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ヒツジはうんどうがとくいで、クラスの人気ものでした。
「ヒツジくん、あそぼう!」
「いいよ!ドッジボールしよう!」
はんたいに、カエルはいつも一人でいました。
カエルは学校の花だんさいている花に水をやるのがすきで、休み時間はいつもそうしてすごしていました。
ある日のじゅぎょうで、学校の花だんにうえる花についての話し合いが行なわれました。
ヒツジは言いました。
「ぼくは、花だんにヒマワリをうえるのがいいと思います。理ゆうは、学校にひまわりがさいているとみんなが元気をもらえると思うからです」
みんなはさんせいしました。
しかし、カエルはゆう気をだしてそっと手をあげ、言いました。
「ぼくは、ヒマワリをうえない方がいいと思います。学校の花だんは日当たりがわるくてひまわりがせい長できないんだ。だからインパチェンスとか、日かげでもよくそだつ花の方がいいと思います」
しかし、だれかがが言いました。
「そうやって、ヒツジくんにもんくをつけて、ちゅう目されようとしているんだろ。ぼくは、ヒツジくんが正しいと思う。なんだよ、インパチェンスって」
「そうだそうだ、ヒツジくんのアイディアがいいよ」
「わたしもヒマワリがいいと思う!」
そこでウサギが手をあげて言いました。
「ねえ、カエルくんのいけんをもっと聞こうよ。私はカエルくんはみんなのために言ってくれているんだと思うよ」
みんなはしずかになりました。
カエルはもういちど顔をあげてせつ明をはじめました。
「ぼくが、インパチェンスをうえた方がいいと思ったのは、日が当たらない学校の花だんでもよくそだつし、ヒマワリみたいにりっぱで、元気がもらえる花だからです。うそじゃないよ。花図かんにのっていたんだ」
まわりの子はことばをうしないました。
そして、
「わるく言ってごめんね」
「すごくいいアイディアだと思うよ」
「じつは、カエルくんは毎日にわの花に水をやっていてすごいと思っていたんだ」
「こんど、お花について教えてよ!」
と、カエルにさんせいする声があがっていきました。
つぎの日、学校の花だんにはきれいなインパチェンスがあざやかにさいていました。
解説
発生論の誤謬とは、ものの良し悪しを情報の出自から判断してしまうことです。物語の前半では、カエルがきちんとした理由があってヒマワリではなくインパチェンスを植えるべきだと言ったのに、いつも一人でいるカエルの意見は通らず、スポーツマンで人気者のヒツジの意見が高く支持されました。
ウサギはカエルの意見を聞くようにクラスメイトを促し、カエルはクラスメイトにきちんと説明し、理解してもらうことができました。
現実の世界では必ずしもこの物語のように素敵なエンディングを迎えられるわけではありません。でも、ウサギのように、情報の根拠にフォーカスする姿勢はとても大切です。情報をその出自に捉われずに見極めることができれば、それはあなたの利益になるでしょう。
参考:"genetic"