそれ以上流されるものを、すべて見なければならなくて、現実的にはそういうわけにはいきません。
とりあえず、結構な数のドラマの録画を始めてみますが、さあ、どれを見ようかということになります。そういう時に、ムロツヨシとか大泉洋とかいう人が出ていると、気楽に見始めることができるのです。
で、ちょっと見始めてみると、何か面白いことをやってくれたりするので、もっと見ようということになります。
今回の『うちの弁護士は手がかかる』でも、往年のテレビドラマの物まねやパロディが結構楽しいです。あまりに「往年」なので、かえって若い人たちには通じないのではいかと心配になります。ドラマの中でも、若い弁護士(平手友梨奈)に通じないと、「世代だね」と自分で自分をフォローします(と同時に、脚本もフォローする)。
「あまり古いのばかりでは」と思ったのか、昨日11月3日の第4話では、『HERO』『東京ラブストーリー』以外に『VIVANT』を出したり、10月21日のキングオブコント優勝のサルゴリラの「魚」ネタまで出していました(「経験という魚をつかむいいチャンス」というムロのセリフ)。次回予告映像を出せないくらいのギリギリのスケジュールで撮影しているようで、それを逆手に取った、ここぞというギャグですね。
また、ムロが演じるキャラクターがいつも魅力的な人物であることが多いですね。いつも冗談ばかり言ったり、変なことをするわりに、人物としてちゃんとしている。筋が通っている。心優しい。この人のことをもっと見たいと思わせるのです。(ちなみに、「ムロツヨシ」は「ムロ ツヨシ」ではないらしく、一続きだそうです。なので、「ムロ」という言い方はおかしいのですが、言いやすいのでそう呼びます。)
もちろん、豊臣秀吉(『どうする家康』)のように歴史上の人物の場合には限界がありますが、それ以外、『ハコヅメ』(21年日テレ)や『親バカ青春白書』(20年日テレ)なんか、みんな魅力的なキャラクターでした。
私は別に彼のファンというわけではない(多分)ので、そんなに彼のことを詳しくは知りません。今回これを書くにあたり、はじめて「ムロツヨシ」を検索してみましたら、結構昔からテレビドラマに出ているのですね。『踊る大捜査線』や『ガリレオ』『SP』『絶対零度』にも出ていたらしく、その辺はよく観ていましたが、ムロツヨシは全く認識していませんでした(今回のドラマで『踊る・・・』の物まねをしていたのは、ある意味セルフ・パロディだったわけですね)。
私がムロを認識し始めたのは、『空飛ぶ広報室』(13年TBS)あたりでした。航空自衛隊広報室に努める主人公の同僚の役でした。その時に面白いことをやっていたか記憶していませんが、たぶんやっていたんでしょう。そこで名前を覚えました。その後、『大恋愛』(18年TBS)の名演技で、すっかりやられてしまいました。面白いだけじゃないんだ、と。
『うちの弁護士は手がかかる』でムロが演じるのは、元芸能マネージャーのパラリーガル(弁護士の助手)です。明らかに仕事ができる人なのですが、周りに圧迫感を与えず、気配りができて、いつも面白いことをやる優しい人。でも、いざという時には悪いやつらを叩くわけです。
言ってみれば、平和的な座頭市ですよね。目が見えなくて一見おどおどした感じでいる座頭市は、すごく優しくて、いざという時には仕込み杖を抜くわけです。それを非暴力で実現するのが、ムロ演じる蔵前なのです。
自分もこんな人になれたらな、と思います。
まあ、しつこいようですが、最終回まで観ないとドラマ全体としての良し悪しは言えないと思います。でもこれは、少なくとも最終回まで必ず観ると思います。
平手演じる弁護士とその姉の弁護士(江口のり子)の関係、ムロとかつてムロがマネージした女優(吉瀬美智子)の関係が、最終回に向けてどのように展開していくのか、など。うまく盛り上がってほしいです。吉瀬美智子は「このまま放置」にしないですよね? それから個人的には、終盤で、ナレーションの時任三郎(!)に重要な役で登場してもらいたいです。
楽しみにしています。
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